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2003年06月21日

公益法人の改革やら・・・・。

  昨日NPOセンターで公益法人改革に関する学習会があることを知り、これは行くべし…と参加しました。公益法人改革オンブズマンの浜辺哲也氏に話を聞くことが出来ました。
 公益法人の改革は、役人の天下り問題、補助金依存、不祥事問題を解決するためにスタートしたのですが、そのうちにNPO法人や中間法人なども含まれ、いわゆる非営利セクター全般の改革の様相を帯びてきたのです。この改革の行く末には宗教法人、学校法人、社会福祉法人にも原則課税していきたいとの思惑がちらついているとの話でした。私も新聞報道でNPO法人が含まれることに意義があったのですが、今日の話を聞くと、一体何のための改革をしていくのかという疑問が増幅しました。
 改革では新しく非営利法人が創設され、今までのような行政の許可や認証をとらずに法人設立出来るのですが、法人所得が原則課税となります。つまりNPOでいうならば、寄附金や会費、行政からの受託事業の収入などすべてに課税されることになるのです。寄附金や会費収入を非課税にしてもらうことができますが、そのときには「公益性を有する非営利法人」に該当するかしないかの判断を仰ぐ必要があるのです。この判断は独立した主体によって行うこととなっていますが、『官製』の独立機関というのはどうも怪しいなと思ってしまいます。特にNPOは市民の必要性により生まれる活動主体です。言ってみれば官側から、その必要性の判断や、公益性の判断をしてもらうには及ばないと思うわけです。
 新聞などでさらっと読めば「独立した判断主体」が創設されるなら問題はないように感じるのですが、官主導で設立されるという部分にはやはり恐さがあります。行政の影響を受けない市民の評価機関を設立するつもりがあればいいのですが。公益法人改革の動きには目が離せなそうです。

 意見交換で、NPO活動をしている人たちの声を聞くことが出来ましたが、行政から事業委託されることはとてもありがたいけれど、「やればやるほど赤字になる」と言います。「いろいろな意味で(例えば、行政側から提示された委託料を見ると民間事業者は採算の合わなさに引き受けないことがわかるなど)他にやれる人がいないなら、やるしかない!」と腹を括るそうですが、赤字覚悟で活動している実態を行政はどのように受けとめているのだろうと思います。

 もし公益法人改革の中にNPOがとりこまれていけば、行政からの委託料までも収入に換算されていきます。そして課税されるとなれば、ますますNPOは苦しくなることは容易に想像できます。新しい社会の担い手として市民力、特にNPO活動が注目されているわけですが、何のために市民の力を生かすのかを見据えているのだろうか、未来図をどんな風に描いているのかと疑問になってしまいます。

投稿者 hisaka : 2003年06月21日

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