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2004年06月18日

事実に対して誠実に。

 昨日は最終日を前に会派での打合せをしましたが、とても頭が痛い問題が出てきて、会派としての対応を含めてバタバタとしていました。
 また、昨日は緊急で代表者会議が開催され、今日は朝の9時から議会運営委員会が召集されました。事の発端は新聞報道の通り、議員の政治倫理をめぐる問題についてです。一昨日の議会運営委員会開催当日に新聞報道で明らかにされ、その限りにおいては議会としての早急な対応が求められるということで、代表者会議、議会運営委員会が招集されたのでした。
 もともと、この一件については、第一報で新聞報道される前から代表者会議では問題性があるとして話題に上がり、対応を協議していたところです。代表者会議は原則非公開ですが、委員の合意があれば公開することができます。最近はほとんど公開で開催されているため、一報を掲載した新聞社の記者がどこからかこの情報をキャッチして、代表者会議の傍聴をしたようです。それを踏まえて新聞記事となってしまいました。とても大きな記事になっていて、私は「このこと知ってる?」と教えられた時には、一瞬、声が出ませんでした。

 このような経緯を踏まえて、議会内での問題として対応できる問題から、市民を巻きこむ問題となってしまったのです。少々混乱もしながら、この事態に議会としてどのような対応をするのかが迫られたのです。今朝の朝刊では他の3紙もこの一件を掲載しています。当初は、代表者会議を中心に事の真相を明らかにして、今後同じようなことが起きないようにとする対応もできたのかもしれませんが、ここまでになると、それだけでは全く不十分と言う結論になり、今日の議会最終日、調査特別委員会が設置されることになりました。

 本会議1時間前から議会運営委員会が招集され、10時より約一時間で予定されていた本会議最終日の日程を終了、その後再び議会運営委員会を開き、対応の協議をしました。

 事態の当事者の立場からは報道が全く真実とは異なるとの発言がありましたが、私自身は真実とはその当事者にしかわからないことだと思っています。いくら弁明しても、釈明したとしても事の真相にある人の気持ちの部分まで明らかにするのはかなり難しいと考えるからです。報道によれば「接待を受けたつもりはない」などのコメントも掲載されていましたが、事実関係だけを押さえれば「接待」にあたるとも思われる行為が存在したわけで、そこには弁解の余地がありません。
 仮に、新聞報道には真実が掲載されず、読者に誤解を招くようなことがあったとしても、事実関係に誤りの記述がされていたとはとうてい考えにくく、私は真実がどうあれ、まずは事実関係を再度議会として調査をし、「またもや議員は…、やっぱり議員は…そして多摩の市議会は…」と市民に招いた不信感を拭えるような対応をしたいと考えました。

 正直に言って、ここまで大きな問題になるとは考えておらず、真実とは異なっていると主張する当事者の立場を理解するのならば、別の形での対応もできるかもしれないと思っていました。別に市民にわからないところで事の処理をしてしまうということではありません。慎重に行動をすべきという部分では、逆に、議員全員が再確認し自覚できる機会にもなり、また、真実がどうあるのか…という点でも「言った」「言わない」(「頼んだ」「頼まれた」みたいな)の議論になれば、録音テープでもなければ実証できないという部分もあります。当事者しかわからないこともあるわけで、調査特別委員会などの設置までして、明らかにできることの限界も感じましたし、代表者会議での対応により事態が鎮まることがベターであると思っていたからです。
 しかし、真実の部分を議会内でまず理解できる段階、理解し合えるに至る前に、新聞報道がされてしまい、私自身も戸惑いを覚えました。この事態について、議会としても市民への説明責任が問われるからです。多摩市の政治への不信感を招いている事態に議会として静観することはなりません。政治倫理条例もあります。
 それらを踏まえて、会派としても2日間悩みましたが、結果的には調査特別委員会の設置ということで他会派との足並みをそろえることにしました。

 議会最終日と言うことも忘れてしまうほど、今日の一日は議会運営委員会や代表者会議が入れ替わりで開催され、今回の事態への対応に終始した一日でした。こんなに疲れる一日が最終日に訪れるとは思っていませんでした。議会の最終日は終われば晴れやかな気持ちになるのに、今日は重苦しい気持ちでいっぱいでした。

投稿者 hisaka : 2004年06月18日

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