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2003年02月14日

記録映画の試写会で「住井すゑ」

 今度の6月に平和映画を上映する会のメンバーを中心にドキュメンタリー映画「住井すゑ百歳の人間宣言」の上映会を開催します。撮影監督の南さんとのつながりで、私も参加しています。今日は試写会だったのですが、約50人くらいの方が足を運んでくださいました。6月の上映会では2000人規模とイメージしているのでこれからチケットを広げなくてはならないという一仕事があります。 
 私はこの完成披露の試写会に行ったので、今日は2回目を観ましたが、住井すゑさんという人の凄みを感じさせられます。住井さんの作品といえば「橋のない川」ですが、彼女はこれを執筆し始めたのは、何と56歳の時だそうです。びっくりしてしまいます。そして亡くなる直前まで、ずっと書きつづけていました。彼女は小学校3年生の時に幸徳秋水の大逆事件を目の当たりにして、「幸徳の敵をとろう」と決めたと言います。「橋のない川」は彼女の感性に響いたこの事件をずっと追究してきたからこそ生まれたものです。「人間はみんな平等」というのは、今の私たち若い世代にとっては、改めて何を今更・・・・という感覚かもしれませんが、住井さんの生き抜いてきた時代に「平等」という言葉はなかったのかもしれません。彼女は死ぬ直前までも、彼女の言わんとする「平等」を獲得するために戦いつづけていた気がしました。
 ところで試写会に同伴していた学生は「住井すゑを知らなかった」そうです。私は住井さんは有名人だと思っていたのですが、それほどではないのかもしれません。けれどもこの映画を見て一言「衝撃を受けた」と言っていました。彼の一言にそれ以上のことは聞かなかったのですが、私たち世代がこの映画を見るとやっぱり「考えさせられる」し、衝撃を受けると思います。だから私は多くの人に、この映画を一度見てもらいたいと思っています。
 撮影監督の南さんは「住井さんは年をとっても、ずっと元気で自分自身の敵と戦いつづけていました。「生き甲斐」ということかもしれませんが、多摩市でも高齢化を迎えて50歳以上の人もどんどん増えてきますが、ぜひこの映画の住井さんを見て元気をもらって欲しい!」という趣旨の挨拶をなさいました。私も同感でした。いつまでたっても自分の立ち向かいたいものや生き甲斐を持ちながらの暮らしは本当に人を元気にすると思いました。
 終わった後で観客の一人と話しをしましたが、彼女も「住井さんを見ていたら、私も「やりたい」ことはあきらめたらいけないと思いました。」と感想を述べていらっしゃいました。
 人が絶対に超えられないものは「時間」。そして「時間の前に人はみんな平等」という住井さんの言葉は私の心に留まりつづける一語です。

投稿者 hisaka : 2003年02月14日

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