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2002年11月10日

循環型の社会って?

 今日は市民清掃デー。自治会で公園の清掃をしました。おもに落ち葉掃きです。やはり恐るべし無コミュニティで参加は7世帯のみ。面白いのは自治会役員さんも毎年のことと心得ているらしく、参加賞などは10人前後を予想して準備していること。私自身も自治会の役員さん以外の人と今日が初対面。私の住んでいる棟は全部で12世帯。一応全部の世帯に声かけをしてみようと思ったものの、私が訪問できる午前中の時間帯はどのお宅も留守。一週間みっちり働く人々に日曜日まで掃除に引っ張りこむことも少々気が引けてしまうこともあり、自発性に任せてみるのもいいよな・・・と再訪問はせずにフタをあけてみるとやっぱり予想通り。人が寄せ集まっている場所での地域コミュニティの形成は困難なのです。

 午後から「ごみから考えよう環々学々の会」主催のエコセメントの勉強会に参加しました。千葉県で本格的にエコセメント事業が稼動していますが、ここを請負う太平洋セメント株式会社の技術担当者と営業担当の2人が説明をしてくれました。エコセメントが循環型社会のなかでどれほど活躍できるかについて話を聞きました。もちろんエコセメントに消極的な話ではなく、「エコセメントの素晴らしさ」を語ってもらいました。もともとセメント製造ではいろいろな廃材を引き取ってきたそうです。例えば電力会社の石炭灰とか製鉄業者高炉スラグなんかだそうです。なるほど、環境問題には詳しくない私には、セメント製造業者の地球環境保全への貢献度に驚き、エコセメントって結構いいものかもしれない・・・と思ってしまうほどの優れものに感じました。用途についても速攻エコセメント(固まるのが速い)ではない普通のエコセメントはこれまで流通している普通のエコセメントと同じだとのことでした。
 私が話を聞いていて一番強く感じたことは、事業者としてどこまで責任をとることができるのかということです。つまり、エコセメントという商品が確かにエコマークつきの製品で地球環境に配慮したものであったとしても、エコセメントを使用して造られた建造物などがゴミになった時どうするのでしょうか?パンフレットには普通のコンクリートと同じように骨材などにリサイクルできるようなことを記載してありましたが、例えば仮にエコセメントで建てられた大規模団地の建替えを考えてみると、大量のコンクリートゴミがすべて骨材に生まれ変わるとは考えられません。これはニュータウンのリニューアルに関わることなので、私はかなり深刻に受け止めているのですが、私は最近、古い団地を見ると大量の産業廃棄物に見えてしまい、これを処分する時に一体どうするのかと途方にくれているのです。住人、多摩市、それとも建替えデベロッパー?誰が処分経費を負担するのでしょう?
 というわけで、エコセメントが循環型社会のための開発として拍手を送る部分もありながら、一体全体企業とは循環型社会を描く時、どんな構図をイメージしているのか?どのくらいまで長期的な視野で見ているのか?さらには現在のコンクリート建造物についてはどう考えているのか?と聞きたい気がしました。でもゴミ問題や環境問題についてはあまり詳しくないので質問するのに珍しく気が引けてしまいました。
 目の前にあるリサイクルの実現はある意味で簡単です。でもリサイクルの限界は必ずあるとも思うわけです。それにも関わらず、例えばペットボトルなんかもその便利さにおいてついにはホット用まで開発され、おまけに自動販売機にも並ぶようになった社会です。これは本当に循環型社会なのでしょうか?問われるべきは消費者なのでしょうか?それとも製造しない!ときっぱりと表明する企業なのでしょうか?

投稿者 hisaka : 2002年11月10日

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