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2008年09月04日

9月定例会 一般質問4日目

 今日はまず、どんな答弁が返ってくるのかと思っていた文化財に関する佐久間さんの質問から。やはり答弁は一辺倒。「文化財は貴重な歴史的財産なので適切に取り扱い活用をしていきます。」とのこと。彼女は行き場がなく廃校施設(学校跡地)に押し込まれている文化財のことを指摘し、その時々の事情によって「置き場に困っている文化財たち」が学校跡地他倉庫代わりになる場所に盥回しに転々となっている状況を改善すべきと主張をしていました。「資料館」みたいなものを整えるべきということですが・・・・「えっ、まさか新たなハコモノ建設?!」。

 新たにハコモノを建設するかどうかは別としても学校跡地などを豊富に所有している私たち。どこかを活用して、きちんと整備をすれば子どもたちそして大人の学習に資する場ができるだろうということですね。そういえば、私が小学校のときに「第二〇〇室」というのがあり、そこに色々と農機具などが展示されていました。でも、壊したらいけないのでその部屋には入ったらいけないと言われていましたが。


 多摩市の文化財といえばとりあえずホームページに掲載されているものもあるけれど、佐久間さんの指摘していたのは学校跡地に詰め込まれている農機具その他、多摩村や多摩町のくらしが見えてくるようなものだと思うのですね。それらの文化財がどのくらいの価値のあるものと言えるのか私には鑑定能力はありませんが、「置き場のない」というような取扱い≒資料的価値はいまいちということなのかしら?

 今日の質問でユニークだったのは少子化時代の新たな対策のために「結婚支援事業を!」という提案でした。いわゆる「お見合いパーティ」などを自治体が主催をするということになります。「未婚化」が進んでいることへの対策というわけですが、もちろん多摩市はそれほどに積極的に取組もうという状況にはなさそうでした。でも視点のユニークさに議場が和みました。


 あとは、市長を積極的に支援している立場の議員から「社会福祉協議会の改革を推進すべき」と力強い発言が。なかなかメスの入りにくい社会福祉協議会の改革ですが、さすが市長との距離が近い会派に所属している議員からの発言ともあり市長その他の答弁の緊張感は違いますね。「下手なこと答弁はできない」という感じで。・・・・・・さて、これからどんな風に改革されるのでしょうか。端的に言えば、社会福祉協議会の職員に対し「働きが不十分なのに、給与水準が高すぎる。」と厳しく追及していました。それに対し、市長は「社会福祉協議会のみならず、この市役所についても・・・・・」と前置きをしたうえで、民間企業の厳しさを勘案しながら改革に取組んでいかねばならないと思っているとの発言をしていました。


 そして、障害者の就労支援で質問をした向井さんへの答弁で明らかになったのは、多摩市役所に入庁するための試験は障害の有無を問わず、全ての人に機会が均等に与えられていないということ。例えば視覚障害をお持ちの方などが受験をしたいと思っても、「もともと受験資格がない」と判断されるようです。市役所の仕事の中で障害者にできる業務もあるはず・・・というのは以前からずっと指摘されている問題。まずは市役所の業務をきちんと洗い出し、障害者の就労の場を市役所内に確保できるようにすべきなんてことは最近になって言われていることではありません。でも、その部分がなかなか進んでいないのが現状。「やろうとしていないのか、やれないのか」がよくわかりませんが、とりあえず、今日の答弁では「業務の洗い出し作業に取組んでいきます」との話。(「いつまでに取組んでいくの?」と思わず尋ね返したくなったが)
 業務の洗い出し作業があり、その上で民間企業の求人広告でもあるように「障害者の人材募集」というものがあるのかもしれませんね。とりわけ知的障害や精神障害をお持ちの方の就労の場づくりが求められています。


 向井さんの言うように「一緒に過ごす時間」がなければ理解することはできません。一緒に過ごす時間があるからこそ理解ができる。立派な先生のノーマライゼーションに関わる講演会を聞いたとしても本当に理解したことにはならない・・・・ってそのとおりでしょうね。十人十色。私たちは一人ひとりみんな個性的なので(これは障害の有無には関わりません)。
 って考えると、昨日話題になっていた「心のノート」っていかに使えない教材であるのかが全くよくわかるものです。だから、私はインクルージョンの視点に立って進めようとしている特別支援教育ってとても大事だと思っています。子どもたち一人ひとりの特性や個性にあって支援ができていくシステムができれば、そのことがいずれその子どもたちの将来の問題にもつながっていき、就労支援、地域生活というふうに「ライフステージに応じて市民一人ひとりの支援」ができる全体の仕組みの構築につながらざるを得ないと思っているので。


 でも、道のりは長くて険しくって、まだまだそんなに一足飛びにはいかない。

 改めて考えさせられたことを最後に報告すると、トップバッターの発言者の佐久間さんは「戦争と平和」の問題を切々と語っておられました。佐久間さんは「戦前生まれ」。既に市役所の職員はみんな戦後生まれになるわけでしょうし。議員だって圧倒的多数は戦後生まれ。戦後生まれの私たちは「平和行政」「平和施策」にどんな思いを持て、そして今後どのように展開していけるのだろうか、未来につないでいけるのかなあと。「どんどん風化してしまう」ということの重さを感じました。こういう問題もやはり私が語るのと佐久間さんが語るのではその重みが違いますよね。でも、「だから、語れない」と言うのではないんだろうなあ・・・・と。ここは簡単なようで難しい今後の課題。

 明日が一般質問の最終日です。

投稿者 hisaka : 2008年09月04日

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