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2003年09月13日

私たちがつくった条例とは違う。

 市民自治基本条例をつくる会の一日合宿。朝10時に集合して17時まで、つくる会が作成した市民案と行政素案との比較を行いました。
 市民案が行政素案に反映されているかどうか?について、一項ずつ点検をしていきました。だいたい行政素案には反映されているな?と思えるところもあれば、一見反映されていそうだけれど、実は全然違う…と感じるところもあり、とりあえずは○、△、×という形で挙手をしました。
 
 根本から考え方が違うので判断するのが難しいという意見もありましたが、点検をしながら、自分たちの考えを辿っていく…ほぼ一年以上も経つと記憶が彼方に…なっている部分もあるので議論してきた経過などを思い出しながら進められました。
 面白いのは、大方受ける印象が同じようで、×と△に集中したり、○と△に集中したり…と傾向があったと思います。「本質が違う」と言う点では皆さん一致した考えを持っているようでした。
 
「団体自治を無理矢理入れこんで、こんなに市長とかの権限が前面に押し出されるようになった。」というように、行政素案はかなり行政組織に関わる部分が強化されています。
地方自治の本旨が「団体自治と住民自治」という行政の説明はもちろんよくわかるのですが、「住民自治があり、団体自治がある」なのか「団体自治があり、住民自治がある」なのか、どちらを起点にするのかで条例の作りかたが変わってくるのだと思います。同じことを言っているようですが、実は全く違ってくるのだと考えています。なので行政素案はとても官僚的というか、住民統制型自治基本条例の印象を受けるのではないでしょうか?

 「もともと目指すものが違うのに、いかにも市民協働で策定しました…と言われたくない!」という意見もありました。概して行政はこれまで市民参加は「アリバイづくり」と言われてきましたが、まさに今回もせっかくの市民協働がパートナーシップ協定で骨太にしたはずが、市長が交替して骨細になり、ついには骨抜きになった…・ということだと思います。私も「市民自治基本条例」と「自治基本条例」は似て非なるものだと考えているので、自治基本条例にするならば、それ相応の説明をしなければつくる会に集まった市民たちは納得できないと考えます。

 この条例については市民側のつくる会と行政側の策定委員会とも同じ担当者が事務局をしています。私は正直言って、市民側の言い分(最初からずっとつくる会を見守ってきてサポートしてきた立場で、どれだけ市民たちが労力を注いだかを知っている)と行政側の論理の両方を理解できてしまう担当者が板挟み状況にあることを気の毒に思っています。

投稿者 hisaka : 2003年09月13日

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