市役所の建替え。全員協議会が行われました。

市役所の建替えが進んでいるのですが…公式ホームページでも情報掲載されているところのタイトルが「市役所のあり方について」になっていて、なんか、オープンじゃない印象があって、もっとはっきりと「建替えを検討しています」がわかるようなタイトルに変更した方がいいのではないかとずっと思っているのですが…。

それはさておき、全員協議会が開催され、「多摩市役所本庁舎建替基本構想(素案)」について、市民から寄せられたパブリックコメントの内容も反映させた内容について報告がありました。各会派、所属議員一人当たり5分の持ち時間で質疑。フェアな市政は4人なので20分の持ち時間があって、何となくそれをシェアしながら質疑しようということをなっていました。他の会派も主に質疑する人を決めて、あとは残り時間を分け合っていた感じでした。

私は今日の全員協議会に臨むにあたり、過去からの「市民アンケート」に目を通していたのですが、公式ホームページ(平成28年度までの庁舎など整備の取組みの経緯(概要))を通じてみることのできるアンケートを踏まえれば、過去2回のアンケートについては「市庁舎の場所」に関する質問項目がありましたが、直近のアンケートには同様内容で市民意向を尋ねるための設問項目が外されていたりで、ちょっと意図的なものを感じざるを得ず、そこはとてもモヤモヤしています。

全員協議会では基本構想の考え方など、あとは今後の進め方などについても質疑がありましたが、それぞれ質疑をされた方の立場の伺い知れるなとも思いました。

「場所のアクセス性」ではなくて「市民サービスのアクセス性」と強調されていて、今の時代、場所の利便性は度外視でも対応できる…と言う考え方に基づいているようですが、私はやっぱり「そうは言っても、立地」は大事ではないかなと思っていて、現在地はいずれの場所に住む市民にとっても「等しく不便」であって、そこに平等性を見出せる…のかもしれませんし、実際、地図上でも多摩市のちょうど真ん中あたりに位置していることを考えれば、「平等」になるのかなとも思いますが、一度、建替えると50年では済まない、もっと長きにわたって使用することになる建物でしょうから…そのことを考えると、現在地で本当に良いのかと思案しないわけがない…。

当面を見据え、10年後とか、20年先というのではなく、もっともっと先を展望しながら、考えていくことが求められる気がしていて、その時には人口も減少し、市職員の数も減っていくでしょうし。それから、例えば健康センター、子ども家庭支援センター、教育センターなどのある建物についても、いずれ老朽化し、建て替えが必要になってくることを思うと、そうした施設を建替えなくても市役所本庁舎に機能を寄せれば、足りるようになるのかなあとか…その先まで考えて、どうしていくかを検討しておきたいものです。また、現在、示されている構想では、駅前の出張所を充実させることで現在地の不便さをカバーすることが想定されているようですが、聖蹟桜ヶ丘には出張所を入れることを前提にした設計がされているけれど、永山の場合には一応、ベルブ永山に公民館があるものの、出張所として機能させていくにはそれこそ狭小、さらに、多摩センターの出張所は賃貸していて、その賃貸料もいつまで支出し続けるのか?という課題もあります。

そうした課題や問題が解決されるような構想にはなっていないので、私としてはもろ手を挙げて賛成とはいかないなあと。とは言え、すでに「現在地の建て替えで良いと思っている」と明確に述べられている方もいらっしゃいました。しかし、現在地で建替え、そこに「職員の労働環境のことも考えて、食堂が必要。」という意見については、食堂の採算性のこととかどう考えるんだろう?と思います。駅前であればまだしも、わざわざ現在地の食堂に来てまで食事をする人がいるのか?という話しです。以前、現在地にやまばとホールや図書館があった時には食堂がありました。子どものころ、そこで「うどん」を食べるのが楽しみだったことを思い出しますが、人が行き交わない場所で食事処を経営するのはそれこそ厳しいでしょう。

駅至近に移転すれば、食事をする場所は解決。食堂は要らないし、駅前などの飲食店も利用者が増えそうですね。現在地で食堂がなくとも、もちろん最低限、職員の皆さんの休息所は必要だと思いますし、そのスペースは不可欠と思いますが…四六時中‥‥職員同士でいるよりは、休憩時間くらい市庁舎から解放された方が…気持ちもリフレッシュできそう。私はそっちの方が働く環境としてはありがたい気もします…。

また、「市民協働を進めていくためのオフィスなどを設置することも大事ではないか…」という提案もありましたが、それにしても市民が出入りしやすい立地にあってこそ活用度は当然に上がります。不便な場所だとなかなか…。日常的に人が出入りできる、行き交う場所…、そういう意味では現在地ではなかなか厳しくて難しい。

私は市役所の建物を未来永劫、多摩市役所だけで使うのか?…とも思っていて、いずれ(近い未来ではないかもしれないけれど)、市役所として不要になったフロアなど、駅前オフィスとして活用できるようなことも想定するとか‥‥他にも知恵がないものかとも思ったりして。合同庁舎みたいなことも想定できそうな気もするんですよね…将来的には。

市役所の立地については、過去からも話題に上り、なかなか決めきれずに今に至る。一時は、永山駅前のURの跡地の話しも浮上していましたが、いつのまにかというか、時は経過し、とうとう多摩市は取得をしたのに、そこは日本医科大学多摩永山病院の建替えの予定地…。なかなか適地がなく、「現在地ありき」の発想で構想が策定されたんだなあと…これが私の偽らざる感想です。そのために理屈づくりをしてきたというのか。

ただ、そうであるならば、その先の計画というのか、多摩センター駅前の出張所をずっと借りっぱなしのままいくのか?とか、永山駅前に出張所を設けると言っても、それも賃貸するつもりなのか?(今、ベルブ永山には多摩市が賃貸し、多くの機能が集まっている。教育委員会も移転しましたし。)とか、そんなあたりもきちんと説明されなければ不十分過ぎて、私が市民に堂々と説明できないな…と思っております。何でもかんでも、そう帳尻が合い、上手くいくことはないのかもしれませんが。

結局、いろんな意味で…議論を後回しにしてきた結果の現在…とも言えるわけで、この状況を引き受けてやっていかなければならない行政も議会も実は追い詰められた状況の中にあることを感じています。それでも、最良の選択をしていきたいものです。