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2002年12月14日

終わりよければ・・・

 多摩第一小学校の建替えプロジェクトの流れで、市民から発案のあった「宝物探し大会」でした。
 とにかく準備が大変だったのですが、何といっても珍しいというか「お父さん3人組」の大活躍があって成功しました。一般的にPTAなども母親中心の組織だと思うのですが、このイベントを仕切ってきたのは父親3人組で、その準備というのは仕事の合間ではなく、ほとんど仕事を休止させて行なっていたのが実態です。10分おきくらいにメールで現在の準備状況が流れてくるのです。
 このイベントは「お金がない!」なかから始まっているので、宝物探しで山分けする宝物のかき集め、これは地元企業の方に協力していただき、それから終わった後に振舞うことにしていた豚汁の食材も地場野菜を提供してもらい、甘酒も地元のお酒やさんからいただきました。本当に地域の人々に支えられて成功できたこと、そして第一小学校の伝統の重みを感じずにはいられません。私の卒業したニュータウン地域に存在する学校だったら、きっと同じようにはいかないはずです。第一小学校の卒業生が地域にたくさん存在したことが、今日のイベント実施の大きな力です。
 多摩市ではよく既存地区とニュータウン地区とに分けて、昔から多摩市に住んでいる旧住民と新住民という考え方があります。その考えに立って見た時、今回の父親3人組は新住民なので、このイベントを通じて、地元の住民(第一小学校の卒業生たち)との協力をし、交流が出来たことは大きな成果です。実際に、リーダーを務めた方は「地元の農家の人とかと知り合うことが出来てよかったし、人間関係の輪が広がった」と言っていました。
 そして大きな成果として次に上げられるのは、地域が関わって学校を創り上げるという学校の地域開放にもつながることです。学校開放といっても、PTAや青少協が中心になるわけではなく、「手をあげた市民」が自分たちで試行錯誤をしながら、今回のイベントをつくりあげたことは、新しい地域開放のありかたとしてモデルにもなりそうに思います。もちろんPTAや青少協の方々の協力もあり、それがあったからこその成功ではありましたが、中心になったのはあくまでも父親3人組です。「学校は誰のもの?」への回答に、新しい選択肢を付け加えました。
 それから今回、市役所の職員の力も大きかったと思います。もともと第一小学校の建替えプロジェクトには教育委員会が関わっていますが、その担当職員の協力がなければ出来なかったことでもあります。さらに市長をはじめ、部長、課長さんたちも参加してくださいました。そして、もちろんのこと、職員も裏方として、このイベントを支えてくれました。今日も体育館の椅子並べやブルーシートの設置などは実行委員のメンバーだけでは手が回らない部分でした。素人の父親3人組は段取りの悪さを色々な場所で指摘されてきたわけですが、彼らの「気持ち」を支えて、職員がフォローし、カバーしてくれた部分が多くありました。これもまた「協働」です。
 そして、もともとワークショップに参加してくれている東京農業大学の学生、多摩大学、中央大学の学生たちの参加もありました。子どもたちを見ているとやはり私たち世代の若いおにいさん、おねえさんが大好きなんだなと感じます。父親でもなく母親でもなく、先生でもなく・・・という存在を子どもが求めていることは、最近、いくつかのイベントで子どもたちと関わっていて強く感じることです。私自身、学校にさまざまな人が関わること、いろんな大人が子どもと触れ合うことが大事だと思っているのですが、私たち世代が小学校などに関わる機会が少ないことは残念に思っています。今回のイベントで子どもたちは私たち世代とふれあってどんなことを感じてくれたのでしょうか。
 ところで今日のイベントでは寸劇をしました。私といえば「カッパ姫」の役をやりました。この寸劇の衣装はバオバブ保育園から借りてきたものです。「カッパ」の衣装を今後二度と着ることはないと思います。でも女の子が「かわいかった・・・。」と言ってくれたのでうれしかったです。このカッパをやるために私も駆り出され、この宝物探し大会のお手伝いをすることができたことはいい経験になりました。
 様々な失敗もありながら、それでも子どもたちの参加が190人ほどありました。途中、宝探しのためにクイズの回答をするのですが、そこに工夫があり「第一小学校に残したいものなんですか?」とか「小学校に新しくほしいもの、つけてほしいものありますか?」についてポストイットに書いてもらい模造紙にペタペタ貼ってもらいました。私もちょっとだけ子どもたちの様子を見ましたが、とても楽しそうに「クーラーがほしい」とか「エレベーターがほしい」という子どもらしく、現代っ子らしい回答をしていました。
 全体の反省会はまだしていませんが、父親3人組は「腰が抜けた・・・」という感想をもらしていました。中心メンバーはメンバーでこのイベントを通じて学べた多くのことを共有しています。この経験を次に生かさなくては・・・・。ちょっと疲れすぎで今すぐはムリですが、このノウハウ生かすこと、そして次々とノウハウを積み上げることが、きっと‘まち’の未来を楽しくするんだろうなあと思います。
 今日、うれしかったことがありました。それはいつもワークショップの中では気難しい老紳士がとっても素敵な笑顔で子どもたちと話をしている姿を見かけたことです。彼は「楽しかったよ」とニコニコ顔で帰っていきました。「久しぶりに子どもたちと交流したよ。」ということでした。彼は地域に学校を開放するなんてとんでもない!という意見を主張している人ですが、このイベントに参加したことでちょっと考えが変わったかな・・・?まだお聞きしていませんが、次に意見交換をするのが楽しみです。

投稿者 hisaka : 2002年12月14日

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