傍聴者全員が議員…市役所の建替え。

いつものように始まる月曜日。今日はさわやかに永山駅前で活動をしてから、すぐに支度をして市役所へ向かうわけですが、ドタバタ始まる月曜日というのは自分にとってはすごく感じが悪く、一週間が「こんな感じになりそう。」という嫌な予感がするものです。一日を振り返ると結構盛りだくさん。

まずは「多摩中央公園の大規模改修工事」にまつわる話題から。いわゆる公民連携というのか、民間資本も入れながらより良い公園運営をめざすためのParkPFIの手法を用いて、改修工事をする方向になっていて、すでに事業者は決定。市民説明会も2度ほど実施して、3月議会には事業を進めていくために必要な議案提出が予定されていたところで…いきなり躓いたというのか…。

事業者側が任意で提案をしていたパルテノン多摩5階の店舗部分(もともとパルテノン多摩の大規模改修の議論の中でも「飲食店」をテナントとする方向でずっと議論がされてきたところでもあり、勝手に「飲食店にはしない」というのは難しい)のテナントが、社会状況の変化などを受けて、「仕事を受けられない」という話しになってしまったという…私自身も「うわっ!」と思ったのですが、ここのところの状況などを踏まえれば「まあ、あり得るな」ということも理解はでき、その後の取組みを見守っておりました。

3月議会の議案提出は取り下げとなり、行政側も事業者と共にいろいろと調整を整えてきたようですね。しかし、パルテノン多摩5階のテナントが決まらないということを理由に大規模改修工事全体も進んでいかないとなれば、いつまでたっても工事ができない状況が続く恐れが大きくなったということでしょう。結果、事業者側からは「任意提案の部分は取り下げる。違約金を支払う。」ということで改めてリスタートをしたいという話しになったようです。そこで、事業者の皆さんもお越しになり、市側で担当する環境部、公園緑地課の職員と共に議会への説明が行われました。なんか、ありがとうございます…という感じもありました。

というのも、そもそも多摩中央公園の駐車場の収入が事業者に入らない仕組みになっていて、事業者的には全体的にも採算をとることが難しいスキームになっているんじゃないの?と思っていたりして、嫌な予感はあったから。だいたい他の自治体でうまく事業が回っているところでは公園駐車場の収入が事業を円滑に回していくためのポイントとされているんですね。にも関わらず、結局、なんだかんだ理由をつけて、従来通りを変えることはせず、「多摩市立中央公園駐車場」にもかかわらず、その収入はパルテノン多摩に帰属する構造になっていたりで…。個人的には事業者さんがよく受けてくれたなあ…という感想もありました。ですので、出鼻が挫かれるというのか、躓いたという点については、その他のいくつか懸念材料とも合わせて、「らしいなあ」という感想しか持てていなかったのです。予め懸念材料については伝えていましたし。はっきりいって、多摩市が今回のParkPFI事業に取り組むにあたって描いたというか、作った条件のほうに無理があったのではないか?とすら思っていたので。要するに、最初から、事業者がかなり無理をしているのではないか?ということ。それでも仕事を受けてしまった限りにおいては相応の責任も発生しますし、きちんと業務遂行をしていただかなければなりません。だから、私の中では「本当にありがとうございます…」なのです。

今となっては、過去をほじくり返すようなことはせず、とにかく、市民のためを考えるとParkPFI事業を成功させていかねばならないですし、より良い方向に進んでくように提案もしていかなければならないと思いますが、一連の経過から学べることはいくつもあり、失敗とは言いたくありませんが、きちんと次につなげていかないといけないでしょうね。

だいたい…と言いますか、市民説明会の時にも「多摩中央公園は広いようで広くない」ということを前提に、あの敷地内に7つの飲食店舗は少し多すぎるのではないか、経営を考えてどうなのか…って…市民からも指摘されていたんですよね。その時、回答されていた方は「たくさんとは思いません。選択肢が多くて7つもあれば、回遊もできるし、より楽しみが増えます。」的なことを回答していたはずなんですけれど。

公園といっても入場料を取るわけでもないですから、そうなると駐車場収入と自動販売機の収入がかなりポイントだったりするのです。そこ、ちゃんと抑えたうえで事業設計、組み立てをしていかなければならないでしょうね。ただ、今回の事業者さん、さすが全国さまざまな公園の活性化の情報など掴んでおられるなあ、研究されているなと思うのは、「カフェ」と「花屋」を配置するという点かもしれません。この2つは今の時代、かなりカギを握るんです。「カフェ」の方は、町田にある薬師池公園の店舗運営会社が引き受けるよう。先日、薬師池公園レストランのカフェにも行っていきましたが、すてきで居心地は良かったです。薬師池公園の店舗と多摩中央公園の店舗と…どんなふうに差別化してくださるのかという点にも注目したいと思います。

6月議会の議案説明がありました。国から降りてくる子育て世帯への給付金に関わる事務を粛々とこなすんだなあとか、あとは、補正予算でもいくつか気になるところがありました。特にレンガ坂についても交通調査かなにかを実施するのかな?という感じですし、多摩センターの将来ビジョンを検討するための委託料なども計上されていて、事前にヒアリングをしておこうかなと思います。

そして、「良からぬこと」として損害賠償をしなければならないと示された「536円」については…ホント、ありえないと思いました。債権の返済期日が3日遅れてしまったことによる延滞金だと。さらっと説明されたのですが、なぜ、そんな初歩的なミス?って感じまして、思わず「ミスが発生した理由」なるものを尋ねてしまいましたが、「うっかり」だったとか。536円であっても市民の税金。緊張感を持ってほしいと思った次第です。市民の皆さんに申し訳ないことですよね。

「きほんのき」

市役所の仕事が(無駄にとは言いませんが)、とにかく増えていて、業務量の増加はもちろん市職員の皆さんの負担増につながっていることは事実です。もちろん全員とも言えませんけれど。そんな中で「今まで発生したことがないような誤り」が起きてしまった…という点を組織としても受け止めていくべきですね。

市内あちこち、お花がきれいですね…ということで、本日のタイトル「傍聴者全員が議員…市役所の建替え。」本題に入ります。今日は3回目の懇談会でしたが、傍聴定員は10名で全員議員でした…というだけの話しです。市役所を建て替えるというのは他の自治体でも市民から注目される話題でもありますし、しかも、「議会についてどうするか、議員の皆さんでお考え下さい」みたいな感じで投げられていることもあって、行政の進捗状況を把握しておきたいというのは議員の心情としては当然ですね。

市長も市庁舎の建替え問題については、しっかりと取組みを進めないとと気合を入れ直したようでして、それを受けて、担当部署も「時間が足りない」ということを言わずに、ものすごいねじ巻いて、ねじ巻いて、ねじ巻いている印象。コロナもあって、取組み全体がイメージ通りに進んでいないというのもあるのかもしれませんが、私はコロナがあってもなくても、おそらく状況は変わらないだろうなあと思っております。

なぜなら、今回の基本構想を策定するための有識者会議において…とりあえず「場所の問題は触らない」ということになっているから。これが妙な雰囲気を醸し出していて、「場所の問題は触らない」となっているにもかかわらず、「本庁機能」にプラスして「出先の機能」として「今の出張所とは違うけれど、でも、市役所の出先機能のある場所」として「ベルブ永山」と「ヴィータコミューネ桜ヶ丘」があげられ、それ前提の説明がされているのは、すごく不思議な感じ。なんかもう、まるで決まったかのようでして。とても「案ベース」には思えない。

これまでの議論では「本庁舎の場所は多摩センターが望ましい」みたいな結論になっているのですが、それって、いったいどのように取り扱われているのか?…というのも疑問。

議論の中では「市役所職員の働き方も変わる」ということが再三再四強調されていること、また、「それほど大きな建物は必要ない」とのニュアンスも込めて、「本庁舎に求められる機能そのものも変わっていくだろう」みたいなことが言われていて…。例えば、今までは駅前全体の活性化とか、まち全体の活気を生み出すとか、あるいは、市民にとって足を運びやす場所…みたいなことも言われていたわけですが、それらは全て反故にされているというのか、特に「市民にとって利便性の良い場所」という点についてはDXがすべて解決します…的な方向の議論が進んでいる感じ。

たぶん…傍聴席で持ち帰り厳禁の資料に目を通した議員の多くは「結局、建て替えるのは現在地なんだろうな」と察したはず。いつのまにか、今までの「市役所をどこに移転させるか」議論が吹っ飛んでいるというか、フェードアウトしている感あります。まあ、とりあえず今までの議論の到達点「移転場所は多摩センター」については触らないようにしている感じですね。でも、市民と共に議論した到達点でもあるんですけど。現実問題、多摩センターのどこに市役所を建てるのか?という話しになれば、これまた、もうひと段階議論をしなければならないので、その時間はなく、その議論は避けて通りたいという意図が透けて見える感じ…。

それはさておき、今日の懇談会では「民主主義の原点でもある議会であって、そのことについて議会に決めてくださいではなく、市民も意見を言っていいはずだ」的な立場からのご発言もあって…なんか、すごい違和感。そもそも私たち議会が庁舎の建て替えにあたって「議会のことは議会で決めるから、他の人に触れられたくない」なんてこと一言も言っていないのに…。

また、市議会をDX、デジタルでどう開いていくのかも課題であるとの指摘もされたのですが、多摩市議会の実態とか現状とか…全く度外視されているような感があり、しょんぼりですね。「多摩市議会が開かれていない」という印象で語られて気がしてさみしいですねえ。ちょっとくらい、市議会のYoutubeを見てもらいたいなーなんて。

そして、会議なんてオンラインでもできる…くらいなことをおっしゃっていましたが、私はもちろんオンラインでできないこともないですが、個人としてはやっぱりデジタル情報では捉えることのできない情報ってものすごい人間の判断には必要な情報であって、オンラインだけで済ますことの難しさはあるよ…って言いたい。傍聴についても、インターネット中継で見るのと傍聴席で臨場感を味わうのとでは違うということも伺いますしね。私は何でもかんでもDX…というのも、ちょっと違う気がしています。

有識者懇談会で述べられていたことで最重要なポイント「人口も税収も減少していく。これまでの前提条件を変えていく意識。」‥‥まずは職員意識を変えていかないと指摘されていたところ。「職員の意識改革なくして、庁舎の建て替えもなしえない」ということが語られていたと思います。

そんなわけで、市役所建替えに関わる市民フォーラムが7月30日(ベルブ永山)、8月27日(ヴィータコミューネ桜ヶ丘)で開催されるとか、予定だけは決まっていて、しかもこのフォーラムも‥‥かなりねじ巻きねじ巻きな自転車操業の延長線上にあるんだなあと感じさせられたのは、有識者懇談会のメンバーは半数ずつ出席でお願いしますという形式になっている点…なんだかね…という感じ。とりあえず、私は両方出席するためにしっかりとスケジュールに予定書き込み。それにしても、市民の皆さんの関心ってどのくらいあるのかなあ…。今のところ測りかねていますが。

 

今日は5月30日。ゴミゼロの日…明日で5月も締めくくり。早いなあ。盛りだくさん書きすぎました。