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2003年01月24日

物事には手続きが大事なんだ

 第一小学校の建替えワークショップも今日が最終回でした。2月2日の全体発表会に向けてのリハーサルや最後の意見交換でした。ワークショップは2月からは全体検討委員会として新たに先生、PTAチームと合体して再スタートします。
 発表会は大妻女子大の炭谷先生も話しをして下さるとのことです。炭谷先生とは昨年暮れのニュータウン学会でもお会いしましたが、多摩市で学校跡地を検討する市民委員会でも活躍中、さらには地域と学校を考える市民講座でもつい最近パネラーとして登場なさいました。実は彼は住んでいる八王子のニュータウンで寺子屋も主催しています。これは一種のコミュニティスクールとして地域の大人たちが運営しています。こんな取組みが多摩市でもできればいいなあと考えているので、示唆に富む話を期待しています。
 というのも、とにかく「ゆとり」を持つための週休2日制ですが、事態を聞いてみると、そのことにより授業のコマ数、こなさなくてはならない学習量とのバランスをとることが先生たちにとっても大きな課題となっているわけです。そんななかで学芸会、展覧会、運動会・・・といういわゆる‘行事’が危機にあります。子どもたちが読み書き以外で学習する機会、みんなで一緒に創りあげることの喜びを実感できる体験学習が減らされる傾向があります。つまり、そこをカバーできるのが地域だと思うのです。土曜日や日曜日に地域の才能豊かな人々が活躍できるのが地域の拠点である学校なのです。そして子どもたちに様々な経験を伝える場所に変わるのです。炭谷先生たちが松木小学校でやっているような地域の寺子屋は、今後の日本にとっては不可欠な存在に変わっていくように思います。
 ところで、今回の全体発表会のプログラムのなかで特に強調してもらいたいとして出た意見があります。それはワークショップという方法がどれだけ民主的に行なわれたのか・・・ということをぜひ会場に来た人に伝えてもらいたいという意見でした。実はこの発言をされた方は、初めワークショップに怪訝そうな顔を見せていたとの話ですが、今ではワークショップの良さを今回の会議を通じて一番実感されているようです。
その声に答えて、ワークショップを実際に会場でも体験してもらう時間を設けてあります。簡単な実演を行なうのですが、そこには設計事務所でワークショップの縁の下の力持ちだった若手社員の出番もあります。彼は実は第一小学校の卒業生です。2月2日は楽しみです。
 このワークショップがいかに民主的なものだったかと主張した老紳士ですが、彼は「物事には手続きが大事なんだ」と言います。結果を導くまでのどんな筋を通してきたのか、どんな手を打ってきたのかが問われるとおっしゃっていました。私はワークショップがどれほど民主的なのかについては、まだまだ疑問符です。というのもワークショップで出された意見を集約する作業、そこの力量がものすごく問われると思うからです。私は市民参加を呼びかけてワークショップを主催してきた教育委員会が今後どのようなかたちで市民からの提案を受けて実現しようとするのか?そこの説明責任、誠実さが鍵を握っていると考えています。結局は最終的な決断は悲しいかな予算とのバランスもあり、教育委員会で決定がなされるからです。けれどもその決定に至る過程で、市民サイドにどのような姿勢で臨むのか、ここがポイントになり、失敗成功をわけると思います。
 私はアリバイづくりの市民参加ならやらないほうがマシだと思っています。市民自治基本条例でもそうですが、市民が創ってきたものや考えてきたものを受けて行政がどんな風に最終結論を出していくのか?この部分をやはりきちんと説明していく必要があると思います。もちろん全て市民側が否定されることもあるかもしれませんが、それなりのきちんとした筋の通った理由が必要です。たいていの場合、納得できない理不尽さで市民参加をばっさり切り捨てることが多く、怒りを覚える市民たちが多いように感じます。そんな風にならないように「手続き」を大事にして欲しいです。 

投稿者 hisaka : 2003年01月24日

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