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2005年06月03日

若い人たちが求めること

 ニュータウン地域の賃貸住宅には空家が目立つということを指摘していた議員がいました。これは議員の独自調査に基づくため、全ニュータウン地域を対象にした正確なデータであるかどうかはわかりませんが、場所によっては未入居が目立つ地域があるのだと思います。
 実はニュータウン地域の旧公団賃貸住宅の空家状況について把握するためにデータを求めたことがありますが、入手することができないのです。仮に調査していないとしても、調べることは簡単にできるはずですし、結果も示せると思うわけですが、旧公団は情報開示には消極的です。今日の質問に際して議員が要求した資料にも「調査がない」という回答だったようですが、多摩市として旧公団に要請しても資料が提供されなかったと考えられます。
 旧公団、現在の都市機構の体質は旧来のまま温存されています。ニュータウン地域内にある都市機構所有の空き地の売却問題にしてもそうですが、都市機構にとっては、ここで暮している住民、行政も含む「多摩市」のことは二の次、三の次でしかないのです。残念ながら…当然ながら、都市機構の体質改善に一自治体の力は及ばないのが現実です。

 ところで、今日の質問者は旧公団の空家を若者対策として家賃軽減していくように要請すべきとの指摘をしていました。若年層にはフリーターが増加しており、生活保障の観点からも低家賃で入居できる住宅の確保が課題であるというのです。そうすることにより若い人たちに魅力的な住宅都市にしていけると言うのです。しかし、本当にそうでしょうか・・・。低家賃だけを魅力として若者が多摩市に移動してくるとは思えません。
 そもそも、「フリーター」として一括りにして語られますが、自ら選んでフリーターをしている人もいれば、やむを得ずフリーターをしている人もいます。役者をしている友人はフリーターという働き方を選んで舞台づくりをしています。その点からすれば、フリーターでも入居できる低家賃の住居も必要かもしれません。しかし、私たちにとって深刻なことは「雇用の場」がないことです。私たち若い世代は働く場所を必要としています。確かに家賃は安いに越したことはありませんが、「フリーター」という働き方を前提にした低家賃住宅の確保をする前に、何よりも重要なことは「働く場所」の確保です。
 働く場所を確保し、住宅もある…安定した雇用環境があれば、それに伴って税収基盤も確保されていくわけです。魅力ある住宅都市になるためには多摩市に若年層の雇用機会をまずは増やすことが必要です。今の若い世代は男女ともに「子育ても仕事も」という意識があります。職住近接で暮らすことのできる‘まち’にしていきたいなと思うものの、雇用確保に向けた対策が思うように進まないのが現実です。まずは雇用の場、そして住宅…と整備されれば、多摩市は子育て世代にとってはかなり魅力ある自治体になると感じます。「保育行政」の分野では多摩市の評判は近隣に比べるとかなり高得点であることを生かしたいものです。

投稿者 hisaka : 2005年06月03日

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