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2008年08月25日

議会改革は進むか?

 久しぶりの議会改革シリーズです。しばらく夏休み?お盆やらで活動が小休止状態だった議会改革特別委員会が開催されました。今日も9時半よりみっちりと午前中いっぱいをかけて意見交換をしました。

 まずは「会派制」について。

 各委員からそれぞれに出された意見の中に「会派制をなくす」というものがあったので、まずはこれが焦点となりました。「会派問題」というのは議会改革を議論するうえで、どこの議会でもたいていはぶつかる壁になるのではないかと思います。とりわけ議員全員が「保守系無所属」「革新系無所属」みたいな素地(っていうか、こんな区分けの仕方も古臭いが)を持っている風土ではないような都会的な場所にある自治体には政党に所属している議員も多いので。多摩市議会の場合には26名中21名が政党公認(ローカルパーティも含む)という立場です。もちろん私も。

 よく自治体では「無所属市民派」みたいな名乗りをなさる方もおられます。私は「民主党所属市民派」っていうわけで、市民派であることには変わりがないと思っていますが、やはり差異は大きいのでしょうか?


 今日の意見交換のとっかかりは「市民は選挙の際には『会派』ではなく『個人』を選んでいる」との発言から。確かにそうですね。選挙は個人名を書いて投票をするので。でも決してそれだけではないとも思ったりしています。国政で「政権交代」という言葉が多かれ少なかれ意識されつつあり、それに連動して地方の政治でも「政党」の役割が見直されている気がします。つまり、そこには「政策がある」と思っています。もちろん個々人の政策もあるわけですが、やはり市民政治であっても連帯を広げていくことが求められますし、大同小異で結びつきながら流れを変えていくことも必要です。そのうねりこそ、市民が足元から大きな方向を変えていくことにもつながるわけなので。・・・・なので、個々人の力量はもちろんですが、地域政治でも各政党が掲げる政策がますます重視される傾向かな・・・なんて思っていますし、私はそうなっていくことが望ましいように考えています。
 地域要望を陳情するだけが議員の役割ではなく、まちの大きな方向性を市長と意見を交わし、戦わせるそしてまた議員どうしで政策論議を繰り広げあう・・・なんていうのが本来想定されている姿だと想っているので。(って一応、これは私の目指すべき理想の姿でもある。)


 で・・・・・会派問題についての今日の一致点というのは「果たして会派の存在はマイナスなのか?」というところにも及び・・・・「決して、マイナスとも言い切れない」という現実や現状も見つめ、そしてまた多摩市議会の場合には交渉会派(3人以上)でなくとも、大きく不利益を被るような少数の言論を封じ込めたりするような雰囲気は今のところないことも評価しつつ・・・・・最終的には下記の見解にとりまとめられました。

 ①各議員個々人の自由意思に基づいて必要があれば会派を組めばいい。
 ②会派とはこうあるべしと決める必要はない。(例:会派は全員一致した意見を持たねばならない等。時には同一会派内でも異なる見解を持つ場合もあるだろう。そこは個々の会派の問題であり、外部から過干渉することは望ましくない。)
 ③ただし、会派を組むからには何らかの一致点があるはずだろう。やはり基本は「政策集団」であるべきだろう。(例:以前、「議会改革」という政策だけで一致し、会派集団を結成していた議員団もあったが、それはそれで認めていくことが必要であろう。それ以外の政策ではなかなか一致しない・・・・ここは非常に外部から見てもわかりにくいところだが、そのわかりにくさを説明していくのは当該会派であり、当該会派に所属している各議員個々人だろう。)
 ④しからば、個々の会派が目指すところ・・・何を目的に会派を結成しているのか、会派として達成したい政策内容などなどを市民に明らかにしていけばいいのではないか。


 概ねはそんな感じで、「会派を組む自由もあれば組まない自由もあるし・・・・議員個々人の意識に任せればいいじゃない」というとっても自由でのびやかな意見が出されたことには本当によかったなと思っています。私も全く同感なので。


 問題は、会派があるとかないとかではないと思っています。かつては市長が少人数会派などは全く無視しても市政運営できたのも事実だったり、また議会運営の上でも少人数会派の意見は封鎖するみたいな歴史もあったみたいですから・・・・古き時代の荒波政治(?)に無所属を貫き、一人会派などで活動を積み重ねてこられた議員さんのプライドとか人権は本当に軽視されてきたのでしょうね。ですのでそんな経験をお持ちの方々の「会派制度」に対する思いの深さって「心の傷」にも近いところに存在しているように思っています。その痛みの深さを実は私たちはきちんと理解をするべきで、その上に我々の活動があることを常に意識していたいものです。私の活動も当然ながら、そんな先輩議員の苦労などの上にあるわけで、やっぱり感謝したいなって素直に思います。時代環境は少しずつかもしれませんが、変わっていくのです。私は昔よりはいい環境で議員活動を展開している・・・・だからこそ、次の世代にはもっともっといい活動環境でバトンタッチできるようにしていきたい!その思いが一層強くなるのです。


 会派の問題に続いては、「市民参加・情報公開」という分野に入りましたが、ここはすんなりと改革骨子の方向性は見出せました。両方とも否定すべきものではなく、積極的に参加手法に工夫をしていくべきだし、公開も進めていこうということで。いわゆる出前議会やインターネット中継、議会広報の拡充等など・・・できそうなことはたくさんありそう。


 「できそうなこと」=「できること」と直結しないところにご用心。着実に進めていけるよう各種段取りも必要です。一番重要なことは、何をするにも先立つのは「予算」・・・・・いやいやっ・・・・・・もっと大事なところには議員全員のやる気?!何しろ議会改革特別委員会だけでの議論が進んでいる状態を危惧している私・・・・・「議会改革の真ん中には議員改革がある」という名言も飛び出している多摩市議会の改革ですが、やはり全員が合意した上で進めてこそ価値あるものになるでしょうから。議会改革特別委員会に所属していない議員との情報共有や意識の共有をいかに進めるのかが今後の最も大きな課題で最大のハードルかもしれません。


 ここは・・・・副委員長の私ではなく・・・・委員長ではなく・・・・議長の手腕に期待したいですね!議長は「議会改革」というものを明言した上で就任なさった方。非常に勉強熱心ですし、議長個人のやる気はかなりかなりのものですから!

 というわけで、続きの議論は9月定例会中に開催される委員会にて。それまでもしばし小休止。それぞれ議員は一般質問の準備のほうで頭がいっぱい。・・・・私も。

投稿者 hisaka : 2008年08月25日

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