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2008年08月07日

議会改革は進むか?

 議会改革特別委員会でした。前回に引き続いて、「議会改革骨子案」の策定を目指した意見交換を進めて論点整理中。

 前回からの懸案事項で、各会派持ち帰りになっていた「議決事項の追加」の件は、前回と同様に見解がまとまらず。

 ○議決事項の追加・・・議会がきちんとまちづくりに責任を持つためにも各種基本計画なども議決事項にしていくべきではないのか→しかし、調査能力に欠けている現状などであれもこれも議決事項に加えればいいというわけではない。冷静に判断すべき。また、議会が果たすべき責任とは何かを確認しあい、議決事項を追加することの妥当性を議論すべき。

 ちなみに私、民主党TAMAも慎重派。基本計画など議決事項に加えていくことは今後の方向性にはなっていくと考えているものの、現状を真摯に受け止めるとすれば、「議決」するだけに見合った調査や議論を重ねることができると思えないから。議決事項を追加したら議会改革になるかといえば、そういうわけでもないでしょうし。将来的には議決事項を増やしていくべきだと思いますが、そのためにも「討議する場づくり」を進め、議員どうしが大いに論議することを優先する必要性があるでしょう。

 今日の意見では、政策の重要な柱や大きな財源を伴うものなどに絞って議決事項に加えることもできるのではないかという意見もありましたが、「計画の中味でどこまでの範囲を議決事項にするのか?」という点を意見交換するとしたら、これまた時間のかかる議論になっていくでしょう。

 もし、議会が基本計画などを議決事項に加えるとするならば、計画の策定段階で関わることのできる仕組みが必要でしょう。単にガス抜きのように市長から意見を求められて「聞いたふり」でお茶を濁されて終わるのではなく、具体的に、実質的に議会の見解が反映されるような計画づくりの手法に変えていかねばなりません。そこまでやるのは現段階では‘超’厳しいと思います。


 今日の意見交換ですんなりと見解がまとまったのは下記の事項。

 

○議会事務局体制の充実強化について・・・議会もしくは議員の調査活動をバックアップするために事務局が果たす役割は大きい。人数の増員が必要である。また、職員はすべて市長部局からの出向になっているのが現状で実質的にはボーナスの査定なども市長が行っている状態。議会事務局の人事権を議長に取り戻すことが必要で、専門性を持った職員の配置をしていきたい。例えば、議会で独自に専門の職員を雇用することも考えられる。

 確かに事務局は議会の活動量が増していることを考えると忙しくて人員不足になっていると思います。しかし、私の考えですが、事務局の職員を1、2名と増やしたところで解決しないように思っています。今、議会が事務局に求めようとしていることを考えると、数名の増員では対応しきれない。私は事務局職員を増やすという選択もありますが、議会が独自で「調査事業」を設定し、大学その他の知見を活用しながら調査活動ができるような予算確保をするなどなど・・・・他の手立てもあわせて考えたいですね。議会が市民のシンクタンクを設置するなんてことがあっても面白そうです。専門性を持った市民はたくさん存在するので、議会の調査能力をバックアップするための市民組織ができたらいいのに・・・と前々から私は思っているので。


 以上とはまた別個に、「議員定数」については具体的に人数をどうするのかまでは踏み込まないものの、「議員定数のありかた」を今後意見交換することとなりました。また、今日は「討議する場づくり」に向けた改革方策についても意見交換が行われましたが、常任委員会を活発化させていく必要性の意見が相次いだものの、そのために「何をどのように変えていくのか」という具体的な方策にまでたどりつける議論にはなりませんでした。


 そして、何よりも今日のポイントにあげられるのは・・・・・


○市長・教育長への反問権・・・本会議の活性化のために議員の一般質問の対する市長もしくは教育長への反問を認めるかどうか。


 上記の議論はとても面白く、かなり本音トークが繰り広げられました。「そもそも反問する前に、議員の質問権をきちんと保障すべき。」「行政当局ののらりくらり、あいまいな答弁を繰り返している姿勢を質してから、反問してもらいたい。」「誠実な答弁をしないで、反問や反論ばかりされても困る。」「質問趣旨や意図を伝えようと一生懸命質問事項を組み立てたとしても、答弁は味気なく、あっさりしているのに、一行か二行程度で質問項目を書いていても答弁がていねいで、しかも質問項目にあがっていないことまで含めて答弁がなされるような(ビップ対応)をする場合あり、議員を差別して公平に取り扱っていない。」なんていう意見も。・・・・というような感じで。市長本人に答弁を求めているのに、市長自らが発言せずに部長が答弁することもありますし。


 私は反問権というのはあくまでも反問する権利で、議員からの質問を一方的に受けるのではなく、論点を明らかにするため、議員に対して質問や意見を述べることができる質問権のことだと思っていますが。しかし、「反論」するための「反問」ではないはずなんですが、何となく今日の意見交換の流れは「反論権」みたいなイメージが強かったですね。このあたり・・・議員それぞれのイメージや認識の共有化をどう進めるのかが課題かもしれません。いずれにせよ、反問権を濫用してもらっては困るし、反問権を活用するのであれば、行政当局はそれに相応しい態度をとるべき・・・・という意見ではまとまりそうでした。

 議会改革骨子案をまとめる議論はまだまだ続きます。明日は今日の議論を踏まえ、次からの委員会運営をどう進めていくのか・・・打合せをします。

投稿者 hisaka : 2008年08月07日

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