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2008年04月10日

フェンスの向こう側。

 今日は民主党の地方議員の皆さんと横田基地の視察をしました。身分証明書のパスポートを持参しての視察。緊張しました。東京ドーム150個分の広さの横田基地。アメリカ軍の第374空輸航空団の拠点ということになるようです。ちなみに、私たち民主党も早期の返還を求めている多摩市と稲城市にまたがる多摩弾薬庫跡地・・・いわゆる「米軍多摩サービス補助施設」は横田基地の管轄下にあります。
 横田基地の視察コースは指令本部棟での概要説明(こちらは公式のHPらしいが読みこなせない・・・Yokota Air Base)と基地内にある放送局(American Forces Network)の見学でした。基地の中には初めて立ち入ったわけですが、日本の中にある「アメリカ市」ですね。その中で全て生活が完結できるのはもちろんのこと、映画館、野球場は2つ!、屋内プール・・・その他諸々とエンジョイできる施設も完備しています。幼稚園から小中学校、高校に大学の分校(大学は兵士が通って単位が取得できるようになっている)もありますし、もちろん生活雑貨を購入するスーパーマーケット(これは利用者が限定されていて、部外者は立ち入り禁止)もあり。生活に不自由することはなさそうですね。何せ・・・広いので、この基地の中でドライブだってできるくらい。


 大体、2年もしくは3年間滞在して一旦帰国するようですが、希望によってはそれ以上の場合もあるそうです。滞在を延長する場合にも本部からの許可が必要になるとか。横田基地に来て「日本が好き」になる方もいらっしゃるようですが、基地の外に一歩も出なくても生活できることを考えると日本にいても日本にいない同然の暮らしが一般的なんだろうと思います。ちなみに放送局のニュースでは横田基地に在住の親子が先般行われた東京ドームでのメジャーリーグの試合を見に行ったことが話題にされていて、そのニュースは全世界の米軍基地などに放映されるのだか。軍に入り、放送局のDJなどになりたい人は希望し、みっちりと研修を受けるのだそうです。なので放送局と入っても働いている人は軍人。アーミー服を着用して任務をされていました。


 ところで、視察した私たち一行から「横田基地はカルフォルニア州なんですか?」という質問が出たのですが、実際はどこの州にも属していないのだそうです。また、米軍に所属している女性に割合が増えていること、日本人も約2000人ほど基地内で働いていることなども伺いました。「思いやり予算」のことについてはちょっとの遠慮もあってか、あまり突っ込んだ質問はありませんでした・・・・。また、6年ほど前から横田基地には「SAMURAI」が一つの精神になっていることにはちょっとびっくりしました。「サムライ」の精神こそ何よりも学ぶべきことなのだとか。

 毎年の友好祭(今年は8月23日と24日に開催される)のことは話には聞いたことがありましたが、実際に横田基地に立ち入るなんて考えても見たことがない私。それでも、フェンスと隣りあわせで暮らしている市民がいることも目の当たりにし、周辺自治体はそれなりの課題を抱えていることもわかりました。でも、例えば福生市には国から年間約20億円ほどの交付金(迷惑料)があり、財源としては無視できないものになっていることも知ると複雑ですね。沖縄の基地問題とも同じような問題を抱えながら時間が刻々と経過しているのが現実です。
 今は、府中からの航空自衛隊司令部を移転するとかで大規模に工事が行われていました。石原都知事の軍民共用化の推進もありますし、地元としては気の抜くことができない「基地問題」の行方。「関係ない土地の話」とすることはできないことを改めて感じたところです。


 騒音ということでは私たちの多摩市でも問題になっていますし、多摩弾薬庫跡地の問題も実は基地問題に深く関わることとして捉えることもできますね。市民としても関心を寄せていきたいフェンスの向こう側はそんな遠い場所にある問題でもなく、実はすぐ側にある課題です。

投稿者 hisaka : 2008年04月10日

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