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2002年09月15日

バリアフリーのまちづくり

 昨日と今日との2日間で開催されているNPOフォーラムに参加しました。土日や休日は何かと催しがあるので、今日は一日休日にしようかな…ともチラリ頭によぎったのですが、「まちづくり」をテーマに港北ニュータウン、千葉ニュータウンからもパネリストが来るということだったので楽しみに参加しました。 
 予想はしていたものの、参加者は多くは無かったけれど、本当に話を聞きたい人だけが集まっていた分熱心な雰囲気がありました。バリアフリーというとハードな面で、例えば車イスの方が通行しやすいように段差を無くした通路をつくるということはもちろんですが、何よりも見えないバリアフリー、人々の心の垣根(ソフト)をいかにして低くしていくのかが一番の課題です。つまり「まちづくり」というのは人々の暮すエリアをどうやって快適な心地よい空間を創り出せるかなので、そういう意味では他人同士がひしめき合う空間は心が通わないと、どんなに設備が整っていても、街並みが美しくても‘まち’が生きていない時もあるわけです。多摩ニュータウンは、そもそも設備だけが用意された‘まち’としては生命のないところに、たくさんの人が移住してきたので、その人々がどうやって色づけをしていくのか?が‘まち’として一番の課題であるし、そこがここの魅力にも変わります。これまではいわゆる会社人間だった方々がそろそろ引退を迎え、ニュータウンに帰ってきつつある今、彼らの力も加わり、ニュータウンの新しい息吹が生み出されているのかな?というのが私の見方です。
 NPOフォーラムのシンポジウムに話を戻しますが、港北ニュータウン、千葉ニュータウンと多摩ニュータウンではそれぞれの特性もありながら共通して抱える課題もあると話していました。この3つのニュータウンでは3NT交流会というのを国土交通省の音頭で開催してきましたが、今はその交流会も存続の危機にあるようでした。私は3つのニュータウンはもちろん造成された目的は同じかもしれないけれど、地形も違えば、歴史も違う、つまり住んでいる人の顔が全く違うので、そう単純に比較はできないな…と思うわけですが、やはり、建替え問題や高齢化の問題は共通化出来ると感じます。これらの問題をどう乗り越えていくのか?その中で自分たち自身で解決出来ること、そして行政に手助けをもらうことをまとめて提言書でも出せばいいのに…と思いました。
 シンポジストから「行政と市民間のバリアフリー」という話がありましたが、それこそ私は「市民と議会間のバリアフリー」のことをもう少し聞きたい気がしました。質問をしましたが、時間もなく回答が満足にしてもらえなかったのが残念でした。いわゆる市民活動などの団体は対行政…との構図の中で、行政の身動きが悪いとか、市民に対して情報公開しない…などなど苦情も聞こえて来るわけですが、その中に『議会』ひいては『議員』の姿がどこにも見えないのはとても不思議です。それはそれで別にいいわけですが、彼らは議員や議会という場所をどう位置づけて活動をしているのかな?というのには関心があります。それは、決して自分たち自身で解決出来る問題だからといって『議会』の役割が不要だとは言い切れないこともあると思うからです。だから、市民自治の道具としての制度(市民自治基本条例)が必要になってきたんだろうなと思うわけです。行政と市民、そして議会の役割を明記した条例があるとわかりやすくなるんだろうなと。

投稿者 hisaka : 2002年09月15日

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