都議選「誰に入れればいいですか?」…その②

さて、昨日の続きです。都知事と「選挙協力」をするという関係性を結んでいる政党と所属されている議員とはやはり強固な関係性があります。言わば「都政運営を安定させていきましょう」とするつながりとも言えるからです。しかし、今回の都議選では都知事と各政党との間でどのような政策協定が結ばれているのかがとても気になっています。私が大事にしたいことは「誰が言ったかよりも、何を言ったか」だと思っているので、「人参ぶら下げる」ような関係性だけで物事が進んでいく、あるいは政治が決定していくというような「政治力学」に偏った判断が行われるようであれば困るなあということがあります。

その意味で、私個人的に「ふるい議会」と言葉に思い浮かべるのは多数派だけで物事を決定し、少数派が切り捨てられるという傾向ですし、無所属という立場で活動する議員がぞんざいな扱いを受けることです。多摩市の場合には各会派の人数バランスが良いというのか、圧倒的多数で過半数を超える議員数を抱える会派がないところが特徴で、だからこそ、他に比べれば民主的な議会運営が行われているような気もします。会派人数に関わらず、意見を述べる機会もあればその意見が取り入れられる場合もあります。代表者会議や議会運営委員会にもオブザーバーとしての参加が認められ、最後の決定に挙手で加わることはできませんが、意見を述べることは可能です。いまや多摩市議会の場合、「少数派の意見も尊重する」姿勢は議長や副議長をはじめ、多くの議員が当たり前のように気にかけている点とも言えます(議会基本条例を制定した頃からかなと思いますが、議会の雰囲気は様変わりしてきたなあと思っています)。ちょっと手前味噌な感じもあるかもしれませんが、他自治体からも驚かれるオブザーバーの仕組みです。

 

「数の力」。多数決民主主義では最後はやっぱり「数」になってしまうとはいえ、やっぱり、より公平で公正で、そして開かれた議会運営をめざしていくことが大切であり、そうした議会をめざしていくことが大事だと思っています。議員は一人ひとり皆、市民から選ばれているわけで、そこに上下はありません。一人会派だからと…議会運営に意見を述べる場が無かったり、言論封鎖に近い状態になっていることなども聞き及ぶと驚くわけですが、まだまだ残存する現実です。

 

都議会の場合には市議会とは異なり、議会質問などのつくりかた一つをとっても、質問調整などもかなり大変で、都庁の職員の駆り出され方も市議会とはレベルが違うとも聞いています。ただ、都庁の職員は都全体のこととなると市職員以上にやっぱり各地域の情報をきめ細かく得ることが難しいと思う。多摩市の職員でもフットワーク軽く、すぐに現場や現地確認をしてくれる方もおられますが、都職員の場合にはなかなかそういうわけにはいかないでしょう。だからこそ、南多摩選挙区から選出される都議会議員として、地域と東京都をしっかりつなぐ役割を果たしてくれることが必要とも言えます。

 

そして、そのために多摩市や稲城市にどれだけこだわって情報収集し、活動するのか、できるのかも問われそうですね。現職あるいは元職の場合には、これからの活動以上に今まで4年間含め、どんな活動をしてきたのか、多摩市や稲城市のためにどうパイプ役や調整役として行動されてきたのか…にも目を向けておきたいものです。都議会議員は市議会議員以上に顔が見えないといわれます。多摩市が主催する催しで来賓で招待されている姿にたまたま出会うくらいな感じですかね。

 

今回は全て政党公認の候補者ですから、政党の好き嫌いというのか、政党の掲げる政策で選ぶというのは重要ですが、やっぱり、地域にこだわりどのくらい活動量をしているのか。そしてまた、活動手法についても問われることと思います。そこにもまた力づくとか、フェアではないとか…そんなことがあれば困ります。ただ、その点については候補者のみなさんいずれの方も、市民からの依頼についてはきちんと対応されている気がします。新人の方のお人柄にも少しだけ触れましたが、がっつり支える市議会議員のみなさんもいらっしゃることを思うと市民に色付けをして対応を違えるようなことはなさらないだろうと思います。「誰のための政治なのか」を外さずに行動してくれる人を選びたいと思っていますが、選挙活動ではみなさん「市民のためにがんばります」「都民のために粉骨砕身します」と言いますから、やっぱり難しい…ですね。もう一つ、市議会の場にいて思うことですが、自民党や公明党、共産党のみなさんは選挙以外のところでも国会議員や都議会議員との連携関係がしっかりいているなという印象があります。生活者ネットワークはその地域から都議を直接輩出しているかどうかでも変わってくると思います。私が生活者ネットワークにいたころは都議がいらっしゃって、ともに活動する機会も多くありました。政党の歴史が浅いと致し方ないのかもしれませんし、私の見えている範囲は狭いとは思いますが、直接的に現職の都議がいなくてもしっかり連携した活動ができているのは公明党と共産党ですね。市議のみなさんの活動ぶりから感じています。

ということで、政党で選ぶというのは、ある意味で正当なる選択かもしれませんが、やっぱりそれだけではない側面もあるのかなと思っているので、あともう少し続きを書こうと思います。