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2005年10月11日

無添加せっけん

 昨年、生活クラブ生協のまちづくり活動のひとつとして行われた調査で、多摩市内の小中学校では日常の手洗いせっけんとして「合成せっけん」が使用されていることがわかりました。当然ながら、環境面でも安心な「無添加せっけん」の使用を進めていきたいというのが生協の立場です。南多摩地区の自治体を調査したようですが、多摩市では‘一校たりとも’日常の手洗い用として無添加せっけんを使用していなかったという結果です。
 ところが、注目したい別の事実があります。それは多摩市でも家庭科室や調理室では「無添加せっけん」が使用されているのです。これが何を意味するのか十分に汲み取り、「無添加せっけん」を推奨していくことが必要ではないかと思っているところです。

 誰が考えても環境にも優しく、体にも害が少ないと考えられる商品の方がいいはずなのに、なぜか全体の大きな流れが変ることなく、「無添加せっけん」は依然として少数派。市場に出回っている製品を見ても、店頭での「無添加せっけんコーナー」を見てもそのことを痛感させられます。「無添加」が社会的に推奨されていない状況では、需要と供給の関係で価格もなかなか下がることなく、結局のところ、消費者は安さを求めた購買活動をするわけです。それが今の多摩市のみならず、日本の現状です。
 こういう問題を考える時、とても大きな社会の渦というか、難しい社会構造(政治構造とも言える)を感じます。せっけんはただの一例に過ぎません。「本当はいいこと」であるのに、それが「いい」と認められないことは他にもあると思います。

 そういう意味で、一自治体の多摩市であっても、小中学校、公共施設において「無添加せっけん」を使うという方針決定をすること、「合成せっけん」を使用しないという方針決定をすることは非常に重いのです。学校施設のこととなれば教育委員会そして教育長の判断にもなりますが、些細なこととはいえ、やはり行きつくところには市長の姿勢に大きく関わってくるのだと思っています。
 冒頭でも書きましたが、既に家庭科室や調理室では「無添加せっけん」が使われているという事実があります。なぜ、「合成せっけん」を使用していないのか?・・・それを考えてみれば、方針として明らかにしないまでも、積極的に「無添加せっけん」の使用を進めることに不思議はありません。最終的には商品を選択する消費する側の選択が問われます。「環境行政」、そして「消費者行政」の立場からの選択をしたならば、当然に「無添加せっけん」となるはずと思います。

 何しろ、この調査をした方が「無添加せっけんを使っている学校がゼロというのは多摩市だけというさびしい結果でした。」という感想を述べたように、何となく先進的なイメージのある多摩市とのギャップが相当あるようです。子どもたちへの配慮(健康、未来の地球環境など含めて)を考えるなら、「無添加せっけん」。私もそう考えています。

投稿者 hisaka : 2005年10月11日

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