「旧統一教会」に対する解散命令、その行方は。

尾根幹線沿いの永山7丁目。旧統一教会が取得した物件ですが、今のところ…外からだと様子を捉えることもなかなか難しいです。先週末、すでに報道のとおりで「宗教法人の解散命令」の請求が決定しましたが、決定したことで安堵することはできず、やはり、今後の動向については継続して注視する必要があると思っています。

市長もこれについては素早くコメント、メッセージを発信されていました。(多摩市公式ホームページより)

 宗教法人世界平和統一家庭連合に対する解散命令の請求に関する多摩市長コメント

本日、国から宗教法人世界平和統一家庭連合(以下「旧統一教会」といいます。)に対する解散命令を裁判所に請求するとの発表がありました。

被害者の声を国が受け止め、宗教法人法に規定される報告徴収・質問権行使等により得られた多数の資料を基に、広範かつ重大な被害が生じていることを確認した結果であり、かつ宗教法人審議会の意見を踏まえ、慎重かつ適正に判断したものと捉えています。

旧統一教会においては、解散命令が裁判所に請求されることとなった経過を真摯に受け止めるとともに、現在、多摩市永山七丁目に保有する土地で解体工事が行われていますが、既に本市、市議会から申し入れたとおり、新たな施設の整備については、検討を中止し、白紙に戻すよう強く求めます。

また、国においては、被害者救済のためにも、旧統一教会が保有する財産が散逸しないよう保全措置に係る対応が早急になされることを望みます。
本市としては、引き続き、関係機関と連携の上、旧統一教会の動向を注視してまいります。

令和5年10月12日
多摩市長 阿 部 裕 行

市議会でも市長と同様、「旧統一教会」に対しては、市長と足並みを揃えた対応で臨んできましたが、解散命令は請求されただけの話しであり、実際に解散を命じるかどうかは裁判所の判断に委ねられます。

そしてまた、解散が命じられたとしても、宗教法人格がなくなるだけで、団体としての「旧統一教会」がなくなるものではありません。もちろん、これまでの被害を訴えておられる方も多く、それに対する問題点が消えるわけでもなければ、被害者救済等対応していくことが求められると思う一方、その教えを忠実に守り、暮らしておられる方もいらっしゃり、その方々にとっては生活の一部に信仰があると思うので、無理やり取り上げることができないことを改めて確認しておきたいと思います。信教の自由に照らしても、信者の方々が排除されるようなことがあってはならず、組織としての「旧統一教会」が否定されるにしても、一人ひとり信仰心までを否定してはならない…その存在を拒否することなく、地域でどう共生するのかは課題になっていくのだと受け止めています。とても高度な次元で、捉え、考えていくことが必要だと思っています。

とはいえ、やはり、新たな施設建設に対しては、一旦白紙に戻してほしい…とする立ち位置は今のところ変わらないですね。歓迎はできない。どんな施設ができるのかも含め、わからないことだらけなので不安ですし、これまでの「旧統一教会」の歴史、見聞きする範囲、知る限りにおいては、市内に拠点ができることに対する抵抗感はあります。それでも、「信教の自由」は守らなければならないという立場にあることは変わりなく、そこは、市長も私たち議員一人一人も同様「お互いを認め合って」という普遍の価値を基軸にし、外すことなく向き合っていかねばならない事項であると捉えています。

統一教会は NO!多摩市民連絡会」のみなさんもコメントを出されていますが、「解散命令」請求に対し、「旧統一教会」は争う姿勢を示していることを思うと長期戦になっていくことと想定されます。その間に、新たな施設建設が着々と進められる可能性もあります。私は合法的な不動産取引が行われ、現段階においては粛々と進めている「旧統一教会」に対し、介入することの方は不可能・・・という状況を動かすことの難しさ、厳しさも感じています。これは、誰しもが理解していることとも思います。市長が一番実感し、痛感しているのではないか…とも。正直、一自治体ではどうにもこうにも対応するにも限界があることも確かですが、私たちとしてできること、考えておくべきことを怠らず、一つずつ問題解決に向けて歩んでいきたいものです。決して、私たちが排他的になることで、新たな犠牲者が生まれることもある…これだけは避けたい。あ、「政教分離」の観点からも、もっと議論されていくべきこともありそうですね(これもまた一自治体で…というよりも、国全体、社会全体で…)。