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2003年07月19日

新しい自治体づくりと条例 1日目

 昨年に参加をした市民と議員の条例づくり交流会議に参加しました。「新しい公共」ということばに表されるように、新しい社会システムをどのように構築していくのかはどこの自治体でも仮題になっているのだと思います。特に市町村合併の問題をはじめ、地方分権によりどのように地域の自立性を担保し、独自性を発揮していくのかについて「自治基本条例」の制定など、その手法とそれらを克服した先の未来像をどう描くのかが問われていると思います。

 今日は元三鷹市議会議員で今回の統一地方選では市長に立候補したものの惜敗した高井章博さんから「自治体づくりの要となる議会の役割と可能性」についてを聞き、その後分科会では「自治体を‘市民政府’に~地域内分権を包括的に考える」に参加をして各方面で活躍されている方からの話しを聞くことが出来ました。
 なんと高井さんは私が大学時代に所属していた広岡守穂先生のゼミのOBだったので驚きました。それはさておき、高井さんの問題意識の高さ、「自治体議会のあり方は、その設置も含めて、自治体が決めるべし!」という部分には共感をするとともに、自治基本条例を制定することで真の二元代表制の確立に向けた道筋を作る必要性をさらに強く感じました。

 ところで、初めて知ったことで、今日の一番の収穫がありました。それは三権分立についてです。これは「立法、行政、司法」と説明されますが、明治時代には「立法、‘行法’、司法」と整理されていたそうです。つまり法を行う主体であった‘行法’がいつのまにか政を行う主体になりかわった部分・…そこに何となくヒントを感じられるのは気のせいではなさそうです。

 分科会では議会改革を含めた話を聞けて有意義でした。特に滋賀県の草津市議会の話しは面白かったのですが、昨年政務調査費を10万以上増額したことを契機にして、この苦しい時期に増額したことへの市民に対する説明責任を果たさねばならないことで超党派で認識を一致し、何と議員立法をしてしまったそうです。
 つまり何か市民に対して議会としての態度を示さないとと大奮起した結果「「草津市飼い犬の糞などの放置防止等に関する条例」制定へと結びつけたというのです。これには会場に笑いの渦が起こりました。なぜなら地域課題の解決ありき・・・ではなく、政務調査費を値上げしてしまった、さあどうしよう・・・なにかしなきゃ・・・というある種パフォーマンス的にでも取組んだ結果、議会の活性化にもつながっていったという事例だからです。
 実際に草津市議会の事務局職員の方からの話しを聞いてみると、かなり事務局自身の意識改革も進んだようです。事務局職員側が議員をとにかくサポートする体制をつくれたことが‘楽しかった’という感想を述べていました。議員の法務能力をどうつけていくかは問われる部分ですが、草津市議会の事務局には文書法制を経験してきた職員が配置されていたので条例策定については全面的にアドバイスしたようでした。議員というよりは議会と事務局の関係として理想的な在り方だなと思いました。

 行政と市民とのパートナーシップが言われる中で、何となく議会の存在がどう位置付けられるのか?これについては私も日々、考えているのですが、議会に対する市民参加を得ていく仕組みがなければ、日常的に市民に後押しされる行政と議会とのパワーバランスが崩れることは目に見えているよな・・ということを痛感させられた次第です。

投稿者 hisaka : 2003年07月19日

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