« 9月定例会の議案説明 | メイン | 9月定例会の一般質問 »

2008年08月19日

みえないこころの声を聴く

 東京都と東京都発達障害者支援センターが主催の学習会に参加をしました。発達障害のある人への理解や支援をしていくための啓発講座という感じです。これまでにも、さまざまなテーマで開催しています。今回のテーマは「みえないこころの声を聴く~発達障害のある子ども・その親の気持ちが分かる人になる~」というもの。講演者は東京都発達障害支援センター長の石井哲夫さんでしたが、実際の相談事例など具体例を挙げながらのお話はとてもわかりやすいものでした。

 発達の気になる子どもたちを抱える保護者の悩みをどう受け止めればいいのかについて相談支援者としての心構えが主にレクチャーされた感じでした。「人間は人間の中にいないと人間になれない」ということで、人との関係や人との付き合いの中で使える知能という話はなるほどなと思います。自閉傾向にある発達障害のある子どもたちは「シングルフォーカス」で自分自身の世界しか持つことができず、人間との付き合いを上手に育めない、努力をしてもできないことを支援者は理解をしなければならないということを繰り返し話していたのが印象的でした。

 発達障害を抱える子どもたちは実は人間関係を育もうとそれなりに「みえないところで努力をしている」からこそ、「みえないこころの声を聴こうとする努力」が求められるということですね。

 私としては発達障害があるとかないとかではなく、自分の気持ちをまだまだ表現することができない幼児と接する大人全てに必要な態度かなと思いながら話を聴いていました。紹介された具体的事例の中でも、ある子どもの場合には保育園が面倒を見切れず、転園を繰り返し繰り返して・・・・そのことが保護者の心にも不安定感をもたらし、子どもにもさらに悪影響を及ぼしてしまったの話がありましたが、「手に負えない」ということで保育園がギブアップしてしまうようなこともあるのですね。実際には発達障害を受け入れる社会の側にその環境整備がなされていないことがわかる事例です。多摩市でもこのような事例があるとすれば、非常に悲しいことですね。ノーマライゼーションという言葉も空しく響く感じ。


 この事例にも明らかなように、保護者・家族の心の安定がとても大事で、まさに家族支援が必要になってくる。親子関係が上手くいかなくて思いつめて悩んでしまう、ひいてはそのことが虐待につながっていく事例もあると聞いています。


 ちょうど、厚生労働省でも先月末に「障害児支援の見直しに関する検討会」の報告書がまとめられましたが、ここでも「家族支援」の方向性がしっかりと明示されています。今後、多摩市でも力を入れていかねばならない点です。発達障害児・者の支援ということで、いよいよ「ひまわり教室」も教育センター内に移転をするわけですが、「家族の支援」ともなれば、子ども家庭支援センターとの連携も視野に入ってくると思われますが、内容の充実を図るとしている「ひまわり教室」での展開が期待されるところです。


 多摩市内での具体事例を聞くとなると、個人情報やらの関係で微妙に難しい点があるので、今日のような具体事例の話が聞ける講演は貴重です。もし、私の理解を深めるために参加するとよさそうだと思われる講演会や学習会がありましたら、ぜひご案内をいただければと思います。

投稿者 hisaka : 2008年08月19日

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
/1805