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2005年01月17日

若者の政治参加をどうしたらいい?

 アメリカの地方議員や地方政治に関わっている同世代の方々と交流する機会を持ちました。アメリカの地方制度や選挙の仕組みなどは日本とは異なる部分があるようですが、しかし「若い人たちの投票率が低い」ことは大きな課題だそうです。「どうやって若者の政治参加を広げていけばいいのか、いい知恵はありませんか?」と逆に日本の私たちに質問が寄せられました。それは私たちにとっても悩ましい課題です。むしろ私の中では、アメリカの選挙戦は派手なパフォーマンスがあり、若い人たちが参加をして活気溢れるイメージだったので意外さを覚えました。しかもアメリカと言えば、納税者意識が高い人たちが多く、その点からは政治に積極的にアプローチする人も多そうですし、若い人たちも政治に関心が高そうです。また政治教育プログラムも日本に比べれば進んでおり、模擬投票などの取組みにも積極的です。そのアメリカでさえ、若者の政治参加が大きな課題と聞くと日本では一体どうしていったらいいものかと感じます。

 特に政治教育というのはメディアリテラシーの問題とも深く関わる非常に重要ですが、日本では未発達で発展途上の分野です。「政治」を学ぶことなく、いきなり二十歳になればが選挙権が付与されてしまうのが日本の現状だと言えます。日本の教育現場では政治に対して一人一人がどのようにアプローチできるのかを学ぶ機会、学ぶ場所がありません。「政治を学ぶ=特定の政治イデオロギーを学ぶ」ではないはずですが、確かに、教育の中に取り入れる時に慎重さが求められます。そのためなのか「政治教育」の分野が惰弱であり、若い世代であるほど選挙権を行使することに対する自覚が軽薄なことは事実です。それにしても教育プログラムと若者の政治参加がどう関連しているのかについて以前から関心を持っており、アメリカのことには興味があったのですが、実際のアメリカの議員から語られた現状は伝え聞いていた事実とは異なりました。日本の私たちと同じ悩みを共有していることには驚きさえ感じたのでした。

 海を越えて同様の悩みを抱えているということを知り、ぜひとも共に問題解決の道筋を考えることが出来たら面白いなと思ったのですが、いかんせん通訳を介してしか会話できないもどかしさがあり、円滑なコミュニケーションができない残念さが今日の交流会における私の最大の思い出になりそうです。

投稿者 hisaka : 2005年01月17日

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