「変わり目」をどう超えていくか。

多摩市立中学校PTA連合会(中P連)の評議員会があると情報をいただき、「よかったら、見学できます」とお声もかけてくださったご縁もあり、足を運んできました。娘の小学校時代にはPTAの役員も経験したことはありますが、こうした場に参加には妙な遠慮の意識が働き、存在は知っていても(小学校の場合には小学校PTA連合会「小P連」)参加したこともなく、今日の初参加はなんか、ちょっと緊張しました。知り合いがいたので、「え、どうしたの?」と驚かれましたが、私としてはホッとしました。

中P連は1972年に設立されていることからもわかりますが、実に歴史ある活動です(おそらく、小P連も)。ある意味で、伝統が脈々とつながっているとも言えます。何というか昭和っぽい?イメージがあるのは、多摩市のPTA連合会の上部団体には東京都全体の、そのまた上には全国の…があるからかもしれませんが、縦社会の名残もきちんと継続されているような印象があります。

かつてはPTA活動が盛んであって、保護者パワーもあり、もちろんこうした連合会の活動も幅広く活動がされていたことと思います。しかし、やはり、世の流れ、社会状況の変化…今は時代も「令和」…時代や取り巻く環境が何せ様変わりしています。そういう意味では、従来を踏襲しているだけでは成り立ちませんし、どんどん進化するというか、脱皮して脱皮して、成長していき…「今にあったかたち」を模索しなければならないのだと思っています。そして、たぶん、時代時代ごとにいろんな節目もあって、おそらく今、…何度目かの変わり目にあるように感じたひとときでした。

今日の総会では、たまたま、2011年ごろから中P連を支えていくために発足していたOB・OG組織が「解散」となったことも報告されたからかもしれません。なので、より一層、「変わり目」のタイミングを感じた気がします。OB・OG組織の代表の方からも挨拶がなされ、PTAに対する想いなどが語られ、最後は出席されていた各中学校の副校長先生に向けて「よろしくお願いします」と。最後には、現役世代からOGのみなさんへの花束贈呈もされたりと…ちょっと心温まる場面がありました。一緒に拍手を送らせていただき、労いの気持ちを少しだけお伝えできたこともありがたいことでした。

 

さて、総会の冒頭で落合中学校(会長は輪番制で昨年度は落合中が担当)の校長先生が「管理職として仕事をするようになってから、PTAとの関りが深くなり、その活動の意義を一層感じられるようになった」という趣旨のお話しをされていましたが、その一方、「コロナもあって、PTAの在り方も変化を余儀なくされているし、新しいかたちが求められている」とおっしゃっていました。

やっぱり「コロナ」。

コロナが私たちにもたらした変化というのか、影響はいろんな形で表出してくるものだなと考えさせられました。中P連の活動の場合にも、4年ぶりに何とか元の活動に近づけられ、何とか軌道にのせてやってきたものの、手探りの中で進めてこられたような気もしました。なぜなら、考えてもみれば、中学校の場合、3年間という期間しかないので、あっという間というか‥‥その間ずっと「コロナ対策」に覆われた学校生活を送ってきた学年もあったことを思うと、PTAの活動についても「継続していく」こと自体に難があったこと…容易に想像できるからです。コロナ最中にはPTA活動は休止状態に追い込まれていたわけで、その現実を受け入れながら、進んでいたわけですからね。うちの娘の場合を考えても、高校3年間がコロナに覆われていましたので、PTAの活動などほとんどやってもいませんでしたし、無くても何とかなっていたのもまた事実だったりで。

 

ということで話を戻せば、中P連の活動もそうした状態の中で組織としては継続されてきたわけなので、活動を再開させるにも、まずは今までを確認しながら、立て直していくところから始めたのではないかな…と。輪番制で会長、副会長などなど役職も変わっていくのでなおさら。きっと、引継ぎされてきた過去の資料や情報などなどを参考にしつつ、「さてどうしていくか」を考えて、活動の再構築をしてきたのではないかしら。さらには、そうこうしているうちに、これもまた「時代」なのかもしれませんが、各中学校ともPTA役員のなり手不足からの、中P連活動への参加自体へのハードルも各校で高くなっていくような状況も…。

 

今後を見通してみると、従来踏襲型では継続しきれないだろうことなど、薄々気が付いてしまう感じもあります。だからこそ、「新しいかたち」が必要となっていることがわかります。こういうの「時代の要請」というのかもしれませんが、でも、「子どもたちのために」というのはいつの時代も変わらないはずなんだけどな。ただ、今日の総会に出席されていた各校の保護者の皆さんは、「くじ引きで…役員になってしまって」という話しもチラリと聞いたものの、前向きに関わろうとされている雰囲気は感じることができたのはうれしいことでした。みんなが忙しさを抱えている中で、引き受けていくというのはたやすいことではありません。やっぱり、一つやることが増えるので。PTAの活動に関わるというのは見方を変えれば、大変なことですし、正直、めんどくさいこととも言えます。それを言ってしまえば終わりですが。

でも、私は「関わる」というのは、どんなことであってもプラスだと思っていて、「関わる」から見えてくること、理解ができることなどがたくさんあると思うのです。いい面、悪い面、すべて含めてですが、「関わってよかった」と最後に振り返ることができるようにも思います。私にとってはそれが「関わる」なのです。そして、PTAの活動というのは、やっぱり「子どもたちのため」のことですから!大人がちょっとだけ踏ん張って頑張りたいものです(そういう気持ちで頑張ってくださる保護者の方の存在がありがたい!)。

そういう意味では、また新たな(令和の)「変わり目」とも言えそうですね。いずれにせよ「何のためにやることが必要で、大切なのか」をじっくり見極めながら、よりよい形を急がないでつくっていくと良さそうです。大事なことはこうした活動は決して「義務ではない」ことを認識しつつ、みんなで話し合いを進めることなのかなと。そうすれば、先が見えてくるような気がするのです。楽観過ぎるかな。各校それぞれが置かれている状況など加味しながら、新たなかたちが模索されていってほしいと思いました。

 

「無理をしてまでやらない」けれど、「ちょっとくらい無理してもいいよ」と思える活動にする。これ、私が大事にしていること。