« 9月定例会 一般質問5日目 | メイン | 9月定例会 実は多摩市は余力あり??? »

2008年09月08日

9月定例会 補正予算は可決しました。

 今日はさまざまな状況変化などに機敏に対応すべく?・・・・一般会計、特別会計の補正予算が審議されました。4つの特別会計の補正予算は全会一致で可決。一般会計の補正予算については賛成多数にて可決しました。

 ちなみに、私は「反対」をしました。反対したのは共産党会派とゆいの会の佐久間さん、住田さんと民主党TAMAは遠藤さんと私。私たちの会派も見解を分かつこととなりました。
 実は、途中で補正予算の修正案を提案しようかとも思いましたが、事前に「根回し」をしていなかったこともあり、「修正案を出したい!」と休憩動議を突然に発動したところで賛同が得られそうにもなく、そしてまた議事運営が混乱する可能性もあるので、断念しました。
 修正案の内容としては防犯対策経費「安全安心まちづくり推進協議会」の報酬12名分27万円の経費を削除するというものだったのですが・・・・。


 どうせ否決される修正案・・・・でも、定例会で提案された条例「犯罪のない安全なまちづくり条例」に関連するものなのできちんとした反対姿勢を明確にしたいと考えていました。ちょっと対応の出遅れに後悔?修正案を出す場合には用意周到にしておかねばならないことを痛感しました。


 さて、条例に対しては週末に色々と考えました。市民の防犯対策への関心や要望は非常に高いことも承知していますし、条例の制定で多摩市が「防犯対策」に積極的に取組んでいる姿勢をアピールすることにもなるでしょう。


 でも、やっぱり私は条例制定の根幹に関わる精神に疑問です。市民のまちづくり活動の一環に「防犯活動」を位置づけて支援をするだけで十分だと思います。週末にあいさつ運動をしたのですが、防犯活動を積極的に応援することで地域に「あいさつできる」人との関係でできるとは思えません。今日の場合は、補正予算ということで上記、協議会に関する質疑しかできず、条例の内容にまで踏み込んだ質問はできませんでしたが、「安全安心まちづくり推進協議会」のお墨付きを得て策定される「安全計画」は、安全なまちづくりのための目標を掲げ、それのための具体的な施策を項目にあげるもののようですが、それって一体「誰のための行動計画」になっていくのでしょうね?
 条例では、市民の自主的自発的な安全安心まちづくり活動をする努力をすることが役割になっているのですが、行動計画がそんな市民の自主性自発性を拘束するようなものにはならないですよね。

 安全安心まちづくり推進協議会は「市のトータルの安全安心まちづくり方向性を見定めていく場」のようなのですが、それって推進協議会がなければできないことなんでしょうか?・・・・疑問。推進協議会ができたら「不審者メールの件数が減少するものでもないでしょうし。」(「安全計画の目標にどんなものを掲げ、どんな基準で計画の進捗状況や達成度を測るつもりなのか」を尋ねたところ、「不審者メールの件数」なんてものが答弁で出てきた。また、例えば、パトロール活動の回数を目標値にしたりしてもあんまり意味がない。)


 「知らない人に道を聞かれても無視。」「知らない人にあいさつをされても無視。」・・・・どちらかと言うと、今の子どもたちはそんな風に教えられているのでは?もちろん安易に大人の甘い言葉に誘われてはいけないと思うけれど、子どもに防犯ブザーなどを持つことを奨励し、世の中には不審者がいつどこで出てくるのか分からないから・・・・と教え込まねばならない社会そのもののあり方が問題。そんな社会をつくってきたのは大人。


 だから、パトロール?そして、防犯意識を高揚させて、警察との連携をするの?・・・・・おまわりさんが不在の交番が話題になることもありますが、見方によっては、そんな「空き」を市民が肩代わりしているとも言えるかもしれません。極端な話かもしれませんが、「安全安心なくらし」が脅かされた場合、それが警察にとって「凶悪犯罪」でなかった場合には地域のパトロールなど市民の地域を守るための自主的な防犯活動が足りなかったからだと責任転嫁させられるわけではないですよね。でも、この条例はそういう捉え方ができる側面を持っているのです。


 安全安心なまちづくり、くらしが守れないのは究極的には「市民」の責任になってしまう可能性?


 そうなってくると、私たちは何のために税金で警察権力なるものを維持しているのかもわからなくなります。

 そんなに深く考える必要はないと言われるのかもしれませんが、そんなに深く考えていくべき問題であると私は思っています。条例を制定するというのは、とても重いことなんだと感じます。

 市民的な要望もとても高いけれど、警察などとの連携云々には関係のないところで、もっと伸びやかに市民の自主活動を応援していくのが自治体の役割だと思います。この条例に対しては市民が「相互に監視しあう」ことを助長すると批判する人もいます。安全安心まちづくり協議会については公募市民も含まれるということですが、公募市民というオブラートに包み込まれて市に都合のいい人材が登用されては困るとの苦言もあり(ってこれは「公募市民」の選出に対して常につきまとう視点)、異分子異端児の排除になってはいけない、協議会の人選については人権派の弁護士を参画すべし・・・などなど見解が出されました。 
 もちろん、議会内の構成で見てみれば、今のところ条例は可決される可能性は高く、可決されるのであれば条件闘争でこちら側の意図を最大限汲み取ってもらえるように要望を並べ立てるということも一つの手法かもしれませんね。


 しかし、私は上記にも書いたように、条例を制定するというのはそんなに安易なことと捉えていません。何だか、議会内には市の提案に修正案を・・・・という動きもあり、「防犯意識の高揚」という文言を削除したり、前文をつけて・・・という話もあるようですが、一部の文言を削除しようが前文をつけようが、私は自分の精神には馴染まないから反対。なぜなら、もともとこのような条例の制定をする根幹には「市民社会」への視点や「人権感覚」があると考えているので。自発的自主的に「防犯活動」をしている市民のまちづくりや地域づくりの活動を「自らの暮らしの中の問題解決のために行動する市民」を応援するという視点があれば十分。


 ちょっとした参考になる情報→河北新報社の連載記事より/川名ゆうじさんのコラム

 安全安心のまちづくり条例の制定を望む市民もいれば、その必要性に疑問を抱く市民も存在しています。それは事実です。私は警察と積極的に連携することに抵抗感や危惧を抱く市民の立場に立って今回の条例制定については少数派の立場で判断したいと思います。会派で考え方が統一できなかったことは本当に残念なことですが。

 一応・・・・東京都にも安全安心まちづくり条例はありますし、十分に自主的な活動も応援していると考えています。私たちは都民なのでわざわざ多摩市が条例を制定しなくても十分・・・って考え方もあり。多摩市は独自で警察を持っていませんが(って当たり前)、東京都は当然ながらしっかりと警視庁と連携をしているようですから・・・・。

投稿者 hisaka : 2008年09月08日

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
/1821