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2008年02月11日

発達障害児の支援について考える

 島田療育センターの公開シンポジウム「発達障害児の支援について考える」に足を運びました。先着200名と言う定員のところ、はるかに上回る問い合わせがあったとか。この分野に対する関心の高さを伺うことができます。

 このシンポジウムは2部構成で1部は東京都発達障害者支援センター長の石井哲夫さんの講演。2部が島田療育センター、多摩市、八王子市の教育委員会の指導主事、八王子市小学校の特別支援教育コーディネーターの先生、保護者の5名の発表で、現状報告がありました。その後、会場からの質問に答える形式でパネルディスカッションが進みました。


 石井哲夫さんのお話では「保護者へのケア」の視点を改めて再確認しましたが、発達障害を抱える子どもに向き合い育児に苦しんでいる保護者を孤独にしないためのフォローの必要性は以前から指摘されているところです。多摩市の場合にも就学前の療育機関「ひまわり教室」における保護者支援をどのように進めていくのかは課題です。「ひまわり教室」の今後の展開の中で期待したいものですが・・・・。


 ところで、パネルディスカッションを見ていてつくづく感じたこと。多摩市にせよ八王子市にせよ・・・現状についての前知識?予備知識がなければ、教育委員会の発表を聞くだけで「何だか立派にやっている。」というような印象を持ってしまいそう。確かに全く努力をしていないわけではなく、上意下達の浸透している教育委員会は「特別支援教育」に積極的な取組みを進めているとは思います。でも、現状では「全く救われない。」という気持ちを持たざるを得ない親子が存在しています。私の座っていた近くには小学生の保護者の方々がいらしたのですが(ちなみに八王子の方々でした)「全然、現状とは違うよね。」「そんないいものじゃないよね。」と小声でひっそりとつぶやきあっていました。

 実際に保護者などに実情を聞くと、学校ごとの温度差もかなりあるようで、多摩市の場合にも全体的に特別支援教育を進めているにも関わらず、「先生による温度差」ではなく「学校による温度差」という問題が生じているようです。「先生による温度差」であれば、まだ救われる気もしますが・・・・。でも、いずれにしても校長先生の考え方が色濃く反映されていくことと思います。先生の温度差の解消にも校長の力量が問われそうですし。
 とかく今は校長先生の学校経営能力云々が言われていて、校長先生裁量が随分と問われる状況です。でも、本来その能力は基本的な柱をきちんと踏まえた上でのこと。多摩市のみならず全国的にも特別支援教育がスタンダードになっているわけで、そこがベースになっていかなければ。特別支援教育ピアティーチャーなど手厚い配置をしている多摩市教育委員会の取組みが実を結ぶようにと願わずにはいられません。でも、特別支援教育という発想なき時代に教師を経験してきた校長先生たちに染みついたスタイルを即座に変更することもまた難儀なことかもしれませんが・・・・。


 そういえば、来週明けには一般質問の通告締切。明日は議案説明の日。一般質問の内容については引き続きの課題で「ひまわり教室」をとりあげていこうかなと考えていますが、「のれんに腕押し」状態の応答から一歩前進してもらいたいものですね。逆に言えば、一歩ずつでも前進させるためにも同じ質問を繰り返すことが必要なのかもしれませんね。

投稿者 hisaka : 2008年02月11日

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