« 30年間育ちすぎた松の木 | メイン | 「出来る範囲でやれること」 »

2003年11月19日

12月議会に向けての議案説明

 議会が迫っていることを感じさせる会派説明がありました。12月議会は盛りだくさんです。なにしろ行財政診断白書に基づくアクションプランについて素案が示される予定で、そして予想通りに自治基本条例も提案されるようです。

 今回の議案の中では国民健康保険税の税率を引き上げることが最も重い話題のような気がします。なんと今日の説明では今年度の国民健康保険特別会計への一般会計からの繰出金(本来は特別会計は特別会計内で収支を完結させなければならないのですが、どうしても支出が膨らんでしまうので、一般会計の中から赤字補填をするというわけです。)が約19億円にものぼる見込みです。
 聞いてみれば、国民健康保険の加入者は増加傾向です。不況やまたは高齢化によって今後も加入者は右肩上がりになることは予測できます。そして国民健康保険への加入者には低所得者層が多いと言われていて、負担する個人の保険料計算において目安となる所得階層の分類においても所得2百万円以下という市民が約4分の3を占めるとの説明でした(また、このうち所得0で計算されている人だけに注目すると全体の4分の1)。
 国民健康保険の制度はいわばセーフティネットなわけですが、現行制度の中ではますます自治体財政を圧迫するような構造しか生まれないのが現状です。確かに一般会計からの繰出金についても「国民健康保険の加入者は低所得者が多いわけなので繰出しについては一定の理解を得られるだろう。」との意見もあるわけですが、この意見には素直に賛成はできません。民間企業で働いているサラリーマンなどの不公平感を考慮するからです。
 まあ、税率を値上げするも、繰出しを増やすにしてもどちらにしても厳しい話です。繰出しが増加する=一般の行政サービスの低下を招くのは必至だからです。むしろ私自身は一般会計だって先行きが行き詰っているのに繰出金を容認するほうがいかがなものかと考えています。それに今回の値上げをしたところで試算をしても、とうてい繰出しの削減に貢献するような収入増にはつながりません。
 どちらも市民生活に大きく関わる部分ですが、「税率値上げ」をするほうが『悪』でまるで鬼のような言われ方をすることも多く、非常に苦しい立場です。どちらのほうがよりベターかということでの選択にすぎず、メリットデメリットがどちらの選択肢にも存在していることをきちんと説明する責任を持つのが議会であると考えています。
 
 そしてもう一つ。来年度から「子ども青年部」というのが新たに設置される運びとなりました。ここは歓迎すべきところですが、部が増えると言うことは部長ポストが一つ増えることになります。これに対しては「今はスリム化の時代なんですがねえ・・・」という質問が飛びました。

 それにしても今日の会派説明で感じたことですが、本来なら恐らく「自治基本条例」が今回の提出議案の中でも目玉になるもののはずなのに、説明を受けた議員側から一つたりとも質問が出なかった(もちろん私も含めて)ことについて、行政側はどんな感想を持ったでしょうか。
 とにかく12月議会も淡々と議事進行が進んでいくだけの一筋縄では行かないだろうなと予感だけしています。

投稿者 hisaka : 2003年11月19日

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
/537