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2008年02月20日

どうして会派を組むのか?

 議会基本条例の制定をめざす議会改革特別委員会の7回目の会議。昨日の打合せどおりに先般の研修後に提出された全議員の感想をそのまま資料として配布する予定だったものの、「『配布をする』ということについて了解を取ってなかった・・・・・」という理由で原文そのままは配布できず。かわりに議会事務局が各議員から提出された意見・感想から要点をまとめてくれたので助かりましたが、議会というのは「そういう手続き」に案外手間取ります。「了解を取る取らない」「確認をするしない」・・・後々、そのことで議論の流れが左右される場合もありそうですし、手続きはていねいにが大原則です。


 今日の特別委員会では研修から学んだ論点などから議論を進めたのですが、かなり濃い議論になったのは「会派」のことについて。「改革をするのであれば、今までの反省点を踏まえなければならない。どこが問題であったのかをきちんと認識するべきだ。」と主張された議員より「会派の弊害」ということが指摘されました。無所属系の議員からは「政党系会派は国から一元管理されている。」という指摘も飛び出し、「非常に敷居が高い。」という意見もありました。確かに政党に所属をしている議員は、自分個々人が問われるのと同時に、政党という看板に対する責任も負っているとは思います。けれども、地域で活動する政党議員が必ずしも国だけを見ているのかといえば決してそんなことはないはず・・・とは感じますが、それは私や民主党TAMAだけの感覚なのかもしれません。


 政党会派というのは、上記のような問題が指摘されるのかもしれませんが、ある意味でわかりやすさから言うとわかりやすいですね。選挙のときに「民主党」を名乗って立候補した人たちが議会の中で「民主党TAMA」という会派をつくる。その他、自民党、公明党、共産党についても同じこと当てはまります。とりあえず、政治的政策的な趣向が同じ方向だということで理解をすることができます。
 しかし、「無所属」と掲げている人たちが議会活動では「会派」「集団」を組んでしまうことは、却って市民にとってわかりにくさを生じさせてはいないでしょうか。

 

 つまり、「なぜ会派を組むのか?」なのです。


 表面的に「会派」を組むことについては「政策集団として結成する。」云々と理由を並べ立てることは簡単です。でも、実は「会派」にこだわる重大な理由とは・・・・・・「議会内人事を有利に進めるため」ということが根底にあると考えています。いわゆる「議長になりたいから」とか「委員長になりたいから」とか・・・・・そういう理由です。もし違っていたら意義や異論を唱えてもらいたいですが、「議長、副議長、監査委員」というのはそもそもセットの人事として語られているのは周知のことで、人事が改選される際、会派間でポスト争いが熾烈?に争われていることは常識的事実です。少なくとも議会内においては。
 ポスト狙いでいくならば、数の力を示さねばならない・・・・より大きな会派を組むほうが有利だったりします。(という趣旨で私の拙い経験から発言をしましたが、ちょっと行き過ぎた発言だったようで・・・・?でも頭から否定されるような発言でもないように思っています。)

 「一人会派」で活動している限りは「議長・副議長・監査委員」ポストがめぐることはほとんどないと言えるでしょう。その一人がキャスティングボードを握る立場になるとか何とか・・・よほどの理由がない限りは。(何と言うか最初から「一人会派」は当てにされていないというか、蚊帳の外になりがちです。)


 いずれにしても会派を組む動機はさまざまあるということです。決して「政策集団」という位置づけで会派を組むわけでもないということを私は主張したいと思います。「一人会派」は交渉会派ではないので議会運営委員会、代表者会議には正式参加できません。以前、「一人会派」だった議員たちが、議会運営に対する理不尽さ(一人会派の発言を封じられそうになり)に憤りを覚え、みんなで「集合体」を結成した結果、最大会派になってしまったという事件がありました。そのことを考えても、「会派」を結成する理由にはさまざまな思惑があると言えるでしょう。

 会派云々の話ですが、結局のところ「会派」を組むことが問題ではないと思うのです。問題になるのは、「会派」の存在が議会の「民主的な運営」を妨げていることで、「会派」が本来の政策集団と力を発揮しているなら何も問題は発生しないと思うのです。でも、議会人事ポスト争いをめぐる水面下でのやりとりとか・・・・・市長の立場からすれば、頭数を揃えるために「会派」があるととても便利で、さっさと必要数だけオルグすればあとは無視みたいだったりとか・・・・そんな中で議員同士や会派どうしの不信感が生まれてしまうことが大問題。不信感は民主的な運営の足を引っ張るので。


 

 議長などの議会人事について「会派の大きさ」「市長に近い距離の立場」云々関わりなく、人物本位で選ばれていることを市民が実感できれば、市民に明らかであることが望ましいですね。議長などの選び方というのは、議会の民主的な運営を測る一つの指標になるのかもしれません。会派の大きさは二の次。議長の選ばれ方が変わったなら、「会派」の弊害云々の論争もおさまるのかも。
 
 多摩市議会の場合には今はまだそういう段階には至っておらず、今日の特別委員会でも「会派」問題について最終決着することは見送られました。私自身は決着つけなくてもいい・・・・というか決着つかなさそうだと思っていますが、議会で起こっているさまざまな現象を素直に捉え、常に改善すべきところは改善していきたいものです。

 *念のために、多摩市議会の「一人会派」の状況。今は一人会派で活動する議員は1名のみ。その方の発言もきちんと受け止めていこうという姿勢で議会運営はなされているように思います。もちろん交渉会派というのは3名以上なので代表者会議や議会運営委員会の正式メンバーにはなれません。でもオブザーバーとしての出席があり、意見を聞くこともしています。 

投稿者 hisaka : 2008年02月20日

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