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2003年06月25日

市民に説明責任を果たして欲しい。

 6月議会の最終日でした。今回は審議案件も少ない方でしたが、今日は先週の総務常任委員会でも争点になった「多摩市情報システムの管理運営に関する条例の制定について」と「多摩市手数料条例の一部を改正する条例の制定について」の2つの議案に対しては賛成や反対の立場からの討論がありました。
 私たちの会派も討論をしました。情報システムの管理運営条例に対しては賛成の立場、そして手数料条例については原案にも、それから今日提出された修正案にも否決の立場をとりました。

 この2つの案件は両者とも8月25日から本格稼動する住民基本台帳ネットワークを含め、自治体のIT化に関するものでした。特に手数料条例は住民基本台帳カードの発行に伴う交付手数料が新設されることの提案も盛りこまれています。住基ネットについては、全国でも接続をしていない自治体や住民の選択制を導入している自治体もありますが、多摩市は法律には違反せず無難な行動をとっています。カードの発行についても同様です。住民の要請があれば自治体として発行に応じなければいけないことが法律では決められています。普通に法律を運用していく限りでは、多摩市のカード発行も当たり前のことだと言えます。
住基ネットに対する不安がさまざま論議されるのに、議会として接続が阻止できない状況には私自身、議員としての不甲斐無さを感じます。その意味では接続している市長に対しては説明責任を求めていきたいと思います。個人情報保護をどう担保していくのかが最も重要なことです。国で決めたことだから・…を理由にすることはできないはずです。

今回の手数料条例について、そもそも住基ネットの接続には反対の立場だから、カードを発行してもらいたくない…だから反対だと言うことも出来ますが、そのことが理由で発行手数料の徴収に異議を申し立てても何の意味もなさないことが本当にむなしいです。私たちの会派もとても悩みました。カード発行そのものを認めたくないけれど、既に流れを止める力がない…その中で判断をしていかなければならないからです。手数料の徴収を認めるということは、カード発行を認めることにもなり、住基ネットを肯定することになってしまいます。でも、やはり現実的に対応をするなら「接続している」を前提にして、今回の条例案についても審議をする必要があります。どんなに頑張っても「法律違反したくない。」という市長を否定することができないからです。私たちが今、出来る事は市長に対する法律を守る立場、市民の生命と財産を守る立場からの説明責任を求めることです。
「ふーん、否決をするってことは、手数料取らないで発行してもいいわけ・・・ゼロ円でいいんだ。」と賛成の立場の方からは言われましたが、決して手数料を徴収しないで下さいとは言っていません。(理由については議会報告で掲載しています。)住基ネットに接続し、カードを発行する市長としての責任を果たしてもらいということなのです。

 利便性が高まることばかりを強調しただけで、本当に説明責任を果たしているのでしょうか?国から言われたから…ということを理由にしてもいいのでしょうか?
 そして、もちろん私たち市民一人一人も、本当に利便性を高める必要があるのかどうか考える必要があると思います。そこばかりに目を向けることがどんなに愚かなことか…それは過去の歴史をふりかえって学ぶべきです。便利さばかりを追求してきたあまりに、失ってきたものがあります。この問題も同じように考えていきたいと思います。メリットとデメリットをきちんと把握した上で私たちは選択をしなければならないのです。

投稿者 hisaka : 2003年06月25日

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