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2003年08月08日

参考人を招致!

 総務常任委員会で参考人を招きました。調査案件は「(仮称)市民自治基本条例について」。市民提言案をつくった「つくる会」(通称)の代表と副代表の方から、提言案完成までの経緯と提言された多摩市市民自治基本条例案の説明を受けた後に、議員側より質問をする形式で行われました。

 議員になるなんて思ってなかった私がある日の広報で、この市民ワークショップ「つくる会」の存在を知り、ちょうど市長とのパートナーシップ協定締結という記念すベき日から参加を始めました。「すっごーい、今どきの市民参加って、こんな協定まで結ぶんだなあ。」とそれまでは、どちらかとイメージ的には市民はいつも行政と対立しているという意識の方が先立っていたので、その新鮮さにまず驚いたことが、とても懐かしく思い出されます。そして参加をして、一番印象的だったのは「条例は‘議会’を通らなくてはいけないんだ。」という発言がワークショップの中で度々あったことでした。
 そのときに私は「えっ…市民は議会と対立するの?」なんて思ったものでした。それまで私は多摩市の政治なんて全く関心がないというよりは、関心を持つきっかけもなく、どちらかというと「よく知らない。まあいいや。」と市議会は、自分の視野に引っかからない存在でした。でも「つくる会」に参加をして、「市民が議会にお願いをする」という表現を聞くたびに、ものすごく違和感を感じたものでした。
 つまり、「こういう内容は議員からは嫌われるのではないか?」というのが焦点になりながら、議員への配慮もしながら、内容を組立ててきた経緯があるのです。「理想ばかり言えない現実」を抱えながら、市民提言案はつくられてきたし、最大限の力を尽くして、「つくる会」に参加した市民全員の意見を集約してきたと思います。

 と、私はある程度「つくる会」に参加をして経験をした部分がありましたが、改めて「提言案」の完成報告会に使ったパワーポイントで、代表からの説明を受け、市民ワークシップ「つくる会」に参加をしていた市民たちの熱意を思い出しました。
 私は条例案の内容というよりは「なぜパートナーシップ協定を結ぶ必要があったのか?」を再確認する意味でも聞きました。実は、多摩市の第四次総合計画を策定する際にも市民ワークショップ形式を用いています。そこでも同様に「提言案」が発表されたわけですが、何と完成した総合計画には提言集に盛り込まれていた意見がほとんど採用されておらず、「本当に市民の意見をに耳を貸しているのか?」「ガス抜き、アリバイづくりの市民参加だったのか。」と参加をした市民たちはものすごい脱力感に襲われたと聞いています。だからこそのパートナーシップ協定なのです。提言案を加筆修正する時には、市長のしかるべき説明責任を果たす必要があります。「市民案を最大限尊重する。」という協定の言葉にはとても重みがありました。

 議員側とのやりとりが続いた最後で、代表がこうおっしゃいました。「前市長は『まだまだ法律のしばりが厳しい地方分権。でも、市民自治基本条例を制定し、そのことが法律を変えていくような突破口を開いていくかもしれない。』と言ってくれて、そのことが本当に夢を持たせてくれた。だから頑張れたんです。」…「これを創ったら、新しい時代が本当に来るなあ。」という夢とか希望が一年以上100回ほどの会合を重ねてきた原動力になったそうです。
 この事実を「幻想です!」と切り捨てることは出来ないでしょう。8月23日に、市長からの「つくる会」に対する説明が行われる予定です。「つくる会」は市長と対立するつもりはありません。ただ、市民提言案をどう受けとめ、理解し、そして少し変貌したと感じられる行政素案へとつなげていったのか…について納得できる説明が欲しいと待ち望んでいます。

 そして今日「このように議会にお招き下さって本当に感謝しています。議会との協働の第一歩なのかなあと感じています。」と参考人側からの感謝が心こめて丁寧に述べられました。みんなで少しずつ変わり始めているのではないか?これが私の感想でした。

投稿者 hisaka : 2003年08月08日

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