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2005年02月23日

若い人の仕事探しは自分探し

 若い人たちの定職率が低く、また雇用環境も厳しいと言う話、フリーターの増加と近頃よく耳にする「ニート」の存在など、社会問題として語られています。29歳以下を対象にしたヤングハローワークは平成13年度に開設された新しい機関です。先日、ベルブ永山にも府中ハローワークのブランチとして「永山ワークプラザ」がオープンしましたが、公共職業安定所も生き残りをかけた組織改革をしているように感じます。
 今日はヤングハローワークを訪問しました。ヤングハローワークは渋谷の駅から徒歩ですぐでしたが、看板もそれほど目立たず、ビルの中に入りこみわかりずらい場所ありました。にも関わらず、相談コーナーから求人閲覧コーナーなどなどフロア全体に若い人がひしめいており、びっくりしました。
 
 さて、予め知人を通じてヤングハローワークの職員の方と2時間弱話をしました。ハローワークでは利用登録が必要なので、その登録者の情況を中心に話を聞きました。利用者は25歳前後で未婚者が多くなっています。その中で男女とも短大、大学、大学院を卒業している人が約6割という実態です。担当者の目から見て驚いていることは、足を運ぶ人の「希望職種」についてです。なぜならば、最終学歴から考えても、何らかの専門分野を持っていそうなものの、調査によると「希望職種不明」と答える人が男性約5割、女性約3割も存在するからです。この実態に非常に悩ましく、ハローワークでの就職支援もなかなか難しいそうです。ちなみに希望職種で最も多いのは「美術家、デザイナー、写真家」が男女とも第一位です。専門学校を卒業し、一定のスキルを身につけている人たちとのことですが、中には畑違いの分野で大学を卒業した経歴を持つ人が多く存在しているとの話です。

 何しろ希望職種がわからない人が半分もいるという実態に即して、ヤングハローワークではカウンセリングに力を入れており、臨床心理士が悩みの相談を受けつけるカウンセリングルームを設けています。また職業相談のブースは9ヵ所あり、まずは利用者との「自分探し」にも時間をかけるようです。
 大学時代の就職活動の経験を思い出しても、就職と自己実現がものすごく意識された就職講座があり、自己発見セミナー的なものがやたらと開催されていた記憶があります。ヤングハローワークのパンフレットにも「自分探し」が「仕事探し」よりも強調されて明記されており、若い世代にとっては「自己発見」が仕事探しよりも重大なテーマになっていることがわかります。それがハローワークの業務になっていることに違和感はあるものの、ヤングハローワークの機能として欠かせない理由もわかる気がしました。

 この状況がどうやったら改善されるのかについて、やはり中学校や高校での職場体験が必要ではないかとの話でした。多摩市の中学校でも総合学習などで職場体験を実施しているところもありますが、「職業観」を身につけるような教育プログラムが求められていることを感じました。

 「でも、結局は自分がしっかりしていることで仕事の良いも悪いも決まってくるんだよね、最終的には自分なんだよ。」ヤングハローワークの担当者が何人もの若者と出会っていた経験から最後に語った一言は非常に重みのある言葉でした。

投稿者 hisaka : 2005年02月23日

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