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2008年10月24日

視察報告・・・・はびきの市民大学

 1泊2日の視察でした。大阪は羽曳野市での2時間を過ごし、名古屋に戻って宿泊し、今日は多治見市にトンボ帰り・・・して多摩まで帰ってきました。このようなスケジュールで行われる視察と言うのは、視察先自治体の市役所と最寄り駅の往復で終わってしまうので、「市井の様子」を掴むことができないのがいささか残念な行程ともいえます。

 羽曳野市の「はびきの市民大学」のある「LICはびきの」がオープンしたのはちょうど1999年のこと・・・・国がやれIT立国だとどんどんとIT関係の補助金を増やした時期と重なります。「LICはびきの」もその流れも汲んで建設されたものだとか・・・・・・。なので、多摩市では既にどなたの記憶にも残っていないと思われる「情報ライブラリー」(事業の成果がほとんど上がらずに、現在は無理やりに市民活動情報センターにリニューアルさせられた)と同様もしくは重なるコンセプトも持ち合わせている「生活文化情報センター」なのでした。

 そこの一大事業が当該「はびきの市民大学」。聞くところによると職員発意の提案からスタートしたものだとか。その背景にはどうやら地域の文化財「古墳」の存在がありそう。古墳群をちゃんと保存をして、伝えていく・・・・そのために市民の理解が欠かせないとの実感を持ち、そして歴史遺産を残そうとの熱意を持った職員の存在。ここに一つの大きな事業のミッションがあるように感じました。事業を進めるための職員の情熱やここにあり!との印象が強く残りました。
 受講生である市民の皆さんにお会いをすることもできずに終わった視察なので、安易に他市の議員が評価する必要もないとは思っていますが、個人的には多摩市で同様の事業展開が必要かといえば、その優先度は極めて低いような気がしました。前期(4~9月)、後期(10~3月)のタームに分けて実施される企画講座は近隣大学その他の教授の協力も得て、かなり高尚な内容なものばかり。例えば、「歴史の中の女たち」、「幕末・維新期の日本/激動する社会と諸階層の対応」、「西洋音楽史/クラシック音楽の起源を探る」・・・・そして、少しカジュアルな感じとしては「日常生活前進トレーニング」「脳とこころの健康科学/バランスを大切に」等などありますが、講師陣がいわゆる大学教授その他専門家と思われる方々の名前がずらり・・・・・・。


 民間の「〇〇カルチャーセンター」みたいだなって思いましたが、ただ単なる受講生に留まるのではなく、そこからまちづくりを担う人材へと巣立っていってもらうことが大目的になっている(受講生がどこまでそのことを理解しているのかは別として)点が少々異なるようですね。ちなみに、1講座は12回で6000円。1回あたりで考えると500円となりますが、「気軽に受講できるわ!」と思える費用設定とは言い難い気もしました。受講生はやはり定年後くらいの方々の層が占める割合が多いわけですが、cultivateにきちんとお金を投資できる余裕が持てる人かどうか・・・・受講生の顔ぶれも何となく思い浮かんでしまった私です。


 そういう点で考えたとき、そこまでして税金で「市民大学」を運営する必要性があるのかないのかは羽曳野市でも予算査定などでは話題になることだとか。それでも事業を運営している職員の情熱、そして事業に込められているミッションがあるからこそここまで続いていているのでしょうね。

 羽曳野市の事例は事例として参考にはしたいと思いますが、多摩市も前向きに取組んでいくべき事業かどうかを問われれば、かなり慎重な考えるべきでしょう。公民館や図書館をもっともっと機能アップしたり、社会教育施設どうしのネットワークをより発展させていくことのほうが有効かと思いました。多摩市の公民館はまちづくりの人材育成を随分と手がけてきていると思います。現在もその伝統は引き継がれていると思いますが、私の知っている限りでも何人もの方が「公民館講座」出身で、そこをきっかけにまちづくりのさまざまな活動に関わっていらっしゃるので。


 というわけで、まずは初日の視察報告から。・・・・それにしても夕刻からは民主党TAMAの市政報告会に出席しましたが、ノーメイクなおかつ移動疲れでひどい表情だったのではないかしら?


 視察2日目の多治見市についての報告は続編で。

投稿者 hisaka : 2008年10月24日

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