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2006年05月11日

本当に望まれること

 多摩センターの駅前保育園として4月にオープンした「あおぞら保育園」の開所式に参加しました。この保育園は長久保公園に隣接し、公園をお庭として上手に利用し、建設されているのですが、建物の底地は都市再生機構の所有で賃貸しています。すっかり不動産屋さんになった都市機構については、賃貸料を支払うと聞いていますが、多摩市の保育園で土地の賃貸料を支払うケースは初めてではないかと思っています。
 ところで、多摩センター至近の保育園構想・・・と言うと、多摩市立幼稚園廃園後の活用をどうするのかで行なわれていた議論を思い出しますが、結果的には今回の場所に新たなる1園が増設となりました。場所的には多摩市立幼稚園も駅近に立地し、市民の利便性が高いことはうれしいことと言えます。(ただ、車での送迎にはやや不便。そして、道路が狭いので通園する子どもたちの安全確保がやや難点かもしれませんが・・・)

 

 先日のたま広報では、あおぞら保育園の「ひだまりレストラン」が紹介されていましたが、ここでは「離乳食レストラン」(予約制)という多摩市の保育園では初めての取組みがスタートしました。既存の保育園の場合には施設的な制約もあり、一般開放の子育て広場を常設し、運営していくことはなかなか難しいのが現実です。その必要性は認識していても施設面がそのニーズに応えられない状況があるわけです。
 しかし、新規に保育園を増設していく・・・という点では、行政側とのさまざまな調整があり、かなり要望もあったと思います。予め、子育て広場としての「ひだまりルーム」や「一時保育室」などのスペースが設けられ、‘いま’のニーズに即した対応ができるよう工夫がされています。さすが、現代の子育て事情を反映し、時代のニーズを上手く取り込んだ施設のつくりになっています。
 「地域で子育て」と考える時、私はその拠点として「保育園」に求められる役割が今後ますます大きくなると考えています。これは、私が子育てをしていての実感だからです。その意味でも、新しいコンセプトが盛りこまれてスタートした新しいタイプの保育園と言えるかもしれません・・・あおぞら保育園のこれからが楽しみです。


 実はいろいろな意味で期待をしたい反面、今日一番考えさせられたことは、「本当に私たちが望むことは何か?」ということでした。
 あおぞら保育園の開演時間は午前7時から午後10時まで。最も遅いお迎えは午後9時半と聞きました。そのことが本当に「子ども」にとって望ましい状況であるのか・・・「子ども」のことを考えると、ここはやはり議論しなければならないことでしょう。決して、預けている保護者たちもそのことを良しとはしていないはずです。さまざまな事情があり、その中での選択だと考えています。

 こういう話になると、やっぱり母親としての「女性」の在り方が問われてきそうです。子育て中の男性にも問われるべきことだとは思いますが、やはり子どもが母親に求めることを考えてみれば、まず一番には「女性」が問われてしまいます(それが現実。こんなところでつまらなく「男女平等論」なんて言ってられないと思います)。そこで、仕事上の責任をまっとうすべく働かざるを得ない、そしてまた働いている母親に矛先が向いていきます。「仕事を優先させるのはいかがなものか?」というわけです。
 でも、問題点は明らかで、実は「仕事」と「子育て」の両立支援と言いながらも、支援体制が着々と整えられているのは「子育て」の面についてだけ。正直言って、「仕事」面、つまりは「会社」のあり方を見てみれば、相変わらず「子育て」には優しくない働き方しかできない職場がたくさんあります。その職場に負けてしまえば、女性は仕事をあきらめるざるを得ません。もちろん、そのことが自分自身の選択だと納得する女性はたくさん存在し、実際にもそうなんだと思います。しかし、子育てがひと段落して、再び働きたいと思った時にも・・・その環境は不十分すぎます。
 
 ということで、私が今、望んでいることは「働き方」の見直し、改善です。そのことが大事な取組みだと思っていますが、それらを見直す前に、変に「母性愛」を持ち出した議論の展開が進んでいる気がしてならず、ここは危惧しています。そして、結局は最も手を入れていかねばならない部分への取組みが遅れている感じがしています。もちろん、大きくは国レベルの課題かもしれません。

 ・・・・果たして「議員」という仕事はどうなんでしょう。自分自身でスケジュール管理ができる点では子育てには優しい働き方も可能な職業だとは思います。でも、「どういう活動をしたいのか」という自分の思いと「子育て」とを両立させることはそんなに簡単ではないというのが実感。

投稿者 hisaka : 2006年05月11日