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2008年03月29日

番外編・どうして陳情を取り下げたのか。

 市民が提出した陳情。今回の委員会では「継続審査」として、次の会議に結論が先送りされたにも関わらず、昨日の市議会最終日を目前に提出者が「やっぱり取り下げることにした。」

 その理由は・・・・。(提出された方に許可をいただいたので掲載いたします。)

 ・・・・・・陳情書取り下げ理由・・・・・・
 
青森県下北半島太平洋岸にある六ヶ所村の再処理工場は、ほんの数%のウラン・プルトニウムを取り出すために、原子力発電所の使用済み核燃料を切り刻み高温の濃硫酸で溶かす作業を行っており、その過程で大量の放射性廃液を海に垂れ流しにしています。試験段階の現在でさえ、たとえば昨年10月には 1回あたり約600tの放射性廃液を10回も海に排出しています。排出回数は2006年3月の試験運転開始以来約180回にのぼっています。本格稼動が始まると、海に捨てる放射能は倍増します。そしてそのとき、その廃液に含まれる放射能の年間経口致死量は4万7000人分に及ぶことになります。
 事業主体である、全国の電力会社の共同出資株式会社に日本原燃は、大量の海水で薄まることを安全性根拠としています。しかし水銀やカドミウムを4万7000人を死に至らしめる量を毎年流すということが、常識的に許されるでしょうか。そしてある行為が許されるかどうかを判断するのは結局のところ、法律家でも科学者でもなく私たち一般市民です。
 六ケ所から南下している対馬暖流は、その東に並行して南下している千島寒流つまり親潮によって、三陸海岸側に押し付けられています。したがって放射性物質もサンマが水揚げされ、わかめや牡蠣が養殖されている三陸海岸を這うようにして南下することになるのです。こんな暴挙はとても許すことができません。岩手の漁業者や県民が中心になって、再処理の規制を求める署名提出等の要請活動が行われてきています
 今まで三陸の海がきれいさにひかれて、選んでわかめや牡蠣を購入してきた私たち多摩市の住民にも、この問題は他人事ではなく、本格稼働が5月に迫っていると聞き、いても立ってもいられない気持で、放射性廃液の排出規制をせめて原子力発電所並みに行うことを国に求める意見書を提出してくださいという内容の陳情を思い立ったものです。
 
 14日の総務常任委員会までのわずか20日間あまりの間に七百名近くもの賛同署名が集まりました。その後も追加署名が  筆もあつまっています。食の安全への関心の高さと多摩市議会への期待のあらわれではないでしょうか。

 3月14日の総務常任委員会で、陳情審議の前に趣旨説明を許可していただいた事には大変感謝しています。
 上記委員会では陳情を継続審査とすることになりました。
 陳情の審議は委員会を休憩した中で行われました。独自に資料を用意してくださる委員もいらっしゃいましたが、それらが生かされるような議論は残念ながら無く、一、二の委員から陳情の是非に直接触れる見解が述べられたのみで、食の安全性からの廃液放出に関する実質的な審議は殆ど行われませんでした。 協議は内容に乏しいだけではありませんでした。「我が会派は陳情書には賛成できない」といったなぜか結論だけが先行している宣言もありました。また私たち三陸のサンマとワカメを愛する会とは全く別の「全国ネット」という団体名をもちだし、しかもそその団体の指示にしたがって陳情をしたのではないかとか、「本来は再処理そのものに反対しているにもかかわらず、意見書提出に繋がるように内容をソフトにしたのではないか。」といった邪推をしたり、捕鯨船を襲撃したことで名前が報道されているシーシェパードなどの名をもちだし、私たちの会がその団体とあたかも関係があるかのように示唆したりと、一般市民が聞いたら驚くであろう発言がなされました。
 しかも、このような陳情の趣旨とは直接関係のない発言は、委員長がなぜか「休憩」を宣言した後になされました。休憩中の委員の発言は委員会の要点筆記にも残されません。なぜ継続審査に決めたのか、傍聴していなければわからないのです。
 今回の陳情で多摩市議会のいま指摘したような実態を目の当たりにして、継続してやっていく意義はあるのだろうかと不安になりました。
継続審査といっても、休憩中のやり取りだけが続き、揚げ句の果てに審査未了という事もありえます。最悪の事態を回避するには取り下げしかないという結論に至りました。そしてこれはまた総務常任委員会への抗議の意味も込めて行うものです。
 
 多忙な中署名集めに奔走してくださった皆さん、陳情に賛同し署名してくださった方々の期待を背に負いつつ行った苦渋の選択です。もちろん再処理への厳格な規制を求めて、世論喚起・国への働きかけ等は、今後引き続き行っていく決意です。

 ・・・・・・ここまで(全文を掲載)・・・・・・ 

 これを読んで、やっぱり考えさせられます。これと同様の取下げが今後二度と起こらないようにしなければなりません。私たちの議会では、それぞれが責任ある立場から発言し議論を行うわけです。やはりそれはきちんと記録をなされなければならないのでしょうね。意見交換などは「休憩中に」というのは悪しき傾向ですね(もちろん、すべてがそうはないですよ。)

投稿者 hisaka : 2008年03月29日

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