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2008年01月23日

浦安市・中央図書館へ

 今日は民主党TAMAの議員、政策委員らとともに浦安市中央図書館まで出かけました。浦安市の中央図書館は全国的にも有名な中央図書館の一つ。多摩市でも中央図書館の建設?が今後の議論されていく予定にもなっているので、先進地に足を運んだと言うのが経緯です。多摩市の場合には中央図書館建設というよりは、どちらかと言うと「中央図書館的機能」の整備にシフトしていかざるを得ないと考えていますが、実際に約2億円もかけて暫定活用施設(旧西落合中学跡地)を改修工事し、この3月には本館移転を行うとの事実に照らし合わせても、着々と「中央図書館新設」の流れからは遠ざかっているように感じています。


 今日の視察では浦安市の図書館政策の歩み、カウンターサービスやレファレンスサービス、図書館職員の育成、学校図書館や地域図書館との連携、図書館の予算などを中心に話を伺ったわけですが、図書館の資料購入費については毎年約1億円は確保しているという点はさすがですね。もちろん浦安市はディズニーランドが立地しているなど好条件に恵まれ、財政的には豊かな自治体であることは確かですが、それを考慮したとしても図書館の充実に欠くことのできない資料購入費の削減をしていない点は、浦安市の図書館の質を物語っているように感じました。


 さて、浦安市の場合には市制施行後、中央館を建設してから分館が整備されていき、今後もどの市民も徒歩10分圏内で図書館奉仕を受けられるようにとの方針のもと分館の新設が予定されているとの話です。もともと漁師町ではあったけれど、決して財政的にも豊かとはいえなかった浦安町出身であった前市長さんの図書館・教育施策に対する思いが深かったとか。その思いに支えられたところで浦安市の図書館政策が発展してきたそうです。市民全体の図書館施策に対する認知度も非常に高いそうで、市民自身が「浦安市=図書館」と言えるようなまちづくりを進めることに成功しているようですね。そこは特徴を持ってまちづくりを進める上でも参考になる視点です。当然ながら、その裏にはミッキーマウスの誘致に支えられえたという面も大きいと思います。ディズニーランドの財政効果は大きいでしょうから。


 今日は館長さんにじっくりとお話を伺ったのですが、図書館の正規職員(34名)は館長をはじめ全員司書資格を持っていること、約70人ほどの非常勤職員でも有資格者があり、日常業務に大きく貢献をしていること、そしてまた、「市役所の一つの部署」という自覚を常に持ち「市政を担う図書館」という意識で図書館の経営改革に取組んでいること等示唆に富む話もたくさんあったとはいえ・・・・私自身は「中央図書館とは何か。」という点では答えを見つけることができなかったのは残念なことです。果たして「中央図書館」というハードを新設することがまずは多摩市にとって必要になるのか、浦安市の中央図書館は図書館全体の中核を担っているもので、多摩市で言えば「本館」的な機能と重なる部分が大きいのではないか?多摩市の「本館」では「中央図書館」とは言えないのか?とか「中央図書館って一体どんな図書館なのか?」という部分にヒットする答えを見つけることはできませんでした。


 図書館学の専門家などに聞くと的確に答えが返ってくるのかもしれませんが、私としては今日の館長さんの言葉ではありませんが「とにかく市民のためにベストを尽くすことを追求する」という姿勢で図書館行政を進めていくことが大事になるように感じました。「ベストを尽くす」というのは図書館のハードをどう整備するかではなく、図書館行政を担っている職員一人一人の姿勢につながっていく。例えばレファレンスを受けたときの応対など迅速な情報提供ができなかったとしても市民の要望に応じて職員が汗を流すとか、著作名やら著者名はわからないけれど記憶の片隅に残っている物語の断片的な要素から市民が求めている本を探しあてる職員の努力とか・・・・・そういうことかなあと思ったのが今日の話を聞いた一番の収穫。まだまだ中央図書館の新設を考える前に多摩市の図書館でも改善できる点はありそうに感じたのは私だけ?


 図書館に対するニーズの多様化は広がり深まる一方・・・・・・図書館歴11年目で3年前に館長職に就任した森田さんの話でしたが、「その中でも図書館が本来やるべきことを見失ってはいけない。」「これからの市民のためにきちんと歴史の保存をしていきたい。」その言葉の力強さには多摩市の郷土資料の保存にも通じるものがあるなあと感じた次第です。


 とりあえず市民討議会「市民が求める多摩市の図書館・図書館サービス」を実施したわけで、まず第一には多摩市の図書館政策はこの討議会を踏まえていくはずと思っています。図書館政策には理解不足で、精通していない私としては「中央図書館じゃないとできない」ということがあればそのことを知りたいので、今後もこの問題について情報を得て生きたいと考えています。

投稿者 hisaka : 2008年01月23日

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