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2010年10月16日

[視察報告その1] 子どもの権利って何?

 2日間の視察を無事に終えました。

 まずは初日の石川県白山市。子どもの権利条例の制定について話を伺いました。白山市の子どもの権利条例の内容は「子どもの義務」を定めていないもので、個人的に条例文全体に好感を持っていました。条例策定については市長方針だったようですが、担当しているのは教育委員会の生涯学習課です。条例内容については全体の方向を子どもの権利条約に則していこうとの認識を一致したうえで実際の制定作業を進めたようです。


 「権利ばかり主張する子どもが発生しては困る。」


 一般的にはこんな視点から「子どもの権利条例」の制定に否定的な意見もあったり、または条例制定をするにしても「子どもの義務」をわざわざ定めてあるものもあります。でも、子どもの権利条約の内容がベースということで、制定過程では様々な議論もあったようですが、最終的には「この条例でいうところの権利に相対する義務はない」という判断のもとで、市民意見を上手く取り入れながら、そしてまた意見の異なる市民との協議を進めながら、最終的な条文完成へと至ったようです。


 条例の具体化のために「子どもの権利に関する行動計画」が策定されていて、具体的な施策展開を進めているようにも見えますが、実際には‘縦割り行政’に苦労を伴うところも多そうです。私たち視察団(?)との意見交換でも、例えば「次世代育成支援行動計画」との関係性がどうなっているのか?庁内全体の推進体制はどうなっているのか?などとの質問がありましたが、はっきりと整理されていたり、明確な推進体制そのものが庁内組織としては存在していなくて、課題の一つになっているような気もしました。もちろん他の自治体のことですし、十分につっこんで調査してみなければ見えてこないところもあるのかもしれませんが、担当者だけが孤軍奮闘しているような風にも見えたところは気のせいではなさそう。

 でも条例があって、行動計画が具体的に定まっていくという進め方については必要だと感じますし、そういう意味で「理念条例は無意味!」という声もありながらも、男女平等条例や子どもの権利条例を定める意義を再認識したような気もします。もちろん条例の中味にもよるわけで、一概に定めるべき!と主張することも控えたいと思いますが。


 白山市の素晴らしいのは・・・子どもの権利条例を普及させていこうと作成した絵本やDVD教材。DVDはインターネット・キッズページで見ることができます。絵本は・・・一冊だけ視察資料としていただいたのものは事務局へ。でも私、個人的にも欲しいなあとお願いをさせていただいて、後ほど送付していただくこととなりました。うちの年長児に一度、読み聞かせしてみたいなあと思っています。ちなみにDVDですが、私はまさに、主人公のけんちゃんのママのように・・・時に子どもの大事なボロボロになった折り紙の作品を捨てたりして・・・親子トラブルになっているのを反省しました。DVDの一番最後にはオリジナルの楽曲も。結構楽しめました。


 また、今年、白山市は地方自治と子ども施策シンポジウムを開催地に。近隣自治体での開催時には足を運ぶようにしていますが、今年の参加はもちろん難しいですね。


 改めて、「子どもの権利」。やっぱり基本は子どもの権利条約なんだと思います。権利ばかり主張する大人を育てることはできない!・・・なんて言わないで、一度・・・「子どもの権利条約」を学んでみませんか?・・・そんな呼びかけが必要な時期かもしれません。きっと大人たちの認識をまずは磨く必要があるでしょうね。私も含めて。

 美味しかった学校給食の話題については、また後日報告します。

投稿者 hisaka : 2010年10月16日

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