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2008年09月02日

9月定例会 一般質問2日目

 今日の最後に発言順だったので、昨晩は試験前状態でした。昨日の最後に「看取り」をテーマにした一般質問があったのですが、今日のトップバッターからも「在宅医療の現状」について発言がありました。先月末、祖母が亡くなりましたが、やはり在宅での看病ができず病院で死を迎えました。家で医療的なケアもしながら・・・・となると家族への負担は決して少なくない。そんなことを感じながら、祖母の死を思い返します。「家で最期を迎えたい」との思いを医療面で支える「在宅ホスピス」。国も推進をしているようですが、まだまだ社会にはこの考え方も浸透していませんし、これから力を入れるべき分野でしょうね。こういう問題が多く議会の話題に取り上げられるようになると、まちの「高齢化」をひしひしと感じますね。


 さて、私の一般質問については「学校の統廃合と新しい特色づくり」の問題と「発達障害児・者支援の体制づくり」の大きく二つ。本当は前者を中心に質問をしたかったのですが、私よりも前に発言をした議員と行政とのやりとりを踏まえ、急遽後者の話題にも力点を置くことになってしまいました。

 
 というのも、療育を行っている「ひまわり教室」が来年4月から教育センターのところに移転するのと同時に、療育内容の充実を図るために民間委託の方針が確定しているのですが、今、民間委託先の公募をする段階になり・・・・・保護者の方々から不安の声があがっているのです。ひまわり教室の在り方についてはずっと議論をしてきた経過があり、私も教育センターへの移転を機に運営方法の見直すができるのではないかと提起してきた立場です。移転することと民間委託が同時に行われることに保護者の方の不安が広がる危惧もあり、それにきちんと応えられるような段取りで準備を進めて欲しいことは何度となく指摘をしてきた事項でした。
 にも関わらず、あまりの段取りの悪さに予想どおり保護者の方々の不安がみるみる膨らんでいったことは言うまでもありません。そして現在は保護者の方と担当部との協議?意見交換が数回開催されてきたところです。

 そして今日を迎えましたが、やはり私の前に発言をした安斉議員は「民間委託化への反対」の立場から、関係者との話し合いを十分に重ねるべきだと主張をしていました。


 私も保護者などとの話し合いがまだまだ整っていないとは思っていますが、それでは民間委託を反対するのかといえばそこは見解が違います。しかるべき責任者を配置せず、運営をし続けてきた行政のやり方が現在の「ひまわり教室」につながっていることに責任は指摘することはできますが、それを指摘したところで問題解決にはなりません。
 今、現実的に対処していかなければならないのは、「ひまわり教室」に求められているニーズにきちんと応えられるような体制をいかに整えるのかだと考えています。


 正直、他自治体の同じ施設も見学に行きましたが、「ひまわり教室」以上に充実した内容のプログラムがあることを思うと人件費含め約4千万円で運営されている「ひまわり」も何とか梃入れしなければとの思いも募ります。しかし、市の財政的な余力などを鑑みれば、今さら専門性のあるスタッフを正職員で揃え、体制を立て直すことを提案してもかなわないことは事実。そうなると民間事業者で専門性があり、ノウハウのあるところと協力関係を結んでいくことをどうしても視野に入れざるを得ません。もちろん民間事業者が提供していないプログラム内容であれば、行政が率先して担っていくことが必要ですが、決してそういうわけではないことを思うと「民間」に力を借りるしかないと感じます。


 あとは民間委託の時期の問題・・・となりますが、場所の移転と同時に行ったとしても支障なく事を運ぶ事だって十分に可能なはずなんですが・・・・・。

 民間事業者の募集を・・・という段階ギリギリのこの局面で保護者や関係者を含めた混乱状況を何とか収拾するためには、行財政診断白書で重点改革項目とされていた原点を踏まえて、保護者に改めて説明と理解を求め、保護者からの要望をできる限り汲み取る努力をすることでしょうね。行財政診断白書は2003年に完成したもの。ここから今まで約5年間もの話し合いを重ね、発達障害者支援法の成立や特別支援教育の実施されるなど、時代環境や状況も大きく変わってきました。そして、未就学児の療育の拠点となる「ひまわり教室」の重要性も改めて見直されてきたところです。市長も「ひまわり教室」を改革することの必要性に理解はとても深いです。


 それならば・・・・と私は市長に対し「保護者や関係者への協議について、担当者に任せるのではなく、市長自らの責任で話し合いをしてもらいたい。」と強く求めました。ここで腹を決めて今後の舵取りをしていく責任者は市長です。毎回・・・埒があかないような話し合いをするのではなく、市長がその責任で話し合いに出席し、しかるべき判断を下すことが必要です。仮にそこで民間委託の時期を先延ばしにすることを市長が判断するのであれば、それもまた一つの選択肢かもしれません。いずれにせよ、こんな事態になったことが本当に残念。市長も「保護者の方への対応の遅れについては反省している」という旨は述べていましたが・・・・・。

 行政に対する不信感を持たざるを得なくなった保護者の方々に対し、市長が誠実な姿勢で話し合いに臨んでくれることを今は祈るのみです。・・・・ってこのあたり、議員は他力本願で無責任な感じですが、一般質問はあくまでも一個人の発言に過ぎないので仕方ないですね。


 そんなわけで、学校の統廃合の問題については、準備していた質問事項を虫食い状態にするしかなく、私が頭で描いていた質問ストーリーどおりにいかなかったのが本当に残念。なので次回にリベンジという感じですね。
 何しろ私は学校の統廃合問題については、教育委員会の議事録に目を通す限り・・・「本当に子どもの視点に立って統廃合問題が語られているんだろうか?」と思わざるを得ず、何だか「一定規模適正配置」という方針に固執し、教育委員会の面子やプライドで議論されているような雰囲気を感じとってしまったので、そこを指摘したかったんですが。「小規模校の解消こそ」が教育環境のため・・・と言いつつも、小規模校化が解消できないかもしれない統廃合になりそうだと予測できるものについては「数の問題を乗り越える教育内容があればいい」「周辺から子どもを獲得できるような特色を」なんて会話がなされているので。


 「数の問題は前提だけど、それを乗り越える教育内容やプログラムを・・・」なんていうのであれば、小規模効果の一途を辿ってきた竜が峰小学校と大規模校になりすぎて教室不足になっているところに拍車がかかる多摩第二小学校の統廃合だって、もっと別の視点から考えればよかったのでは?と思わざるを得ません。竜が峰小学校の小規模な校風を選んで通学していた児童もいたことを思えば、数の問題はさておき、それを乗り越える教育内容があったとも言えるでしょうし。


 そのあたり、教育委員会の議論の仕方に矛盾を感じざるを得ません。正直・・・・「一定規模」なんていうのやめたら?・・・って私は思ってしまいます。「一定規模適正配置」方針ではなくて、「適正配置」方針とだけしておけば?と。そうすれば小規模校であっても、立地によっては必要なところは残すことが必要だと判断される場合もあるでしょう。この方針は既に破綻寸前だと思っています。そもそも「一定規模」と言いながら大規模校の問題については言及されていないところもおかしさがあります。


 いずれにせよ、何のために学校統廃合を実施するのか?・・・・・それは教育財産の効率的運用だけのためではないはずです。そうであるならば、統合で新設された学校がしっかりと新たなスタートができる後押しの体制も整えていく必要もあります。今は、「学校の統廃合」を推進める部署には部長級がヘッドになっているわけですが、統合が決まったその後の学校をフォローする体制があまりにもジリ貧な気がしますし。そのあたりの体制の立て直しが課題だと思っています。その体制が確立されなければ、小学校も中学校も統廃合されて新たな学校コミュニティが編成される貝取・豊ヶ丘地域を始め、今後も統廃合が控えている地域で「新たな学校文化創造」を求めることができない気がします。


 ということをきちんと順序だてて話をしたかったのですが、できなかったのでここは次回以降に課題を持ち越し。いずれにしても教育の専門家ではなく素人の私が言えることは、本当に「子ども目線で」「子どもの気持ちに寄り添って」・・・・常にその視点を忘れないで、学校環境を整えて欲しいということ。社会が忙しく、大人たちも余裕がますますなくなっている世の中・・・・学校では先生が子どもたち一人ひとりに向き合いその存在をしっかりと認めてあげられるような状況が必要だと思っています。先生たちにも余裕がなく忙しい、学校がキュウキュウとしているような状況を救っていきたいものです。なので、貝取・豊ヶ丘地域で学校の統廃合を行い、さらにその地域の学校の小規模化を防ぐべく、小中連携推進のモデル地域にしていこうなんて考えるのは学校、先生の負担、荷が重くなり、今考えるべきこととは思えません。学校の統廃合で多少なりとも揺れる子どもたちの気持ちを優先するべきですから。そのために、先生と子どもとのコミュニケーションの時間を多く確保できる方策を考えるべきです。
 それに、少なくとも小中学校の連携は必要なこととの認識の下、現在でも多摩市の全小中学校ではそれぞれに地域事情にあったやり方と工夫で取組んでいることなんですから。


 終わってしまったことは考えず。しかし、今日の質問があまりにも中途半端で終わってしまったのでどうもすっきりせず。最後に私の残り時間がなくなったところで、教育長に発言を求めたところ「ご質問者は教育委員会の立場に立ち、お考え下さっている」と言われたのですが、私は教育委員会の立場に立った発言は全くしていないんですが・・・・・。私が大事にしたいのは「子どもの立場」・・・・・あっ、教育委員会も「子どもの立場」に立っているということ?!

投稿者 hisaka : 2008年09月02日

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