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2002年08月09日

なぜ反対するのか…メリットはどこにあるの?住基ネット

 今週の月曜日から住民基本台帳ネットワークが稼動しています。多摩市の中でも住民宛に個人コードのお知らせを13日に発送するそうです。通知が来てはじめて、住基ネットのことを知る人もいると思います。これだけ大きな問題になっていても、実際、私自身もあまり実感なく5日の日を迎えた気がします。何が変わるのか?何が変わったのか?この実感がないということが危険なんだと思います。通知が来たら何かがかわるのでしょうか?たぶん何も変わらない一日を送る私の姿が目に浮かびます。
 そうは言うものの、はやり個人情報保護法案がない中で、各地の自治体からはセキュリティ対策などの面で不安の声が相次いであがっています。実際に声を上げて、ネットワークに加わらないと果敢に行動に出た自治体もあるわけです。そんな中多摩市としてはどうするのか?注目をしていたところでした。多摩市ではネットワークシステム導入に伴って要綱を二つ設置しました。今日はそのことについて文書法制課の方に話しを聞くことが出来ました。なんと、私は当然のことと思うわけですが、多摩市が要綱を設置したことについて各地の自治体から問い合わせが多くあったそうです。私は要綱が一体いつ整備されるのかと・…待っていたわけで、ぎりぎりになってようやく設置できて一安心したわけですが、他の自治体ではそのような対応まだなされていないということなのでしょうか!
 多摩市では既に個人情報保護条例があり、そして情報システムの運用面についても規程が設けられています。けれどもこの住民基本台帳ネットワークシステム導入にあたっては、そのものだけに対応する要綱をつくりました。担当者の方も言うように「人間が作るものに完璧なものはない・・・。」これは批判することも非難することも出来ず、致し方ないと思いますが、とにかくインターネットの世界は恐ろしいし、ハッカーとのいたちごっこで、どんなに完璧だと思ったとしても、見破られればおしまい…ということが常識です。私はそのことに不安を覚えます。本当は「致し方ない。」として許容してはならないのです。最近は新聞紙上でも個人情報の漏れの問題など、とても不愉快な出来事もたくさんあります。そういうことが起らないよう、行政としては予防策を講じたい!と説明をされましたが、予防なんて本当に出来るのでしょうか?要綱があるから安心とは、とても言いきれない自体です。
 このシステム導入でのメリットは煩雑だった行政事務が軽減されることです。あとは住民がどこにいても自分の住民票を入手出来ることなどが上げられています。その他来年からのICカードの中味は各自治体がどんな情報を入れるのか個別に検討をするそうで、例えばカードさえあれば図書館で本を借りれたり、公共施設の予約が出来たりするのでしょうか?行政側としては税金の収納処理などでも活用できる可能性もあります。税金逃れ…をするような人は少なくないそうで、そういう方々への対策としてはなかなか優れものかもしれません。とにかくこのシステムによっていろんな個人の情報が集約されて、行政に整理してもらえる…ということだけは明らかです。多摩市としては要綱の中で、この住基ネットでの送信項目を明文化して、氏名、誕生日、性別、住所、住民票コードしていますが、その他に国の法令等に基づいたものということを決めました。いづれにしても送信項目については多摩市の決定権限や裁量の余地の幅も狭いことはわかります。国が決めれば多摩市は従うわけで、これからどのように国が進んでいくのか注視することが必要です。
 多摩市としての早急な対応を私は評価したいと思います。実は多摩市が出来る事としては、一地方自治体として「住民の不安」を国に対して発信することが一番大きな役目だと考えています。杉並区や国分寺市のような行動をとらないまでも、多摩市が要綱をとりあえずは設置したことを前向きに捉えて、これを機に新たに展開される住民情報の保護に対する職員全体の意識向上の取組みを大いに期待したいところです。
 結論的には、やっぱり私は反対。手間をかけたほうがいいこともある…というくらいに構えることも必要だと思います。事務処理の効率化合理化が思わぬ方向で進む不安はやっぱりぬぐえません。

投稿者 hisaka : 2002年08月09日

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