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2007年08月01日

まちの展望と学校の統廃合

 文教常任委員会がありました。議題は学校の統廃合に関する陳情について。目下、審議会で議論が進行中の貝取・豊ヶ丘地域の小学校の統廃合ですが、陳情が提出された時点では貝取地域に小学校が1校もなくなるとの素案が示されていました。陳情は、素案をもう一度改めて欲しい、せめて貝取地域に1校は小学校を残して欲しいという趣旨のものです。
 実は、素案の説明を行った地域懇談会での意見を踏まえて、審議会では改めて議論をしなおす状況になっているようです。もちろん地域懇談会でも貝取地域に小学校がなくなることに対する反対意見が多数寄せられていたそうです。


 委員会では、審議会で議論をしている内容に関する陳情の審査をすることそのものがいかがなものか?という意見もあり、「審査を打ち切るべきではないのか」と主張なさる方もいらっしゃいました。そして、議会の‘模範すべき????’先例においても、過去に同様な状況下にて提出された陳情は審査を打ちきっているという説明もありました。
 けれども、委員会の大半のメンバーは「議会は議会として議論をすることは問題がないのではないか。」との立場をとる人が多く、結局、今日の会議において結論は出さないこととし、今後も引き続き審査を重ねていくこととなりました。これは賢明な判断だと考えています。

 もちろん、私も議会は議会独自として議論をすべきことであり、議論することができると考えています。ただし、審議会の結論の前に、議会としての判断を下すことは避けるべきで、審議会の動向を見守る必要はあると思っています。


 ところで、学校の一定規模・適正配置ということについてですが、「一定規模」は教育の内容・質の部分、「適正配置」というのはまちづくりという視点からの議論が求められると思います。賛否はあると思いますが、多摩市としては小規模校は解消=「一定規模」と考えており、1学年複数学級をつくることが大目的になっているようです。

 しかし、「適正配置」というところはどうなっているのか?教育委員会でどこまで「まちづくり」の視点からも取り入れて「適正配置」を考えていけるのか?という問題が重要です。
 「あくまでも審議会の議論で。」「審議会には地域の住民も参加をしている。」とは言え、将来的なまちづくりのビジョンというものをどこまで考慮できるのか、審議会における議論の材料として提示することができるのかという問題があると思います。


 なぜなら、イマの‘今’という状況だけでは判断できないこともあるように感ずるのです。そういう意味では将来的な展望をどこまで描ききれるのかが試されていると言えるでしょう。地域の人たちが参加をして決定をしていく・・・そのことはとても重要なことですが、そのとき判断の根拠になるものは?


 なぜ、私がそう感じるのかと言えば諏訪小学校のことが頭に思い浮かぶからです。過去に中諏訪小学校と南諏訪小学校が統合して現在に至る諏訪小学校は、大変なお金をかけて校舎などリニューアルをしています。しかしながら、またまた・・・・小規模校化が進んでおり、多摩市が考える一定規模にはそぐわない悩ましい状況を抱えているからです。

 「小規模校の解消」と掲げている限り、諏訪小学校も検討対象にしないわけにはいきません。しかし、学校の位置は諏訪の中でも南端にあるため、今後、一定の生徒数を確保するためにどのような対策ができるのか・・・・基本的な学区域の線引きを変えるとしても、学校の自由選択制がある中では安易に解決できるとは思えない問題です。


 単に今わかっているだけのことの情報を提示するだけでは十分な判断ができない部分もありそう。例えば教育委員会では将来の児童数推計も出していますが、せいぜい6年後のことまで(当然ながら、現在出生している0(ゼロ)歳児よりの後続については誰にもわからない)。その推計だけを見て考えるとすれば、近視眼的になってしまうかもしれません。もっともっとの先のことまで見据えて考えることが必要になるということです。「10年後、20年後・・・・そのとき地域の状況は?」。地域のコミュニティを同考えるのか、そのためにどうしていくのか、いきたいのか・・・合せて語られなければ適正配置も不適正になってしまう可能性もありそうですね。
 

 まちをどうしてくのかが問われる問題です。少なくとも「小学校が廃校になった周辺地域はどちらかと言えば高齢化が進んでしまう傾向にある。」これが今日の質疑にて明らかになった教育委員会の見解の一つであることは確かです。将来をどこまで見据えることができるのか。問われているのは教育委員会だけではないはずです。

投稿者 hisaka : 2007年08月01日

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