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2003年07月20日

新しい自治体づくりと条例 2日目

 昨日に引き続き2日目。実は、今日のまとめを一番楽しみにしていました。というのも議員提案で成立した新潟県吉川町の‘まちづくり基本条例’の発表があるからでした。
 
 いよいよ明後日の総務常任委員会で昨年6月に市長に提出した多摩市市民自治基本条例の市民案が行政内部での検討を経て、確定版ではないものの提示されることになっています。多摩市の場合の条例制定過程の一番大きな特徴は市民ワークショップで一年以上もかけて市民案をつくりあげたことと、市長(行政)と市民ワークショップ「つくる会」との間でパートナーシップ協定を結んだところにあると思います。
 他の自治体では行政主体で進められているところが多いのですが、多摩市の場合は市民主体で進められ、行政は市民の取組みの裏方に徹してきたところに全国からの注目が集まっています。

 吉川町の取り組みといえば、「議員提案」が大きな特徴で、もちろん全国唯一です。なぜ「議員提案」することができたのだろう?と非常に不思議になります。全国で初めて自治基本条例を制定して有名になったニセコ町でも賛成派議員、反対派議員がいたわけで、議員からの発案ができた理由には関心がありました。
 聞いてみると、①住民にひらかれた議会づくり②議会で立法活動を進めるという2つの側面から議会改革を進めていた流れがあったとのことです。その中で、ニセコ町の取組みに出会い、議員全員でニセコ町に視察に行き、その取組みには衝撃を受けたといいます。ニセコ町での政策形成過程までをも公表しているという、情報共有のあり方を見て、「これは、うちの町でも進めなくては…」と触発されたそうです。

 それによって議員全員での「まちづくり基本条例」の策定が始まりました。なんと全員でワークショップをやりながら、議員個々人の意見をまとめあげたそうです。ワークショップ形式で議会の議論を進めるというのも面白いアイデアです。条例案についても「議会だより」で3回ほど町民に向けたPRをし、住民懇談会も9回開催し、議員がそれぞれ分担して町民との意見交換をしました。
 どれもが議会史上初めての取り組みだったといいます。それだけに苦労も多かったようですが、発表をしてくれた橋爪さん(町議)は「楽しくて仕方なくて」と何度も繰り返していたのが印象的でした。
 
 議員提案でいた秘訣について、やはり「全議員が本気になった」ということをあげていました。ワークショップでは全員が発言し、「みんなが関わった」という実感を持つことが出来たことは、きっと成功の最大要因だと思います。

 議員の法務能力を高める必要性を指摘されていました。でも、そこには専門家の力を上手に借りていくことの大事さを主張されていました。
 行政はどうだったか・・・?といえば、最初は「行政が抵抗勢力」だった・・・そうですが町長は「制定されたその日から施行という気持ちでのぞむ」と答弁したようで、私自身はこの条例が可決された3月以降、条例が施行される10月までの間に町としてどんな取り組みをしているのかな?と少し興味がわきました。(でも時間がなくて質問しそびれたことが残念)

 今、多摩の市議会も「過渡期」にあると思っていますが、議員全員がひとつの目標に向って「本気」になるというのはそう簡単ではありません。「議会改革」にしてみても温度差はあるし、なかなか難しいのが現実です。最近は「急がば回れ」だなと感じつつ、できることからやれればいいなと考えています。

投稿者 hisaka : 2003年07月20日

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