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2009年07月22日

議会基本条例のつくりかた

 多摩市の議会基本条例のことについて聞きたいとの問い合わせをいただいたので、これまでの経過をちょっとだけ復習をしてみました。

 すでに全国では63の自治体で議会基本条例が制定されているようですね。多摩市議会が取り組みをスタートしてから2年余りですが、私たちよりも後発でスタートしたところが続々と制定し終えているとの状況もあります。時間をかければいいというものでもないかもしれませんが、あっという間に条例を完成してしまっている他の議会での制定過程にかなり関心があります。こちらがひと段落して、余裕余力があれば、他市の議会基本条例の制定過程について調べてみたい気がします。

 きっと、いろいろな制定過程があるのだと思いますが、概ねどこの自治体議会でも市民からのパブリックコメントを集めているようです。現在、私たち多摩市議会でも市民から寄せられた意見や提案をどのように活かすことができるのかと考えていますが、それにしたって13名の特別委員会のメンバーがそれぞれに意見を述べ合った上で回答することにしていて、回答一つ作成するのにもかなりな時間を要するというのが現況です。

 たぶん・・・「ていねい」にやろうと心掛けている結果なんだと考えています。何に対して「ていねい」なのかと言えば、「多数決で議決するのではなく、全会一致で議決をし、制定をしたい」という暗黙の了解のもと、全議員の意識合わせんみも時間をかけているということだと思います。必要性を感じている人たちが荒療治的、急進的に多数決にて制定することも決してできないわけではありません。しかし、多摩市議会はこと議会運営に関しては常に常に「合議制」の原則に基づいており、今回の議会基本条例についても我が市議会の伝統である「全会一致」を重んじているということになるのでしょうか?


 ここで気になるのが、先々のことになるわけですが、制定する時は全会一致で。では内容に見直しが迫られたときなどの条例改正についてはどうなるのでしょう?


 ここでもやっぱり「全会一致」原則が優先するのかどうか・・・・?


 実は、このあたりが結構気になる部分だったりするのは、理想的な方向で条例が改正されるのであればいいわけですが、ある意味で後ろ向きな方向で条例改正しようとする勢力が頭をもたげてときにはどうなるのかな?なんて思うわけです。そんなこと案ずる方がおかしいのかもしれませんし、先んじて考える必要もないのかもしれませんが、議会基本条例は「議会のため」「議員のため」に制定するものではなく、「市民はどんな議会であってほしいか」「市民にとって役立つ活動のできる議会」を目指し、実現するために制定するためなのでその原則をきちんと確認しておく必要があるだろうなと感じます。


 でも、改めて思ったことは・・・・うちの市議会のメンバーって非常に忍耐強く粘り強い・・・・ということ。これは別に自画自賛でも手前みそで言っているわけでもなく、他市の議会基本条例の制定過程と決定的に違うところは「かけている時間」ではないかと思うくらいに、時間をかけていることは確かです。とは言え、傍聴席から見ていると「無駄な消費」になっているのかもしれませんね?!・・・・そのくらいいろんな考え方の人いて、合意形成するのは大変だということの証・・・・・議会に限らず、市民社会も同じことですね。「議会は市民社会の縮図です」。

投稿者 hisaka : 2009年07月22日

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