« NPOセンターのこと。 | メイン | 改革派首長が語る地方議会 »

2008年07月24日

図書館をつくるのは市民

 今朝の朝日新聞の多摩版で立川市図書館開館30周年で「市民とともに歩む図書館」と題した講演会が企画されていることを知り、本当は別の学習会に参加する予定を急遽変更し、足を運びました。
 
 というのも・・・・多摩市の図書館協議会でも「多摩市立図書館における市民協働の具体的方策について」を答申しているからです。この答申では①図書館が多摩市直営で今後も継続されること②専門的な知識と豊かな経験を備えた職員が安定的に配置されることという2点が重要としてあり、まさに・・・図書館をめぐり話題になっている民間委託や指定管理者制度への危惧が示されているのだと受け止めています。
 立川市の図書館と言えば、指定管理者制度の導入に揺れに揺れているわけですが、これは他人事ではないと感じています。そこで、今日の講演会には「参加しなくちゃ!」という気持ちが掻き立てられたのでした。


 講演会に先立ち、30年間の図書館活動を支えてきた点字サークル、朗読サークル、地域文庫連絡会の3団体に市長からの感謝状が贈呈されました。図書館側は市長からの贈呈を想定していなかったそうですが、「感謝状の贈呈」を行うことを市長が伝え聞き、「自ら手渡したい。」とのことでわざわざのご出席だったとか。・・・・市長のお出ましに纏わるエピソードで感謝状はさらに輝きを増していました。(立川市長・・・・さすが、政治家だ!)
 
 その後の市長挨拶で、立川市の女性センターと併設の中央図書館は、駅前の一等地で約270億円をかけて完成したものであることの紹介がありました。当時は競輪の収入が40億円から50億円あった時代だったそうです。・・・・・ってなぜ、そんな話をするんだろう?・・・・・・と思っていたら、現在進めている新庁舎の建設は約72億円です・・・・と何気に釈明と言うかPRしていたのが印象的でした。
 


 さて、記念講演は町田市で長く図書館業務に携ってこられた手嶋孝典さんが講師でした。25年間図書館に関わってきた経験や実践に裏打ちされた話は力強いもので、「図書館とは何か?」という根源的て示唆に富む話を伺うことができました。特に町田市立図書館のサービス理念と目標の策定のこと、自治体の図書館政策をつくる主体は市民であり住民であるという視点から、図書館の利用者・住民に対して情報公開の徹底に率先して取り組んできた話など、図書館の存在意義を改めて確認させられる好機となりました。
 また、市民自身の活動も「図書館づくりの要求運動」に留まってはいけない、どのような図書館が欲しいのかを市民から発信していくことが大切だとの視点は、町田市の図書館政策が市民の力で支えられてきた部分が大きいことの実感に基づく発言なのかなと思ったりしました。確かに・・・多摩市の場合にも図書館活動を多くの市民が支えていますし、図書館側もその市民の支えを「アテ」にしている部分もありそうだと感じています。


 私としては上記に紹介した町田市立図書館の10の目標のうち「市議会議員、市職員に対し、政策立案の支援を積極的に行い、市政を活性化することに役立つこと」というのが気に入りました。

 多摩市の場合・・・・4月から行政資料室が「離れ小島」的に第2庁舎に設置されましたが、まだまだ市政活性化の拠点の役割は荷が重い感じかも。・・・・・・・・・っていうよりは、土日は閉鎖されていた状況の解消のために無理やり行政資料室を図書館業務に入れ込んだという経緯を考えれば、致し方ないのかも。
 やはり、この段階で改めて、図書館活動全体として理念やら目標やらを柱建てしていく必要性を感じます。そして、まだまだ表面化はしていないものの、多摩市の図書館でも業務の一部民間委託化(特に貸出などのカウンター業務)もしくは指定管理者制度などの検討も進んでいるのかもしれませんね。状況についてはヒアリングしてみなければと思っていますが、いずれにせよその動きを気にしつつ、「図書館をつくるのは市民」という視点から多摩市の図書館の姿を自分なりに考えてみたいと思います。(なかなか奥が深い世界・・・・)

投稿者 hisaka : 2008年07月24日

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
/1787