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2003年05月18日

少しずつ変わってきている‘まち’

 身体障害者協会の総会に参加しました。37回目の総会ということは、つまり37年間も活動をしてきたわけで、私はいつも自分よりも歴史の長い活動に出会うたびに、どんなことでも生みの苦しみがあるとすれば、私たちの世代は設立することの苦しみを味わう必要がない分、次にどうつなげていくかと課せられている責任は重いということを感じます。ある程度のベースが存在することに感謝しつつも、多くの場合、組織の硬直化が課題になっており、それをどう克服していけるかが大きな問題だからです。
 今日も会長さんは「会員も随分と高齢化を迎えていて、世代の交代が課題」と述べられていましたが、まったくその通りだと思います。総会に参加している人たちは年配の方がほとんどでした。若い会員を増やそうとしてもなかなか難しいと言うのは、今、市民運動なるもの全般が抱えている悩みの種でもあるなあと思いながら総会での話しを聞いていました。
 
 身体障害者協会は市役所、総合福祉センターの売店「ひまわり」を開設しています。去年10月にようやく労災に加入して、ようやく雇用者の安心をつくることが出来たと言います。昨日のNPO法人の総会でもそうでしたが、何十年間かけてようやく働く人たちの権利をきちんと制度として守れるように環境整備がなされたのです。障害者の方の働く場や、半ばボランティア的に労働している(団体が多い)非営利の市民活動などが抱える問題の第一には雇用環境の充実をどうはかるのかが課題であると感じました。市内には例えば作業所などもありますが、どんな状況にあるのかを調べてみる必要があります。

 会長さんは外出の時に一番気になるのは『トイレ』だといいます。使いやすいトイレがあるかどうかが真っ先に知りたいことだそうです。会長さんの話では、桜ヶ丘にある京王デパートは最近トイレがものすごくきれいにリニューアルされていますが、このトイレの改装の際に身体障害者協会として協力したといいます。実際に車イス使用者の使い勝手を調査してから、そのニーズに応えるためであり、企業側のありかたも変化している証拠です。障害者用のトイレがあっても、実はものすごく使いにくいところが多いのは問題にされるところです。私たちもバリアチェックといって、視覚障害者や身体障害者の方と‘まち’を歩きますが、そのときに思うことはやはり当事者の声を聞かないで、ただ単にバリアフリーを作ったということです。以前の話では、例えば駅の階段てすりで、点字が上り線下り線が逆に表示されていたという驚くべき事実もありました。

 以前に比べれば、まちのバリアフリーも進んできたように思いますが、私自身が実感するのではなく、実際に当事者の方々がどう感じるかが一番大事です。永山駅周辺も改修工事がされたわけですが、一度、駅前のバリアチェックもしてみる必要がありそうです。私は障害を持つ人が道の真中を歩けるようになっているかどうか?をいつも気にして見ることにしています。これは私の父がつねに言うことなのですが、例えば、その視点を持ってまちを眺めてみると、永山の駅前も多摩センターの駅前もスロープも端の方にあるし、点字ブロックも一番遠回りに設置してあるように感じます。
 でもいくらハードが整備されても、やはり心のバリアフリーが一番大切で、一番必要とされているものでしょう。会長さんは‘まち’はずいぶんと変わってきて、京王デパートの例もあるし、20代の若いカップルがそっと自分の車イスを押してくれた話なども披露して下さいました。「何となく、手助けしてもいいのかな?悪いのかな?」そんな思いを持ちながら手を貸しそびれてしまう・・・・こんな状況って多いように思います。その意味では思いを素直に表現出来るような社会がやっぱり必要かなって感じています。

投稿者 hisaka : 2003年05月18日

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