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2002年12月12日

遺伝子組換えイネ反対の請願が委員会で採択されました!

 うれしいニュースは今日の厚生産業常任委員会で生活クラブ生協を中心に取組んできた遺伝子組換えイネ反対の意見書の提出について採択されたことです。
 この除草剤耐性の遺伝子組換えイネは日本モンサント社と愛知県の農業総合試験場が共同開発をしていましたが、実は数日前、このイネの実用化のため厚生労働省に認可申請することを断念したとの発表がありました。つまり、今回この「祭り晴」と名づけられた遺伝子組換えイネの商品化は阻止できたので一安心できたわけです。けれどもまだまだ油断できない状況にはあります。いくら今回は見合わせたから・・・としても、また数年経って再度商品開発をされる恐れもあるのです。そのために念を押す意味でも多摩市から意見書を出し、食品の安全性の問題だけではなく、生態系への影響なども含めた広い視野で捉えて、遺伝子組換えへの反対表明をする必要があります。
 途中、「なぜ、反対をする意味はわかるけれども、国がまだ何の方針も出していないのに意見書を出す意味はわからない。」という委員からの発言もありましたが、無事に反対を表明する意見書を提出することは採択されたようです。確かに厚生労働省に対して商品化に向けた認可申請もしていないし(取り止めた)、なぜわざわざ、何も決まってもないのに賛成や反対を唱えるのかがわからない・・・という意見があるかおしれません。けれども遺伝子組換えをした食物が生まれること事態が遺憾なわけで、そういうものを商品化するという動きそのものを阻止したいというのが私たちの思いです。
 そもそもお米は余っている状態で減反減反・・・政策の中で進んでいると思います。なのになぜ、除草剤耐性イネを開発する必要があるのでしょうか?世界的に見ると、貧困、飢餓を抱える国のために・・・という説明がなされ、いかにも食糧不足を解決するために遺伝子組換えが正当化されているみたいですが、そんな主張が見とめられて言い訳がありません。なぜならば、除草剤こそはまかないかもしれないけれど、実は遺伝子組換えした作物の種子と農薬がセットになって食糧不足に悩む国に対して輸出されているのが現実だからです。こんなことをして富を得るのは誰でしょうか?本当に困っている人のためだとは思えません。
 私は食品の安全にも気を遣うのですが、よく「気にしすぎ、神経質すぎる」と言われることがあります。もちろん私も気にしたら、もう何も食べるものがなくなってしまう・・・・こともわかります。そんなことを考えている自分の置かれている状況は、見方を変えれば「貧しい」のだと思います。決して「豊かに生きている」とは言えません。農薬野菜などの問題、農業のありかた含めて、人間が自分自身の手で豊かになりたくてしてきたことが、実は本当の「豊かさ」を捨ててしまっていたことを、ようやく痛みとなって感じ始めた時代・・・私はそこに身を置いているわけです。
 どちらにしても意見書提出が採択されたことはうれしいことです。主食のお米にまで遺伝子操作が及んでしまうことの恐ろしさ・・・恐ろしいことが目に見えた時には手遅れなのです。「やってみないとわからない」ということが通用する世界と通用しない世界・・・すべて想像力かもしれません。私たちは未来を想像しなくてはなりません。その時に本当にこの世に存在しなかったモノを作り出したことがいいのか悪いのか・・・判断しなくてはならないのです。遺伝子を操作することの恐怖が明らかにされ、表面化された時には手遅れなのです。この恐怖をどれだけ今、生きている人たちが想像しきれるのか・・・このことが遺伝子組換え阻止へとつながっていくと思うのです。
 さて、今日は午後からドットジェイピーという学生が中心で政治家のインターンシップなどを行なっているNPOからの取材を受けました。メールマガジンの取材でした。取材に来てくれた学生に言われました。「すごい、フツーですね。」・・・この一言にものすごい喜びを覚えました。

投稿者 hisaka : 2002年12月12日

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