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2006年08月21日

国分寺市の取組みに学ぶ

 今日は国分寺市の女性センター「ライツ国分寺」まで行ってきました。目的はDV(ドメスティック・バイオレンス)に対応するために庁内に連絡会が設置されていると知ったからです。せっかくなので国分寺市の女性センターの様子も見たいと思ったので足を運びました。

 ヒアリング目的だった「配偶者等からの暴力の防止及び被害者の保護に関する連絡会」については、だいたい半年に1回の年2回の開催、そのうち1度は研修会にあてているようでした。ちなみにメンバー構成については、相談が寄せられる窓口の関係する職員を中心に8名。住民票などを取扱う窓口業務を行なう職員や国民健康保険の業務に携わる職員、それから子どもの様子を通じて暴力の存在が明らかになる場合も少なくないので子供家庭支援センターの職員や学務課の職員も加わっています。「このような連絡会を開催することはとても大事だと感じている。」と伺ったのですが、それには同感です。例え、年2回だけあっても連絡会があることの意義は大きいだろうと思います。
 今、多くの分野で縦割り行政が言われ、横の連携づくりを進める必要性が指摘されていますが、各部署の担当者どうしの「顔を知る」だけでも大事なことだと思います。つまりやDV関連の横つながりをつくるときの責任者は誰なのかが明らかになるからです。
 多摩市の場合にはまだ、このような連絡会が設置されていないので、今後の課題として多いに検討に値することだと思います。
 

 ところで、国分寺市の場合には民間シェルターに補助金を出しています。暴力 を受けた女性が一時的に避難できる場所はまだまだ不十分だと言われています。そしてまた、民間レベルでのシェルターの運営は財政的にも非常に困難です。果たす役割は大きいにも関わらず、閉鎖を余儀なくされているところもあります。いつまで補助金を出し続けるのかという問題もありながら、今の状況の中では、民間シェルターの安定的運営を支えるのが自治体の役割としてあると考えているというのが国分寺市の見解です。
 ・・・・なんと先方から反対にたずねられてしまったのですが、「多摩市さんは『民間シェルターの設置促進』が行動計画に載っていますけれど、どうなんですか」・・・・「あっ、ええ、・・・・一応載せてあるみたいですね・・・・・・。」
 多摩市ではこの分野ではほとんど取組みは進んでいないのが現状です。緊急的に一時保護をする仕組みはありますが、中間見直しが行なわれた行動計画をみても積極的に取組むわけではないことが一目瞭然。なぜなら、中間見直し版には各事業、項目に数値目標が設定してあるのですが、『民間シェルターの設置促進と支援団体の育成』に関しては数値目標が掲載されていないからです。(9月の一般質問で聞いてみる必要がありそうですね。やるつもりのないことまで行動計画に載せる必要はないと思いますし・・・・。)


 その他、もろもろ意見交換をしてきたのですが、やっぱり思ったことは適材適所で職員が配置されているかどうかが鍵を握るということです。国分寺市の場合も男女平等人権課長さんは女性で、担当の職員の方も女性でした。たったの2名でやっているという状況が涙ぐましいと言う、男女平等問題に関わる職員はどこの自治体でも少数精鋭でやるしかないのは同じだとまた認識しましたが、「やる気がない人が担当になってしまうとその職員自身も市民にも不幸だ。」というのは本当にその通りだと思いました。
 多摩市の場合には私が期待しているのは、ようやっと担当課長さんが女性に変わり、女性センターに常駐していること。担当職員が努力をしていても、課長さんの理解がなければ空回りしてしまう場合もあるわけで、その点では今年から女性の課長さんになったことで変化が期待できます。以前から検討していたのかもしれませんが、昨日の広報に掲載されていたように明日から「女性センターの図書の貸出」がにはじまりますね。これも変化のひとつだと思います。

 正直、女性センターはその存在意義を問われていると思います。それは多摩市のみならず他市でも同様、国分寺市でも同じです。市民と上手に連携しながら女性センターの活動をいかにつくることができるのか・・・そして、そこにやる気のある職員が存在しなければならない・・・この2つの要素がなければ、女性センターはどんどん後退していく気がしています。
 女性センターを設置するまでの市民の気運、もりあがりというのも結構悲しいもので、女性センターがひとたび開設されてしまうと、それ以降に継続させていくことに一苦労・・・これは市民サイドの抱える問題点とも言えるかもしれませんね。


 そう言えば、もうひとつ。国分寺市では男女平等条例の制定も目指しており、ほぼ原案が策定されつつあるようです。行動計画を進めるためには条例が必要という認識からでした。ここは多摩市の市長とは認識が大きく異なる部分でした。

投稿者 hisaka : 2006年08月21日

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