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2006年09月13日

厚生産業常任委員会

 今日は厚生産業常任委員会だったので、委員として出席しました。案件は少なく、法律の改正に影響を受けての条例の一部改正と請願、陳情それぞれ一つずつが審査されました。請願の内容は今、話題になっている貸金業の規制に対する法改正を求めるもの。もちろん法改正は必要。弁護士会より提出されている請願でもあり、全員が採択。陳情は「介護保険制度の改善を求める」趣旨で提出されたもので「趣旨採択」となりました。
 以上の審査が終了した後は、行政側からの報告事項など説明を受ける「協議会」の時間になりました。ちなみに、「協議会」の時間は「休憩中」の取扱いなので、「非公式会議」みたいなものです。

 協議会のいくつかの報告事項の中に、「多摩市安全安心まちづくり推進協議会」からの提言書についての説明がありました。提言書では安全安心なまちづくりの活動を進めるための拠り所となるような条例(多摩市安全安心まちづくり条例)を策定することが記されていました。 
 
 治安対策については市民からの要望が最も高い分野。社会的にもさまざま不安な事件がたくさんあるので当然のこととは思っています。でも、私の中では「なぜ犯罪が増えているのか」という根本的な問題を捉えつつ、考えていかねばならない課題だと思っています。一般的にも言われるように日本社会が抱える歪みに向き合ってじっくりと解決方法を見出していかねばならない問題で、一筋縄で立ち行かないと考えているところです。
 そうは言っても、現実問題としては目の前に降りかかり発生する犯罪にも対応していかねばなりません。多摩市でも市民の自主的な防犯活動を支援するためにパトロールグッズを揃えたり、監視カメラの設置等も進めているところです。監視カメラについては、「監視されている。」ということが犯罪の抑止効果につながると言われているものの、よくよく考えてみれば一般人にとっては決して心地よいものとは言えないでしょう。それでも心地よさを捨ててでも監視カメラが必要とされる時代になっていることも否定することができず、予算にて監視カメラ設置費用が提案されるたびに悲しい現実を痛感してきました。

 時代背景的にも治安対策が強力に進められ、特に東京都の力の入れようは・・・ホームページからも伝わってきます。(大東京防犯ネットワーク)もちろん都にも「安全・安心まちづくり条例」が制定されています。この条例を根拠にして東京都の治安対策が展開されていることは確かです。
 その上で多摩市にも独自の「安全安心まちづくり条例」の制定が必要なのか。従来は制定については考えていないようでしたが・・・ずいぶんとその認識も変更しています。行政としては協議会の提言書を受け、今年度中(来年3月まで)には条例案を策定するそうです。その後、市民からパブリックコメントを募集、来年の6月議会での条例制定を目指して取り組むとの方針が示されました。


 安全安心まちづくり条例については賛否両論存在します。私は各自治体などで制定されている既存の「安全安心まちづくり条例」を見てみると、「安全安心」が防犯の面からだけで捉えられているような傾向を感じ、違和感を覚えます。くらしのなかの安心というのは、もっと広い観点から語られるべきだと思います。くらしの安全と安心を確保するために防犯というのは欠かせない要素かもしれません。しかしながら、防犯だけの問題ではないはずです。犯罪を防止していくため、その活動の拠り所となる条例・・・「防犯のまちづくり」を推進するために必要な条例なのかなと理解しています。今後、行政が策定するという条例案がどのような議論を経てくるのか、条例名称や条例目的などがどう吟味されてくるのかを注目したいと思っています。

投稿者 hisaka : 2006年09月13日

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