« どっさりと資料が届きました。。。 | メイン | 議会改革は進むか? »

2008年08月22日

中央図書館的機能を考えるにしても。

 今日は午前中に一般質問に関連したヒアリングを行い、午後から町田市の中央図書館に出向いて話を伺いました。先日、立川で元館長さんの講演を伺って以来、図書館の役割や図書館政策というものを改めて考えてみたいと思ってきたからでした。

 中央図書館の必要性ということでは、毎年の世論調査でも市民の要望がとても高いわけですが、「果たして中央図書館とは何ぞや?」というものが私の中でもいまいちすっきりした回答があるものではなく、「多摩市の図書館本館とどう違うのか?」、さらには「中央図書館的機能」という言葉が総合計画や昨年度の市民討議会などあちこちで使用されているのですが、「中央図書館的機能とは?」についても納得のできる答えが得られていないのが正直なところです。

 図書館の役割ってどんなこと?・・・・・最近の図書館はビジネス支援、医療支援、子育て支援などなど様々なニーズに応えるべくテリトリーを広げている感じです。しかし、基本的には「図書・資料の貸出」を柱にすることが必要で、知的文化遺産の蓄積をしながら、いつでも気軽にどんな市民でも利用できる体制づくりが必要だということです。「知りたくて、学びたい!」そんな好奇心のあるいかなる人でも利用できるのが図書館というわけです。
 図書館は「貸し本屋ではない」という批判もボチボチあるわけですが、図書館のあるところの近隣の本屋さんって意外に売上はいいそうです。図書館で本を借りる人は、実は買う人でもあるということでしょうね。そんな話も聴きながら、町田市の中央図書館のフロア全体も案内してもらいました。

 さすがに立地の良さ、利便性高いこともあり、市民に愛されて利用されているという感じです。ちょうど永山図書館も駅に近くて賑わっていますが、やはりフロア面積の狭さから蔵書数も限られていますし、ゆったりと図書や資料を眺めるスペースもなく、調べ物をするにも中途半端。町田市の中央図書館と比較をすれば、駅前とは言っても「地域図書館」の位置づけにならざるを得ない意味がよくよくわかります。
 「なるほど、中央図書館とは・・・・。」という雰囲気やらを味わってきたのですが、そうは言っても「では、中央図書館がないとできないことは何か?」とか「多摩市の本館は中央図書館ではないのはなぜか?」とか・・・・・そのあたりの違いを知るためにはまだまだ図書館についての認識を深めなければいけないかな・・・・と思いました。

 今、図書館の本館が旧西落合中学校に移転しましたが、やはりあの場所を「中央図書館」と位置づけるのには無理がありそう。スペース的には広々していて、それなりの蔵書を揃えることで対応はかることが可能なのかもしれませんが、そうしたところで利便性の悪さから閑古鳥鳴いてしまっては困りますし。やはり「立地」というものが中央図書館を考える上で外せない視点なのかもしれません。市民サービスの一つと考えれば、利用してもらってこそ価値があるわけですから。なので、ミニバスルートからも外れている旧西落合中学校跡地の図書館本館を無理やり「中央図書館」に名前を変更することは望ましくないでしょうね。


 それにしても、長年の懸案事項とも言える「中央図書館」ですが、このまま本館が「中央図書館的機能を果たす」という位置づけにされてしまう方向なのでしょうか?


 いずれにせよ、多摩市の図書館政策を紐解いていく必要があると思っていますが、そもそも「図書館はまちづくりの中でどんな位置づけにあるのか?」という根幹部分を始め、「多摩市の図書館で大事にしていることはどんなこと?」「多摩市は図書館を通じてどんなことを実現したい?」などなどがはっきりしていないと感じます。ただ単に淡々と粛々と運営されてきたわけではないと思うのですが。


 町田市の場合も図書館政策がまちづくりの目玉で、図書館が常に常に重点施策になっているわけでもありませんが、しかし、図書館のサービス理念と目標がきちんと掲げられていることは評価すべきでしょうし、学ぶべき点だと感じます。中央図書館、中央図書館的機能云々を掲げる前に、多摩市の図書館政策の目指すべき方向を全体で共有していく工夫と努力をすべきでしょうね。もしかすると、私が調査不足なだけで、理念もあり、目標もあるのかもしれませんが、見方を変えれば、そのことが十分に浸透していないという状況こそ問題といえるのかも。

投稿者 hisaka : 2008年08月22日

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
/1809