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2005年03月31日

会派でわかれた見解のこと

 昨日の議会最終日で会派の見解がわかれた事案がありました。それは「中央図書館の早期整備を要望する請願」に対するものでした。
 中央図書館の建設は多摩市図書館協議会においても、既に今から6年前、市長に対して早期に整備方針を明確にという報告がなされていますし、請願者である「多摩市に中央図書館をつくる会」も地道に活動を積み重ねていることは承知しています。
 私自身も、充実している図書館が欲しいなあとは思います。生活者ネットワークのメンバーも中央図書館に関する調査や活動に携わっている人も少なくありません。月曜日にはネットでもこの請願に対する賛否をどうするかの議論をしましたが、その時には賛成する人の意見が強かったので、その場では一旦はネットとしては採択の立場が望ましいのではないかとの確認をしました。しかしながら、意固地なって賛成する必要もなく、かといって反対するというものでもないかもしれない…という意見も出ました。
 とりあえずはそれならば採択でという議論の流れだったわけですが、どうしても私は「採択」と言いきれず、この請願に対して挙手する手が重いなあと当日まで悩みました。

 今、旧西永山中学校の跡地に予定されている障害者施設のことなど、財政が厳しい中で行政が最低限やるべき事業であっても進んでいない問題がたくさんあります。本来は跡地がなくとも行政が何とかすべきであったのに、対応が不十分なまま今に至っている課題のひとつがこの問題だとも言えます。どれを優先課題にするのかは、その時々の市長と議会、そして引いては市民の声があって選ばれてきたのだと思います。その選択がどうであったのかは当時の評価があり、現在の評価があるのだと考えますが、財政難が理由で翻弄されてきて先送りされてきた課題こそが実は行政がやるべき重要な問題だったのではと思えるようなものが含まれています。もしかしたら中央図書館もそのうちの一つともいえるのかもしれません。

 さて、多摩市は地域図書館の充実を図りながら図書館政策を進めてきています。確かに多摩センター駅至近には図書館がありませんし、図書館を誘致することで活性化するとも考えられます。でも、もう少し現実を見てみたいと思います。先送りにし、かつ重要な課題の中でも優先順位をつけた時、私は今の状況下において中央図書館の整備を早期に実現するべきだと議会からも市民の声を後押しし、行政にぶつけていくことに少し戸惑いを感じるのです。
 図書館の役割は大きく生涯学習活動の拠点として、そして教養を磨いていく、人を育てていくというの観点からも整備充実できたらいいなと思いますし、「将来への投資」という側面もあると考えています。でも、私はこれらの考えを踏まえても、そしてこの活動をしている方々もよく存じ上げていること、もちろん自分自身も中央図書館が欲しいという思いがあっても、「採択」に手が挙がらなかったのでした。

 その理由にはやっぱり財源があるのかなとも思います。中央図書館というと新たな「ハコモノ」というイメージも強く、請願者の方からも「ハコモノ」というイメージだけで捉えないでもらいたいとも言われ考えました。とは言っても、やはり中央図書館イニシャルコスト、ランニングコストを考えると私自身はそう簡単にうなづくことが出来ないのです。ある人と話していた時に、「どうせだったら中味のある中央図書館が欲しいし、中途半端にしかお金もかけられず中味が伴わないのなら、むしろいらない。」という意見がありました。
 いろいろなことを考えて、私は請願に挙手できず。結局会派でも、ネットの武内が採択をし、私と篠塚さんは挙手をせず。会派で意見がわかれたのでした。挙手しないことについては、予め「無理して挙手はしなくいい」と了解は得ていたものの、ネットとして見解が分かれたことに対して疑問の声があがるかもしれない…と思っています。これについては、自分の考えを説明するしかないかなと覚悟しているところです。

投稿者 hisaka : 2005年03月31日

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