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2002年09月27日

今年のひとこと提案は?

 ネットがメンバーの生活クラブ運動グループでは「ひとこと提案」という活動をしています。これは日頃から感じている疑問点、意見などを市民から集めるものです。一軒一軒アンケート用紙を持って協力のお願いをするのはもちろんですが、6月議会報告を掲載した新聞折りこみのネットニュースにもハガキをつけて募集をしました。それから生活クラブ生協の組合員の方々にも協力してもらっています。
 これらの声を集めて来年度の予算要望として提言書をまとめます。今日は第1回目の集約会議でした。今年はテーマを「公共施設」にしました。というのも多摩市はハード面でみれば施設が充実しているけれど、例えば職員の対応などを含めたソフト面ではまだまだ改善の余地があると思われるからでした。例えば児童館などは日曜日も開館してもらいたいとの要望もあり、コミュニティ館は一部の人が占拠している気がする・・・という声もあります。そのような市民の不満も含め、今後よりよい公共施設運営をするための提案をすることが、「ひとこと提案」の最終目標です。
 けれども市民の意見とは公共施設には限りません。集まった提案は違法駐輪、年金、介護保険、住基ネット、教育、ミニバス、保育所、幼稚園などなど様々です。今日は環境問題を提起してくれた方が集まってくれたので「環境」をテーマとして話合いをしました。もちろん「環境」の分野も幅広いので、話をしてもなかなか一つに纏めることは難しく、結局は意見交換に終わってしまいましたが、目新しい話を聞くことが出来ました。
 それは「ミチゲーション」というものです。都市開発などの時、アメリカで使われている手法のひとつだそうです。(1)回避(2)縮小(3)代償の3つの視点を採用しながら(A)これ以上悪くしない(B)もっと良くするという2つの方向性を考えて、要するに「持続可能な発展」の方向性をを導き出すのです。ミチゲーションには決まった手法はなく、住民との対話によってその方策が見出されるので、大成功する例もあれば全くの大失敗もあります。だから「危険な手法」と言うことです。というのも「いい」とか「悪い」とかには客観的な判断が必要だからで、それは人によってそれぞれ違うため、ある一定の指標を数値化しておかなくては、時と場合で導き出される方向性が全く正反対です。例えば全体的な方向性としては環境保全なのに、個別的に見れば開発奨励の場合もあります。でもこれは矛盾でもなんでもなく「経済」という切り口から見ると、開発そのものを否定することはできません。つまりミチゲーションの手法を上手く用いれば、まずは、開発地区周辺の住民と開発事業者との協議の中から双方が納得のいく結論を出す可能性は十分にあるわけです。
 この話はニュータウン全体の未利用地問題にも適応していけるものではないかという提案です。要は未利用地に豊かな緑が残されている場所もあります。残された自然をいかにして保存するのか?どれだけの「みどり」があれば十分と言えるのかをトータル的に考えないといけないという意見です。例えばミチゲーションをしても、ある区域で100本の木の伐採をやめて10本だけにしたとしても、そういう場所が10ヵ所になればトータルで考えれば100本の木が失われるわけです。あとは目から鱗と言うか、ニュータウンは緑が多いけれど、それのほとんどは手入れが必要で、結局ゴミを出す・・・・という意見です。剪定にも莫大なお金がかかっています。つまり何がいいのか?どうしたいのか?これについて市全体としての考え方をただ一言で「みどりの保全と維持」と言うわけではなく具体的にしていく必要があるだろうとの厳しい意見でした。
 最終的には「私たちにできること」がたくさんあるよね・・・という結論を共有化しました。でもやはり「きっかけ」が必要なんだろうなと痛感しました。というのも今日、ミチゲーションの話をしてくださった方はとても「みどり」には関心があり、勉強をされているようでしたが、これまでは行政との関わりがほとんど皆無だったからです。実は行政でも様々な市民に対するイベントや講座を行っているので、やはりそういう場所にどんどん参加をして行政と意見を交換することって大切なのではないか?という話をしました。そして来週の土曜日の「大栗川を考える会」市民ワークショップにお誘いしました。「ぜひ参加したいです」との返事をもらいました。人との出会いが輪を広げていくなあということを実感して、うれしい気持ちになりました。

投稿者 hisaka : 2002年09月27日

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