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2005年10月07日

学校給食はやっぱりビンで

 今年度から学校給食の牛乳は紙パックに変更しています。その大きな理由としては供給業者の営業戦略です。それは消費者意識にも支えられているわけですが、いまどきビン牛乳は流行らないし、紙パックの方が手軽なのでしょう。スーパーやコンビニの店頭でもビン牛乳を見かけることがほとんどなくなりました。

 東京都からビンから紙パックの変更の方針が示された昨年の夏頃から、生活者ネットワークではいち早くビン牛乳を継続して欲しいと要望を続けてきました。一番には「環境」という理由があります。リターナブルビンを普及したいと考えている立場からは、学校給食において子どもたちにビンを使用してもらうことによる教育的効果も少しは見こんでいます。
 子どもたちの生活全体を眺めてみると、まだまだ「使い捨て社会」です。学校給食だけでは効果がないと言う声もありますが、それでも「ビン牛乳」によりちょっとは意識を持つきっかけくらいにはなりそうだと感じます。もちろんそれには「ビン牛乳」を教材とした環境学習が必要とは考えますが・・・。
 
 さて、学校給食の牛乳については、200mlという規格やその購入方法などにおき東京都主導で行われています。簡単に言えば、そこで都に従って行動をしている限りにおいては、金銭的な補助継続されることになります。つまり、市の負担を減らしひいては保護者負担も軽減することができるというわけです。
 そこで今回の場合にも東京都から「紙パック」の指令に沿って、多摩市でも紙パックに切り替えました。しかし、自治体によっては独自行動をとっているところもあります。国立市、小平市ではビン牛乳の継続を決定し、ビン牛乳供給業者と独自契約を結ぶこととしました。東京都が指定するブロック制(いくつかの自治体でまとまって供給業者と契約をする)から脱退しているのです。
 「紙パックでもいいのか、それともビン牛乳の方がいいのか。」ここには教育長、そして財政権限を持つ首長の考え方が反映されている格好です。独自契約を締結するリスクというのは、言うまでもなく、自治体の自己負担が増えるかもしれないという「金銭的」な問題ですが、そのリスクの捉え方(ビン使用への評価)により自治体それぞれの行動が決まってくるのでしょう。

 そしてお隣の日野市では早ければ来年4月から市単独の負担、保護者負担もなく「ビン牛乳」に戻すことが決まりそうです。市の負担や保護者負担が増えないよう、ビン牛乳の供給事業者を探すとともに価格の交渉にもかなりの労を要した模様でした。負担が増えるとのなればビン牛乳へ戻すことが厳しかったかもしれません。
 今日はその報告会を聞いてきたのですが、結局は行き着くところは「担当者の力」という話になっていました。担当者のごみ減量や環境に対する意識があってこそ、「ビン牛乳」への理解が進み、今回の結果につながったというのです。いずれにしても日野市のごみ問題に対する意識は高く、市長も上げてごみ減量に取り組んできた経緯もあります。その中で担当者の意識も「ごみの減量」「資源循環型社会」にきちんと向いていたことと思われます。もちろん市民の動きも上手いかたちでリンクしていたと考えられます。
 多摩市も来年の7月からごみの有料化によるごみ減量化を図ろうとしていますし、資源循環型社会を目指すとしています。それが市長、そして教育長などの考えに沿っているのであれば、給食の「紙パック牛乳」だってきっと何とかしてくれると期待しています。「紙だってリサイクルできるからいい」その考えでは不十分なことは確かです。

投稿者 hisaka : 2005年10月07日

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