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2008年01月29日

10年後の介護問題。

 市民福祉情報オフィス・ハスカップが主催の「安心して利用できる介護保険を!」国会集会に参加しました。介護保険制度は2009年度に次期見直し時期を迎えます。それに先立って、地域で活動をしている市民団体の方々が現場で感じている課題、その実態を踏まえて発言をするというものでした。

 介護保険制度は「施設から在宅へ」を謳い文句にスタートした制度。しかし、実態はほど遠いのが現状で、必要なサービスも財源不足・給付抑制の旗印の下で制限されてしまい、利用者が選択し納得のできるサービスが受けられていないとのこと。もう一度、制度の原点や本旨に立ち返ってもらいたいとの声が強く出されていました。法律そのもの云々の話は国政の現場で大いに議論してもらいたい。もちろん制度の在り様で地方自治体が右往左往することも事実なので、制度改正の状況をウオッチしていかねばなりませんが・・・・。


 ところで、介護保険については「法律にのっとって粛々と取組んでいる。」という優等生な多摩市ですが、やはり地域主権やら地域の実情に沿ってとするならば、保険者として独自にできる対策があるのかないのかを考えることも必要でしょう。しかし、独自にやることについては絶えず付きまとう財源問題が悩みの種。
 こんなとき、「議会」としての本来の役割が発揮できると望ましいですね。議会として独自の調査をし、多摩市に必要な対策を財源問題の克服も含めて議論できるとすれば理想です。(あくまでも理想にすぎないと言えてしまうのがなんとも悲しいところですが。)

 私が今一番心配しているのは将来のこと。それは介護労働の担い手不足ということです。今、例えば地域で介護労働を担っている人材の顔ぶれを見てみると、女性が圧倒的に多い。そして団塊世代、それよりも少し年代の若い女性たちがほとんど。でも彼女たちの10年後・・・・・自ら介護が必要な状況になっていないとしても、今と同じように介護労働を担いきれるだけのマンパワーにはなりきれない可能性が大きいでしょう。誰しも年を重ねれば体力の限界と言う壁にぶつかるからです。では、そのかわりにマンパワーとして活躍できる人材が育っているでしょうか?私たちと同世代やそれよりも若い世代が介護労働の現場から離れていかざるを得ない状況もある。労働は厳しくて報酬は低い。「志」だけではやっていけないのが実情でしょう。そこで、報酬をもう少し引き上げれば、若い世代は介護労働に留まることができるのか・・・・?社会全体、さまざまな場面で人手不足が生じているときに、若い世代が介護労働を積極的に選択するのかどうかは疑問です。


 10年後。団塊の世代がゴソッリと70歳代になっていくわけですね。そのときに介護問題はどうなっていくのか、、、、想像したくない現実があるわけですが、想像に難いとも言えず、人手不足や給付抑制の渦に巻き込まれ、「介護の社会化」とはかけ離れた状況を余儀なくされるのかもしれません。その時・・・・介護を担う家族の顔ぶれは?「仕事も育児も介護も」みたいな三重苦に立たされてしまう人が増えてしまうかも。そうならないために、何とか地域での人材確保や人材育成を進めておきたいものです。多摩市独自な対策を求めるにしては課題が大きすぎるのかなあ。

投稿者 hisaka : 2008年01月29日

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