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2008年03月27日

広がる格差の中で。

  週末に反貧困フェスタ2008が開催されます。私はいろいろと用事を抱え込んでいて、行くことができないのですが、お時間のある方や関心のある方には足を運んでいただきたいと思っています。


 今日は東京自治研究センターで主催をしている月例フォーラムで生活保護制度の課題について話を伺いました。セーフティネットとしての制度の根幹が揺るごうとしていることに危機感を感じておられる研究者からの講義でした。日本の生活保護制度はその実態が十分に調査されていないおらず、保護率の低さが特徴という話でした。制度の適用は受けられずに、貧困に苦しんでいる人が多く、そして増えていることは社会全体の課題であることは言うまでもありません。生活保護が必要だと思われる人の約20%くらいのところにしかカバーできていないとの推測はあるようですが、そういう社会の実態は調査されず、つかめていないとか。そんな中で、国の法改正では「加算」分が軒並み減らされて言う傾向にありますね。
 特に「母子加算」の廃止は、本当に弱いものいじめ。ギリギリの生活を迫られている日本の母子世帯は、世界に比べると就業率が高いにも関わらず、低賃金という境遇に置かれている現実。母子世帯に対する手当てなどの施策に助けられて生活がようやっと成立している場合も少なくありません。企業などに多様な働き方の導入を求めたり、待遇改善を求めたりと・・・・「母子加算」を廃止する前にやることもあると思うんだけどなあと。そう思ったのが数年前のことです。


 それにしても、市議会でも話題にされてしまうのが「生活保護の不正受給」のことや「偽装離婚の母子世帯」のこと。確かに福祉の制度を悪用し、あり得ないような事件(北海道滝川市の生活保護詐欺事件など)が起きていることも事実ですが、そういうマイナス面だけ主張することは本当に良くない傾向。厚生労働省は滝川市の生活保護詐欺事件をこれ幸いに・・・・・生活保護受給者の交通費補助基準を改定しようとしているようです。もちろん保護費全体の削減に向いていくような改定になるわけです。
 適正に、そして公正に福祉施策を運用していけば、本来は不正受給なんて行われないはずなんですが、そこはあまり触れず「制度を悪用した人だけが責められる」というには疑問です。悪用されるような実態、わきの甘さがあることこそ問題なのに。
 結局のところ、生活保護制度の窓口である自治体がどういう体制になっているのかが大きなポイントと言えそうです。板橋区などでは職員が独自で作成した「自立支援プログラム」があるそうなので、そちらを調べてみたいと思います。


 ワーキングプアの存在など、新たな貧困問題が浮上し深刻化が進む現実を抱え、果たさなければならない自治体の役割とは何か。考えさせられた一日でした。

投稿者 hisaka : 2008年03月27日

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